トレッキングと登山はどう違う?それぞれの魅力はどんなところなのか

山を歩くというのは同じなのにトレッキング登山は何か違いがあるのでしょうか。

その言葉の差は何なのでしょうか。

てく先生。
今度、山を歩きにいくんですけど。
私が「トレッキング」に行こうって言ったら、やま男くんが「それは登山だ」って。

別にどっちでもいいんだけど・・・「登山」だと思うんだよね。
一体どっちなんでしょう。

そっか、二人の中では自分達が行くのが
「トレッキング」か「登山」なのか気になっているんだね。

やま子さんとやま男くん、楽しいはずのデートが何やら「トレッキング」なのか「登山」なのかで意見が違いちょっと揉めている様子。

その二つの間には違うがあるのでしょうか。

捉え方が違うと困ることがあるのかもしれません。

トレッキングと登山の違い それぞれの魅力は何か

結論から言ってしまうと、実は明確な判別のためのルールや違いはないのです。

自分達が行くのはなんなのか?という点については本人たちがどう思うかという主観的な部分が大きいようです。

なのでやま子さんとやま男くんが一緒に山に行って

昨日、トレッキングに行ってきたんです

昨日、登山に行ったんです

とてく先生に報告したとしてもどちらも間違いではありません。

しかし、一応の定義のようなものは存在しています。

トレッキングの定義とは

トレッキングは「Trek」という英語が語源です。

Trekとは

(徒歩で苦労して)旅行する、移動する

トレッキングは山の中を散策し、自然や景色を楽しむこと「山歩きそのもの」が目的です。

その通過点として山頂に行くことはあっても目的はそこでないのです。

  • スノートレッキング(スノーシューを履いて雪山を登る)
  • リバートレッキング(渓流を歩く)

