観天望気で悪天を予測!10種類の雲から気象を見分ける方法

観天望気で悪天を予測!10種類の雲から気象を見分ける方法

登山やハイキングでは、天候は重要なポイント。
出発前に天気サイトをチェックすれば、だいたい天気を予測することもできますが、山の天気は変わりやすく、現地で雲や自然現象を見て気象を判断することもあります。

ここでは、雲を見て悪天を予測する観天望気を紹介します。
中には、大雨や雷を起こす要注意な雲もあるので、ぜひ登山に役立ててください。

観天望気とは? 天気の予想は雲を見ることから始まる

雲を見たり、風を感じたり、人間の五感を使って、今後の天気を予想することを観天望気といいます。観天望気は、古くから行われてきた天気予報で、農業は天気に大きく左右されることから、その土地ごとにさまざまな天気に関することわざが言い伝えられてきました。

ただし、観天望気は天気予報のなかで最も難しい技術です。

雲は、目に見えない空気の状態を語ってくれる貴重な存在であるが、それを理解するには、雲が発生するメカニズムや、雲の成長や発達を促したり消滅させる仕組みを知らなければなりません。

そこで、まずは、雲の種類とその高さ、その雲によってもたらされる天気を知ることから始めていきましょう。雲の写真を撮って、普段から天気図を記録しておくと観天望気の勉強に役立ちます。
また、平地ではほとんど無風であっても、山頂や稜線では強風が吹いていることがあります。そのようなときは雲の形状からわかることが多いです。登山口では必ず、空の様子をチェックし、稜線が強風が吹いていることが推定してみるといいでしょう。

観天望気に必要な知識!基本となる雲の種類とその高さ

雲の種類は、大まかに雲の高さによって分けることができます。上層雲(高いところにある雲)、中層雲(中くらいのところにある雲)、下層雲(低いところにある雲)、対流雲(縦長の雲)の4種類に分けることもある。

上層雲は、晴れの日によく見られる雲で、雨を降らすことはありません。中層雲は、雨の前兆、もしくは雨を降らす雲となり登山中は要注意です。下層雲は、それだけで天候の崩れの原因となることは少ないのですが、気温や気圧、風向き次第では中層雲へと発達し、雨の原因となるので注意が必要でしょう。

基本となる雲の種類

  • 上層雲(5000〜13000m):巻雲、巻積雲、巻層雲
  • 中層雲(2000〜7000m):高積雲、高層雲、乱層雲
  • 下層雲(地上〜2000m):層積雲、層雲
  • 対流雲:積雲、積乱雲

雲を見て天気を予測!全部で10種類

雲の種類は無数にあるが、国際的に決められた方法では10種類に分けられています。雲は10種類あるが、「層」「積」「巻」「乱」「高」の5種類の漢字の組み合わせ。「層」は平べったい雲を、「積」は塊状の雲を意味する。そのように、意味を理解しながら覚えていくとわかりやすいだろう。

巻雲

空の高いところにカールを描く透き通った雲。好天が続くときに現われることが多い「晴れ巻雲」と、天気悪化の前兆になることが多い「雨巻雲」がある。前者は乾いた感じの毛状の形、後者は湿った感じやかぎ状の雲。

巻層雲

空の広範囲を薄く覆うように現われる雲で、「うす雲:とも呼ばれる。この雲が太陽や月を覆うと、その周りにかさがかかることがある。巻層雲が巻積雲に変わっていくと、天気が崩れることが多い。

巻積雲

魚のうろこのような、白い塊状の雲。古くから「うろこ雲」や「いわし雲」と呼ばれている雲で、秋の空によく現われる。気流の変化が激しいときにできる。ひとつひとつの塊が大きくなって、高度が低くなってくるようだと注意。

高積雲

巻積雲よりもひとつひとつの雲塊が大きく、雲底の高度も下がり、雲の一部が灰色になることも。その形から@「ひつじ雲」とも呼ばれる。夕焼けに照らされると非常に美しくなる美人雲。全天に広がると天気が崩れることが多い。

高層雲

空全体を覆う灰色の雲で、太陽や月が透けて見えることがある。通称「おぼろ雲」。巻層雲が次第に高層雲に変わるようなときは、数時間後に雨になることが多い。

乱層雲

雨雲、雪雲とも呼ばれる。全天を覆う暗い灰色の雲で、しとしとと長時間、雨を降らせる。色が黒に近いほど強い雨が降る。この雲が現れたら、低気圧や温暖前線が接近している証拠だ。

層積雲

ひとつひとつの雲の塊が大きく、雲と雲の間は青空がのぞき、畑のうねのように見える。冷たい空気が海側から入ってくるときに現われ、平地では空気がくずつくが、高い山の上では晴れていることが多い。

層雲

霧がかかっているときの雲。「きり雲」とも呼ばれる非常に薄い雲で、赤外線の衛星画像では判別が難しい。山ではほかの雲でも霧に包まれるので見分けが激しい。

積雲

「わた雲」と呼ばれるように、白い綿が空に浮かんでいるように見える。大気が安定しているときは、現れてもすぐに消えていくが、大気が不安定なときは上方へもくもくと成長し、カリフラワー状になっていく。

積乱雲

「入道雲」と古くから呼ばれてきた雲。積雲が発達して雲の上部が氷点下の高度に達したもの。大気の状態が不安定なときに現われ、雷雨やゲリラ豪雨、突風、雹、大雪などをもたらす危険な雲。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。