登山中にシャリバテを起こさない予防法!ゆっくり歩いて、食べて、飲もう!

登山中にシャリバテを起こさない予防法!ゆっくり歩いて、食べて、飲もう!

登山では長時間歩き続けるため、普段の生活に比べて比較にならないほどのエネルギーを消費します。きちんと食べ物や水分をとらないで激しいエネルギー消費を行うと、血糖値が下がり、急に全身に力が入らなくなり、動けなくなってしまいます。

山の中で動けなくなってしまうことは、とても危険なことです。
食べ物が不足して疲れしまうこと、シャリバテ(ハンガーノック)を起こさないために、その原因と食事や水のとり方の基本を知っておく必要があります。

ここでは、登山中にシャリバテを防ぐための方法や山で重宝する食べ物、食事の摂り方などを紹介していきます。安全登山のために、ぜひ一読してほしい。

登山でバテる、疲れてしまう原因

アウトドアで活動していて「バテる」「疲れる」という状態に陥ることがあります。体力がありエネルギーに満ちていていつも元気ならいいのだが、どんなに元気な人でもバテたり、シャリバテ(ハンガーノック)になった経験はあるだろう。

登山中に疲れる原因には、食べ物が不足してバテるシャリバテなどいろいろあります。大きな原因は主に次の3つになります。

(1)歩行や移動のスピードが速すぎる
(2)食料の補給が不十分
(3)水分の補給が不十分

スピードが速すぎれば、筋肉の中に乳酸がたまってきて疲れてくる。食料の補給が足りないと、筋肉を動かすためのエネルギーが足りなくなり、疲労する。水分が足りないと、体温が上昇し、血液の流れも悪くなって披露につながります。

歩行中にシャリバテを防ぐためには。ゆっくり歩いて、食べて、飲もう!

登山でバテないようにする予防策は、「歩くのが早い」「食料補給が不十分」「水分補給が不十分」の疲れを起こす3つの原因を避けるようにすればいい。といっても、どのくらいゆっくりすればいいのか、どれくらい食べればいいのか、という目安が必要です。

3つの基準は以下のとおりです。

レースのような激しい運動や運動になれたエキスパートの場合はさらに個人に合う目安を経験から導き出す必要があるが、一般的にはこの目安を守ってバテないように気をつけたいです。
そして、疲れてきたら、3つの条件のうちどれが原因かを考え、ゆっくり行動する、食事をとる、水分を補給する、のいずれか、またはすべて対応しましょう。

ゆっくり歩く

最適な登山のペースは、人によって違うので、心拍数が使われます。バテないで登るためには、最高心拍数の75%以下を保って歩くのがいいと言われています。

最高心拍数(200〜年齢)× 75%以下を保つ

食べる

登山中にどれだけ食べればいいのか、どれだけエネルギー補給すればいいのかは、個人差や登山形態による差はあるものの、体重と行動時間から大まかに計算することができます。

体重×行動時間×5kcalの50〜100%分のエネルギーを摂る

飲む

食料補給と同様に、水分補給も大まかに計算することができます。体重と行動時間から、行動中に必要な水分量を計算できます。

体重×行動時間×5mlを行動中に飲む

グループ全体でシャリバテを防ぐ

1人で行動している時にはそれでいいのだが、アウトドアではグループで行動していることが多い。その場合は、グループでできることも考えよう。
例えば、グループで歩いている場合、バテてきた人がいたらその人をグループの2番目にする。そうすることで、先頭はその人に無理のないペースを守って歩くことができる。それでも疲れている、あるいはペースが遅くてどうしようもない場合には、荷物を分けて元気のある人に分散すれば、グループ全体のスピードをそれほど落とさずに歩き続けることができる。

間違っても、疲れた人を最後尾にして後から来させるようにしてはいけない、だんだん離れて動けなくなってしまったら誰も助けることができないし、後になってどこでいなくなったかわからなくなってしまう。疲れ方が激しく、空身にしてペースを落としてもダメなようなら、おとなしく引き返すか、夕暮れが迫っているならビバークすることを選択肢に入れたほうがいい。誰もバテたくてバテているわけではないので、グループ全員が一番安全でいられる方法を考えよう。

食べ物の摂り方 シャリバテを避けて養分摂取

シャリバテは、血液中の糖分不足で起きるので、すぐ糖質(炭水化物)補給しよう。糖分は分解が容易で、素早く熱源になります。脂質とタンパク質は消化に時間がかかるので、登山中は多くは摂らない方が良いでしょう。
休憩時の行動食にはブドウ糖を含む飴かチョコレートなどを摂ります。飴はポケットに入れておき、登り始めなどで口に入れておくと良いです。

のどが渇いているので、水分の多いのものが食べやすいです。たとえば、クッキーよりもお煎餅です。とくに濡れ煎餅は喉の通りがよく、塩分も補給できます。

昼食時にも炭水化物をメインに摂ります。おむすびやパンなどが良いです。おむすびに入れる梅干しは塩分とともにクエン酸も含み、疲労回復に効果があります。寒い季節にはおむすびは凍ってしまことがあるので、パンにします。パンはご飯よりも腹もちが悪いので、腹もちを良くするためにバターやマヨネーズ、コンデンスミルクを塗りましょう。ただ昼食時に一気に大量に食べないように。胃腸に負担になり、だるくなったりします。なるべく小刻みに、休憩時間ごとに食べものを摂るようにします。
果物は重いですが、水分が多くて食べやすいです。ミカンなどのかんきつ類やリンゴはクエン酸を含み、疲労を改善させます。

登山中は炭水化物をとろう

体重60kgで体脂肪率が25%の人は60kg × 25% = 15kgの脂肪組織がある。このうち20%が水分なので12kgの脂肪があることになる。1gの脂肪は9kcalになるので、108,000kcalが脂肪として蓄えられている。
1日の消費量を2,500kcalとすると数十日以上持つことになる。しかし、脂肪を燃やすためには炭水化物を使う必要があります。炭水化物は備蓄量がわずかしかなく、運動開始1.5時間程度で枯渇してしまいます。
脂肪があり余るほどあるのに、燃料切れしまわないように、行動中は炭水化物をとりましょう。

山で重宝する食べ物

栄養食品、ゼリー飲料、乾燥果実…
重宝するのはスティック状の栄養バランス食品。軽くて、重量の割に高カロリーなので、行動食と非常食に使うと良い。さまざまな種類があり、スーパー、コンビニ、駅の売店に、お菓子やチョコレートとともに並んでいます。
ゼリー飲料も喉越しが良く、バテているときにも楽にとることができる。干しぶどうやナッツ類などのドライフルーツも、高カロリーで軽いもので、オススメ。乾燥野菜も自炊するときには便利。最近、防災フードとして多くの商品が出ている。

行動前・行動中にバナナ

バナナにはすぐエネルギーになる成分と、あとでエネルギーになる成分が含まれているので、長時間行動に適しています。

チョコレートは、ハンガーノック対策や非常食に

チョコレートはカロリーが高く、食べるとすぐに血糖値を上げてくれる。高カロリーなので非常食にも最適です。

パワーバーやジェルは、運動中のエネルギー補給に

パワーバー、パワージェルは高カロリーですぐにエネルギーに交換される。長距離アスリートが愛用する

食事の代わりや暑い時にエナジージェル

ウィダーに代表されるエナジージェルはすぐに摂取でき、食欲がない暑い時でも喉を通りやすいのがメリット

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。