など、季節や場所によってその時折々の自然の風景を楽しめることが魅力です。

整備された道だけを歩くわけではないので、しっかりとした靴や装備も必要となります。

登山の定義とは

次に登山についてです。

登山とは

目的は山頂に行くこと、そのために山を登ること

山頂に行くという明確な目的や目標があり、そこに向かって歩くことを登山と言います。

高低差に関係なく山頂を目指すことで、日帰りでも泊まりでも関係ありません。

そこに到達するために、危険な場所(鎖場を登ったり、大きな段差をよじ登ったり)も通る場合があります。

  • 目指す場所が決まっていることでやる気が出る
  • 登れた時に達成感がある

このような精神的な充実感が味わえるのが登山の魅力ではないでしょうか。

危険な場所を登ることもあるので、自分の実力や体力に合った山やコースを選ばないと大変な思いをする可能性があります。

参考までに、ハイキングとは

健康のためや、歴史的な景観をたのしむために、自然の中の遊歩道やコースを歩くこと。

ルートは木道や整備された道が多く、初心者や高齢者でも比較的参加しやすいです。

海外では解釈が違う

ところが海外では定義が違うようです。

ザイルやアイゼンなどの特殊な道具を使い、高度な技術を必要とするヒマラヤレベルの山に登ることを「マウンテン・クライミング」といい、これがいわゆる登山にあたります。

トレッキングは長期的に山麓を歩く、いくつかの山頂を歩く縦走のことを指します。

富士山は日本では登山にあたりますが、海外の人の感覚ではハイキングに分類されるようです。

必要な道具は違うのか

トレッキングとハイキング、目的が山頂を目指して歩くのか否かの違いということがわかりました。

では、必要な道具は同じなのでしょうか。

先に紹介してたようにそれぞれ目的が違いますので、行動の過程が変わってきます。

一番気になる部分は靴だと思いますが、アウトドアメーカーはトレッキングシューズ・登山靴などカテゴリーを分けて商品を展開しています。

靴の特徴は何か

モンベルのサイトでフットウエアを見てみるとこのようにたくさんの種類がラインナップされています。

これは一部抜粋です。

モンベル 公式HPより

アルパイン(登山用)靴の特徴

ハイカットモデルが主

長期縦走にも負担が少ないように軽量化と耐久性、優れたパフォーマンスを重視している

雪山や全天候に対応できるタイプが多い

ラインナップが全体的に値段が高い

トレッキング靴の特徴

ミドルやロウカットが多い

軽量でフィット感が良く履き心地が良いタイプが多い

無雪期の登山に向いている

完全防水ではないのでリバートレッキングの時は水が入る

登山靴の方が岩場や危険箇所を通過する可能性が高い分、しっかりと足首を守れるようにハイカットです。

そしてソールが固く、靴そのものが頑丈にできているので平坦な道は少しあるきにくいです。

一方、トレッキング用は積雪期には向きませんが、それ以外の時期でしたら岩場から平坦な道まで足に負担をかけずに使えます。

明確に使い分けなくても大丈夫

トレッキングシューズの中にも登山で使えるタイプもありますし、登山用でないとダメだということはありません。

用途によってそれぞれの商品の特徴と合わせて使えば問題ありません。

実際にモンベルのトレッキングシューズでも下記のような説明のものがあり、登山でも大丈夫ということがわかります。

  • 軽装備の日帰り登山から小屋泊登山まで幅広く対応
  • 軽装備のトレッキングや砂地が多い富士登山などに適している
  • 30L程度の荷物を背負う登山に適したモデル
  • 登山やハイキングに適した剛性を備えた全天候型のブーツ

アルパインタイプは高いものは5万超えていました。

「登山に行くから」と最初から高価なアルパインタイプを選ばなくても、まずはトレッキングシューズから自分の目的に合うものを選んでも良いと思います。

服装については同じような選び方でOK

トレッキングも登山も服装についての考え方は同じで大丈夫です。

朝昼や運動時と休憩時の寒暖差で風邪をひかないように、脱ぎ着がしやすいようにしましょう。

レイヤリングと呼ばれる重ね着をして温度調整をすることと、ベースレイヤーという肌に直接触れる衣類は汗が冷えないような素材の服を選ぶことが大切です。

モンベル HPより

服装やレイヤリングについてはてくてく登山サイト内でも紹介されていますのでそちらをみていただけると詳しくわかります。

トレッキングと登山 存分に魅力を味わえる場所はどこ

トレッキングは「自然や景色を楽しむ」ことが存分に味わえる場所をオススメします。

登山は、初心者のうちは安心安全の面から人が多い山を選ぶと良いと思います。

トレッキングにオススメの場所

・上高地(長野県松本市にあり、中部山岳国立公園の一部として国の文化財(特別名勝・特別天然記念物)に指定)

・西沢渓谷(山梨県山梨市にあり、秩父多摩甲斐国立公園内に位置し国内屈指の渓谷美)

登山にオススメの場所

・高尾山(東京都八王子市にあり、国定公園で平成19年に富士山と並んでミシュランの三ツ星に指定)

・筑波山(茨城県つくば市にあり、「西の富士、東の筑波」と富士山と並び称され日本百名山の中では低山)

トレッキング 上高地

長野県松本市にある上高地は年間120万人もの人が訪れる観光地ですが、手付かずの自然も多く残り大自然の宝庫と呼ばれています。

「大正池」「河童橋」でご存知の方も多いと思います。

県道上高地公園線のマイカー規制があり、排気ガスの影響を最小限に止めることで空気や水の美しさが保たれています。

上高地 公式サイトより

さまざまなコースがあり、ウォーキングレベルで気軽に楽しめるものから、トレッキングシューズを履き、しっかりと装備をして歩いた方が良いものまであります。

どのコースを選んでも、上高地の素晴らしい景色・鳥・時に動物などとの出会いがあり、季節や気候によっても変わるその表情を楽しめます。

まさにトレッキングの醍醐味の、山歩きを楽しめます。

私が昔行った時には猿に出会いました。

所要時間と距離の目安 上高地 公式HPより

ただ、混雑期はマイカーでアクセスできないこともあり、景色が美しい早朝に行きたい場合など早朝からバスに並ばないといけないといったデメリットもあるので行く時期についてはよく考えたほうが良さそうです。

