登山の適したカメラの選び方!画質・防塵防滴・重さのバランスが大切

登山の適したカメラの選び方!画質・防塵防滴・重さのバランスが大切

登山をして綺麗な景色を撮影するためには、一眼レフやミラーレスなどの本格的なカメラがほしい。

登山をして素睛らしい風景に出合った時、思い出に素晴らしい景色を記録したいと思い、さっとスマホやコンパクトカメラで風景を撮影してみても、なんだか思ったように景色の素晴らしさが伝わる写真が撮れないことがあります。
折角なら目の前に広がる景色をより良い写真に残したいと思って、本格的なカメラを持って登山をしたい人は多いはずです。

そこで、ここでは山の撮影に適した一眼レフ・ミラーレスカメラ選びについて解説しようと思います。まず各カメラの種類や特徴を基礎知識はじめ、山の撮影に適したカメラ、カメラ選びのポイント、山に持っていくカメラ機材リストをまとめています。

カメラの種類 どんなカメラがあるか知ろう

デジタル一眼カメラの進化は著しく、高画素化と高感度化が進み、画像処理技術の進歩でノイズの少ない画質が得られるようになりました。画質の向上に合わせて、操作性も改善されています。

一方、一眼レフカメラは重くて大きいので、女性や年配者にも使いやすいコンパクトな一眼ミラーレスの機種が増えている。一眼ミラーレスは小型、軽量、高画質と三拍子揃っていることが魅力で、ソニーやオリンパスなどから最新の撮像素子を搭載した機種や、女性をターゲットにしたデザイン性のある製品が発売されています。
きれいな風景を撮影するためには、カメラが絶対に必要となります。しかし、様々なカメラが並んでいて、どのカメラを購入して良いか迷ってしまうかもれません。

デジタルカメラは、デジタル一眼レフカメラ、ミラーレスデジタル一眼カメラ、コンパクトデジタルカメラに大きく分けることができるが、まず、それらカメラの種類と特徴を説明していきます。

デジタル一眼レフカメラ

高画質のレンズ交換式のカメラとしては最もオーソドックスな力メラです。ちなみに、「一眼」というのはカメラにつけるレンズが一つであることで、「レフ」は反射という意味です。

光学ファインダーと大型のAF(オートフォーカス)センサー搭載で被写体の実像をタイムリーに見ることができることと、暗い場所やビントを合わせにくい様な小さい被写体にしっかりとピントを合わせたり、動いている被写体を追尾しながら撮影する事を得意としています。
全機種を通して撮像用のセンサーサイズも大きく、画質も綺麗、動いている被写体にも強い、万能なカメラと言えます。ただ、ファインダーと専用AFセンサーを擁する構造のせいで大きく重たいというのが難点なります。

一眼レフカメラは、さらに高級機、中級機、入門機、そしてり中判カメラに分けることができます。

高級機

高性能で竪牢性を備え、ボディはマグネシウム合金で衝撃に強く、防塵防滴構造。撮像素子は35mmフルサイズが中心で、有効画素2020万画素〜5060万画素で高画質、ファインダーの視野率は100%。プロ用のスポーツ写真では連続撮影速度が重要になります。プロ用からハイアマチュアまで幅広い機種があります。
ただし、本体重量が重いことが欠点です。

中級機

ハイアマチュアの用途にも耐える信頼性、性能のパランスが取れた実用機で、これから本格的に山岳写真に取り組む人におすすめです。撮像素子は35mmフルサイズとAPS-Cサイズで、有効画素が2400万画素のものもあります。視野率100%で防塵防滴構造、本体重量はやや重いです。

入門機

コンパクトカメラを卒業して、はじめてデジタル一眼レフでの撮影にチャレンジする人におすすめです。コンバクトで軽量なので、女性でも気軽に山に持って行くことができます。購人時はこの機種にマッチしたレンズを揃えるようにしよう。ピントや露出のマニュアルモードがないと星空撮影は難しいので注意。

中判カメラ

大型のセンサーは使用しており圧倒的な画素数で、ほかの機種に比ベ、質感描写は圧倒的に優れています。GFX50Sは本体重量が740gと意外と軽い。中判カメラはハイアマチュアやプロにおすすめ。

ミラーレス一眼

一眼レフカメラからファインダーに関する構造と専用AFセンサーを取り払い、全体の小型化を図ったレンズ交換式のカメラ。画質を重視しつつ、軽量化小型化できるのが強みです。
ちなみに、ファインダーとAFセンサーに光を送り込むために一眼レフの中に入っていたミラーが、ミラーボックスごと取り払われたので、「ミラーレス」一眼という名称が定着しました。

本体が小さく、軽いことから、年配者や女性でも使いやすく、山にも持って行きやすい。それでいて一眼レフカメラ同様、レンズ交換が可能で、撮像素子はマイクロフォーサーズから35mmのフルサイズ、中判カメラ用まであります。
高画素・高感度モデルの画質は高級機に迫ります。高級機から入門機まで揃っているので、目的に合ったカメラが選べます。

コンパクトカメラ(コンデジ)

レンズ交換が出来ないカメラ全般を一般的にコンパクトカメラといいます。画質に関しては基本的に一眼レフカメラやミラーレス一眼に一歩譲りますが、携帯性に関してはピカイチです。
機械が苦手な人でもシャッターを押すだけで写真が撮れる手軽なカメラ。軽く、コンパクトなのでスナップ撮影や、サプカメラとして使用頻度は高いです。

選ぶポイントは、最低限マニュアル操作が出来るものが良いと思います。ピント、露出がマニュアルで設定可能な機種であれば星空撮影も可能になります。
その上で、携帯性や防水性能を考えるなら、センサーサイズは小さくとも明るく品質の良いレンズを使っているモデルを選ぷこと。
画質を重視したいならば、一般的なコンバクトカメラよりも大きなセンサーと品質の良いレンズを搭載しているカメラを選ぶこと。ただ、高画質のモデルは、ズーム倍率が低い事が多いので、登山道から離れられない場所や崖の上などでは自分が被写体に近づく撮影するシーンが多い場合は、高画質かつ多少ズームができるモデルを選ぶように気をつけましょう。

デジタル一眼レフとミラーレスカメラの違い

カメラを購入するとき、デジタルー眼レフカメラにするか、ミラーレスにするかで悩む人が多いと思います。ここでは風景写真や山岳写真を撮る人に使われているデジタルー眼レフカメラと、ミラーレスの特徴を比較してみよう。

サイズと重量

まず、サイズを比べると、大きさがだいぶ違います。より軽快にコンパクトに持ち運べるミラーレスになります。ただ、一眼レフもただ大きいだけでなく、手になじみやすい大きいグリップ、広々と配置されたボタンなど、操作性が高く撮影に集中できます。モデルによって、堅牢性も高く雨や衝撃などに強く安心して使えます。

また、本体重量もサイズ同様に、一眼レフは重く、ミラーレスは軽いです。

ミラーの有無とファインダーの違い

次に、一眼レフは、カメラの中にある鏡に、レンズが捉えた景色を反射させ、光学ファインダーを通してその景色を見ます。リアルタイムに景色を見ながら撮影できるため、撮りたいと思った瞬間にシャッターを切ることができます。
一方、ミラーレスカメラの場合、ミラーがない代わりに、レンズが捉えた景色を映像に変換し、それを電子ビューファインダーや液晶モニターに映します。
これのメリットは、明るさや色味などを撮影前に確認することができることです。撮ってみたら思わぬ写真になっていた、という状況を避けることができます。

画質とイメージセンサー

さらに、画質とイメージセンサーの違いがあります。一眼レフもミラーレスも、コンパクトデジカメやスマートフォンよりも大きなセンサーを搭載しています。そのため、どちらもボケ感のある写真や星空撮影など、ハイクオリティな写真が撮ることが可能です。
一眼レフカメラは、「APS-Cサイズ」「フルサイズ」の大型センサーモデルが主流で、ミラーレスは小型センサーから大型センサーまで幅広いモデルがあります。

レンズの種類

あと、交換レンズのラインナップの違いがあります。どちらも様々な特徴を持ったレンズが出ていますが、ラインナップは一眼レフの方が種類が豊富です。一方、ミラーレスは、一眼レフよりも種類が少ないが、コンパクトに設計されたレンズが多いです。
機能性かコンパクトさを取るかで、どちらのカメラを選ぶかが変わってきます。

山で写真を撮るのに適したカメラ

本格的に写真をはじめたい人は、デジタルー眼レフの中級機か高級機の中から予算に応じて機種を選ぶと良いです。また、今までフィルムカメラを使用していた人は同一メーカーのデジタルカメラを選ぶと操作ボタンやダイヤルの位置が似ているので使いやすい。
はじめてデジタルカメラを購入する人は入門機か中級機がおすすめです。