トレッキング 西沢渓谷

上高地に負けず劣らずの美しい景色を楽しめる西沢渓谷ですが、東京からも日帰りで行くことが可能なスポットです。

下記のような100選にも選ばれており、水の美しさがわかります。

  • 森林浴の森100選
  • 日本の滝100選
  • 平成の名水100選
  • 水源の森100選
富士の国やまなし サイトより

渓谷内には遊歩道があり、トレッキングコースが整備されています。

5月は石楠花、秋には紅葉、水の美しさだけではなく植物の美しさも楽しめる場所です。

遊歩道は12月1日~4月下旬まで冬季閉鎖となりますのでご注意ください。

( ※積雪等の状況により前後する可能性があります。)

山梨市観光協会 公式サイトより

岩場が多くアップダウンもあること、滝があるので道が濡れいていて滑りやすいことも考えられます。

しっかりとトレッキングシューズを履いて、水のそばなので防寒対策もして出かけてください。

登山 高尾山

高尾山も都心から1時間で行くことができ、アクセスしやすい場所にあります。

2007年にミシュランの3つ星を獲得しており、2020年には東京都で初の「世界文化遺産」に認定されました。

ケーブルカーやリフトもあり、歩くだけでく空の上からの景色を楽しむこともできますし、歩いて登る道も3ルートありますが、いずれのルートも1時間30分ほどで山頂まで行けるので初心者にはピッタリです。

高尾登山電鉄 公式サイトより

山頂付近からは・・・

  • 天気が良ければ富士山がくっきり
  • 冬季の空気が澄んでいる時には、遠くに南アルプスが見えることを

これらは「山頂を目指し登る」ことを達成するための目標になりますね。

てくてく登山サイト内でも、高尾山については細かく紹介していますのでぜひ読んでみてください!

下記はコースの中でも短めの2号路についてです。

登山 筑波山

筑波山も都内からのアクセスがしやすく、つくばエクスプレスに乗れば秋葉原からつくば駅まで最速45分で到着します。

「西の富士、東の筑波」と言われるほど立派な山です。

観光いばらき サイトより

朝夕に山肌の色が変わることから「紫峰」と呼ばれており、男体山と女体山の二つの峰があり山そのものがパワースポットと言われています。

日本百名山に登録されているのですが、標高が低いので初心者でも登りやすいのがポイントです。

そして高尾山と同じく、筑波山もケーブルカーとリフトがあるので、登る距離も調整しやすいです。

女体山の山頂付近からは・・・

  • どこまでも広がる関東平野を一望できる
  • 晴れて空気が澄んでいると、西に富士山やスカイツリーが見える

ぜひ、ご自身の目でこの景色を眺めてきてください!

トレッキングでも登山届は必要なのか

山に行く際に必要な書類があります。

「登山届」聞いたことがありますでしょうか。

登山届というくらいなので、登山をする際に必要なことはわかると思いますがトレッキングでも必要なのでしょうか。

答えはYES

山頂を目指さなかったとしても、山に入るのは同じです。

遭難してしまった時に迅速な救助活動のために利用されます。

あなたが山にいることを他の人にアナウンスすることと、どのあたりを通っているだろうかという計画がわかることで探しやすくなるのです。

トレッキングだけでなく、山菜取りなどでも出しておきましょう。

てくてく登山サイト内でも「登山届」について詳しく説明をしています。

こちらは高尾山を例にとった紹介ですが、トレッキングでも同じことなので、よくわからないという方はぜひ読んでくださいね!

まとめ

トレッキングと登山、自分が行くのはどちらなのか?については自分達の主観的な部分が大きいことがわかりましたね。

ある程度の定義

  • トレッキングは自然や景色、山歩きそのものを楽しむ
  • 登山は山頂を目指して登ること

があることがわかりました。

必要な道具も少し変わってくる部分もありますが、基本的な考えとしては「しっかりと備える」ことが大切です。

おすすめしたトレッキングスポットと山に遊びに行ってきてもらえたらと思います。

登山届もしっかりと出してから行きましょう。

二人が行くのがどちらなのか・・・
揉めるほどのことではないとわかったね。

そうですね(笑)
しっかりと備えて楽しく行ってきます。

登山届もちゃんと書きますね。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。