ただ、一眼レフカメラは重くて大きいモデルが多いです。登山では荷物が重たくなるので、小さく軽いカメラで高画質を求める人はミラーレスを検討しよう。ミラーレスは高画質でボケ感の写真や星空撮影も楽しめ、レンズの種類も多くなってきた。小さく軽いカメラでありながらも、ハイクオリティな写真が取ることが可能です。

カメラを選ぶとき、自分が撮りたい被写体に適したカメラか、撮影するためのレンズは揃っているかを考えたい。また、星の光跡や天の川を撮りたいのであれば、カメラのピント、露出はマニュアル操作が必須で、明るい広角レンズが揃っていることが選ぶ条件になります。

自分に合ったカメラの選び方

山で撮影をするカメラを選ぶとき、画質、防塵防滴、そして重さ、主にこの3つの要素を意識して選ぶと失敗が少ないかと思います。
高画質、防塵防滴の機種を選ぷという事も検討しつつ、最も優先するベきは自分の持てる重さを考えて、無理のない重量の機材を検討すると良いと思います。

選ぺるレンズの豊富さと、重量、値段のパランスからおすすめは、APS-Cサイズ一眼レフか、マイクロフォーサーズという事になると思います。もちろん体力があり、5kg程度なら荷物が増えても充分登れるという方にはフルサイズ一眼レフがおすすめです。

一般的な人の場合、荷物の合計が自分の体重の1/4を越える様になると特に重量を感じるという事なので、自分が普段山に持って行っている装備の重さを今一度チェックして、そういった事も加味して検討してみると良い。

  • 縦走をこなす様な方ならば悪天候も考えて防塵防滴も検討
  • 体力に自信があればフルサイズ一眼レフ
  • 軽量化を重視するならマイクロフォーサーズ

高画質、星空を撮るなら一眼レフやミラーレス

目に映った景色を綺麗に残したい、星空や暗い場所でも撮影したい、といった場合は一眼レフカメラやミラーレス機がおすすめ。
そのなかで、センサーサイズは、フルサイズ、APC-S、マイクロフォーサーズを選ぶと良い。順にセンサーが小さくなり、よりセンサーサイズが大きい方が、綺麗な写真を撮れます。

例えば、マイクロフォーサーズという小型センサーを使用したミラーレス一眼は、ノイズやダイナミックレンジなどセンサーサイズはやや不利ですが、スマホよりも高画質で撮ることができます。モデルに寄りますが、防塵防滴であること、フルサイズに比べると圧倒的に軽量です。
フルサイズに比べるとやはり写りはそこそこですが、設定を考えれば十分星空を撮影することができます。はじめてカメラを購入する初心者は、カメラを勉強する良い機会になります。

あと、ミラーレスは新製品が多く発売され、カメラ性能の向上が著しいです。特にこだわりがなければ、値段が安い型落ち品を狙い、浮いたお金で高性能なレンズを買うのもアリかと思います。

重さによる比較

山にカメラを持っていく上で画質以外に最も重要な点は重さです。
超高画質で超軽量なんていうのがあれば言うことは無いのですが、世の中そんなにうまくは行かないので取捨選択をする必要がでてきます。
山にもって行く装備を減らして重いカメラを持って行くというのは全くおすすめすることはできません。カメラよりも山の装備が優先です。第一と考えた方が良いでしょう。

そこで選ぶための基準として、重さを中心にレンズラインナップが揃っているカテゴリーを選抜して比較をしていきます。

フルサイズ一眼レフ(約1,200g〜)

本体と標準レンズキットで概ね1,200g以上となります。交換レンズと三脚を合わせると機材重量としては3〜5kg位を覚悟する必妻があります。

APS-Cサイズ一眼レフ(約600g〜)

一番軽い標準レンズキットの重さが概ね600g程度になります。交換レンズと三脚を合わせると2〜4kg程度の機材重量を想定します。

APS-Cサイズミラーレスー眼(約400g〜)

一番軽いレンズキットで400g程度から選ぷ事ができます。交換レンズと三脚を合わせると2kg〜3kg程度を想定すると良いでしょう。

マイクロフォーサーズ(約300g〜)

レンズキットで300g程度のものから存在します。交換レンズと三脚を用意しても1.5kg〜2.5kg程度を想定しておけば充分です。

防塵防滴

中級クラス以上の一眼レフや、上位クラスのミラーレスでは、防塵防滴構造のモデルが多くなっています。自然の中、天候が変わりやすい撮影環境では防塵防滴は非常に心強いものになります。
安全性を考慮するならば、防塵防滴耐温度性能のモデルが理想的です。大抵は防塵防滴構造をうたっているモデルならば問題ないでしょう。

とは言っても、悪天候の中で、写真をわざわざ撮り続けるという状況は基本的に避けた方が良いので、機材自体どうしても防塵防滴でないといけないというわけではありません。

軽量化を重視するならば悪天候時のために持ち遷び用の防水ケース、あるいは防水カバーがあれば良いと思います。

カメラの耐候性能は必須か?

先ほど、防塵防滴の話をちょっとしましたが、実際に登山でカメラの耐候性がどれぐらい必要なのかというのは結構気になるところだと思います。そこで、もう少し深堀りして話をしていきたいと思います。

防滴性能、小雨やガスの中の撮影も安心

防塵防滴のミラーレスカメラを持って山の撮影をしに行った時、ガスから始まり、雨、風とめまぐるしく天候が変わったことがありました。その中で、さっと取り出してすぐに撮影してさっと水滴を拭き取ってバッグにしまうというスタイルで撮影しながら登りましたが、今のところ問題なく動作しています。

長時間撮影せずに、おおよそ数秒程度で撮影してバッグにしまっています。レンズやマウントの隙間から水が侵入する程の時間出しっばなしでなければ神経質になりすぎる必要はないと思っています。
防塵防滴の機種でない場合は軽く拭き取ってからしまうというのは結構重要なポイントです。

ちなみにレンズは比較的気密性の高い構造になっているようで、防塵防滴でなくてもよほどの土砂降りでなければ壊れない事が多いと思います。ただし、商品による差は当然あると思いますので油断は禁物です。

耐温度性能、マイナス15度以下の厳冬期の撮影なら

冬山で撮影をしていた時、登山者にコンパクトカメラで撮影を頼まれました。
すると電源をいれて、だいたい20秒程度で電源が落ちてしまいました。カメラ本体とパッテリーが冷えすぎていたのが原因だと思われます。

マイナス15度以下になりそうな場所では、液晶モニターを使用する機種の場合、電源を入れてすぐ撮影するとかバッテリーを温めておくとかの工夫が必要だと思います。ちなみに、スキー場くらいの場所であれば、特にどんな機種でも問題ありません。

液晶モニターを使用しないで撮影できる一眼レフの場合、耐温度性能がなくともマイナス20度位まではなんとか動くことが多いです。それでも撮るとき以外はバッテリーをポケットに入れておくなどの工夫はしておいた方が良いかと思います。

防塵性能、砂嵐の環境下でも動作が固くならない

防塵防滴ではないカメラを持って山に撮影に行ったとき、その日はものすごく風が強く砂塵が舞っているような状況でした。

それは面白い天候で良い写真を撮る事ができましたが、湿った砂嵐の中では一日でボタン類の動きが固くなってメーカーメンテナンスが必要になってしまいました。その時使用していたレンズの方もズーミングするとひっかかりが出来て異音がするので、一緒に分解清掃に出すことに。

どんな状況でもしっかり撮影したいという場合、耐候性能が高い機種か、中級クラス以上の一眼レフが安心と言えそうです。

山に持っていくカメラ装備

一般的に山に持って行っていく機材を一通り解説していこうと思います。

登山では、軽量化の方が重要だったりするので、テント泊や冬場では機材を最低限にすることも多いです。体力に余裕があれば、予備カメラを持っていく人もいます。ここは個人個人の体力と相談です。予備バッテリーは2、3個あると大抵は安心です。山小屋で充電できる事もありますが期待は禁物。
ヘッドランプは絶対必需品の一つ。予傭の電池もワンセット持っていかないと星撮りや下山が遅れた時など本当に困ります。
カメラパッグ、レンズポーチは邪魔にならず、すぐ出せるように。

山で使うカメラの装備一覧
カテゴリアイテム説明
カメラカメラ本体体力に余裕があれば、予備カメラもあると安心
レンズ超広角レンズ-
魚眼レンズ-
単焦点レンズ星景用に
撮影メディアメモリーカード32G予備は何枚か用意
三脚自由雲台の軽量三脚-
カメラアクセサリー予備バッテリー2〜3個あると大抵は安心
ケーブルレリーズ-
ブロアー、ブラシ-
クリーニングクロス-
温式レンズクリーナー-
クリーニング用品ポーチ雨の時用のビニール袋も
各カメラのバッグ-
各レンズ用のポーチ-
その他スマートフォン時計やストップウォッチの代わりになったり用達は様々
WiFiカードリーダースマホに写真を送信
モバイルバッテリー10000mh位あると安心
ヘッドランプ-
ヘッドランプ用の予備電池深夜の稜線で電池切れなどで使えなくなった場合の予備

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。