登山やハイキングとは? 奥深い山登りの種類と分類いろいろ

登山やハイキングとは? 奥深い山登りの種類と分類いろいろ

登山は、ハイキングやトレッキングなどいろんな言葉で表現され、ひとえに登山といっても実は様々なジャンルに分類できます。

登山する際に必ず山頂を目指しますか?または、雪山に行きますか?

山の楽しみ方はたくさんあり、正解はありません。美しい山が多く自然にめぐまれた日本だからこそ、アクティビティがたくさんあります。

ここでは、さらに山を楽しむために、登山ではどんな種類があるのかを解説していきます。これから登山を始める人はもちろん、山好きな人が、さらに山を楽しむヒントになればと思います。

登山やハイキングの種類・分類は?大きく3つのジャンルに分けられる

登山とは読んで字のごとく「山に登る」ことです。その対象となる山は標高数百mの里山から8,000mを超えるヒマラヤまで、登り方も多様にあります。ここでは国内の山を対象に、大きく「ハイキング」「一般登山」「バリエーションルート登山」の3つに部類できます。

無雪期の一般登山
  • ・日帰りのハイキング
  • ・単独登頂(ピークハント・ピストン)
  • ・縦走登山
  • ・海外トレッキング
積雪期の登山
  • ・スノーハイク
  • ・積雪登山(単独登頂・縦走登山)
  • ・バックカントリースキー・スノーボード
バリエーションルート登山
  • ・クライミング(フリークライミング・アルパインクライミング)
  • ・沢登り
  • ・ヤブ山登山

自然に親しむ「ハイキング」

ハイキングは一般的に距離が短く、起伏もありまり大きくない山や高原など歩くことを言います。とくに山頂をめざす必要はありません。
道端に咲く植物を愛でたり、遠くから聞こえてくる鳥のさえずりに耳を澄ますなど、歩くことで地域の自然や文化に親しむのが目的です。歴史ある神社仏閣をつなぐ古道や巡礼道歩きなども、ハイキングのひとつ。

未経験者が山登りにはなれるには、まずはハイキングから始めるのがおすすめです。ただし、のんびりとした高原歩きでも、水・行動食・地図やガイドブックは必ず携行しましょう。
体を動かすときに水分不足や空腹だと体調不良になるおそれがあります。また、高原や里山などは道標などが整備されていないことがあるので、道迷い防止のためにも地図などのコース資料は必ず持っていきましょう。

山頂をめざす「一般登山」

ハイキングは、自然のなかを歩くこと自体を楽しむもの。それに対して一般登山は、登山道を歩いて山頂に立つ(ピークハント)ことを目的とします。
このうち、ひとつの山頂に登って下るのを「単独登頂」、2つ以上の山頂を結んで歩き、登路とは別のルートで下山することことを「縦走登山」と言います。一般的に縦走路は、森林限界を超えることが多いので、視界をさえぎるものがなく大展望を満喫できるのが魅力です。
一般登山でも、日帰り登山と3,000m峰を数日間かけて縦走するのでは、必要な技術と体力に大きな違いがあります。高山の縦走登山に挑戦するには、数日間の登下降を続ける体力、適切な水分・栄養補給の方法や地図読み技術、ハシゴやクサリ場を確実に歩く歩行技術などを身につけなくてはなりません。また、装備に関しても、透湿性防水素材の雨具や軽い防寒具など、登山用のギアが必要になってきます。
誰でも気軽に出かけられるハイキングとは違い、準備や手間がかかり登山中も体力的に苦しいことがありますが、その分、山頂に立ったときにとても喜びは大きいものです。

ピークハント(山頂)

山の山頂(ピーク)を目指す形のことを言います。一般的に頂上を目指す人が多いので、このスタイルで登山している人が多いかと思います。

ピストン

山頂へ行って帰ってくること。行きと帰りの道が同じスタイルのことを言います。電車やバスで山へ行くなら、登り始めてから別の場所へ抜けることもできますが、車で登山口へ向かう人は、このタイプが多いかと思います。

縦走

稜線伝いに歩いて山から山へ向かうスタイルのことを言います。いくつもピークを踏めたり、大展望を満喫できるのが魅力です。長期縦走のように道のりやかかる日数が長いのが一般的と言えます。

専門技術が必要な「バリエーションルート登山」

バリエーションルート登山は、その名の通り一般登山以外の困難なルートを利用して 登頂を目指していきます。
沢づたいに遡行する「沢登り」や岩稜・岩壁を登る「クライミング」などいろいろあるが、いずれにせよ自分でルートを見つけながら急傾斜や不安定な地形を進むので、ロープワークなどの技術と経験が必要になります。

このような登山は「一般登山」とは違って、管理されていない大自然に直接触れられるという楽しさがあります。初心者のなかにはクライミングやロープワークの技術なんて必要ないと思う人がいるかもしれないが、これらの技術は覚えておいて損はありません。縦走登山でも、クライミング技術を使うことで、より安全に登れることが多いです。
最近では、書籍だけでなくガイド講習や登山講座など、実施で教わることのできる機会がたくさん増えました。興味のある方は、このようなワークショップに積極的に参加してみるのもよいでしょう。

クライミング(フリークライミング・アルパインクライミング)

山の中にある岩を登るアクティビティ。岩は元々ある自然な形状のまま登るのがマナーです。10~15mほどの岩を、支点を確保しながらロープを用いて登ったり、3~4mほどの巨石は体ひとつで登ったりします。山の頂上は目指さず、この「岩登り」自体が目的のアクティビティです。

登山+クライミング=アルパインクライミングです。登頂を目指すプロセスで、ロープを用い岩壁を登る必要があるスタイルを指します。時期や場所、標高によっては岩と氷がミックスされている場合もあり、使用する道具もシチュエーションにより異なります。海外の未踏峰を狙うなど、難易度が高い登山の多くがこのスタイルです。

ヤブ漕ぎ

笹や雑草が生い茂った野山の道なき道を、かき分けながら進んでいくこと言います。少しマニアックですが、人が入らない場所へ入るため緊急時に対応できる能力が必要な上級者向けアクティビティです。

沢登り

沢や滝を登るアクティビティのこと。以前は登山道がない山を登る際、沢筋を登っていくという手段がとられていましたが、現在はフリークライミングと同じように「沢を登ること」自体が目的のアクティビティです。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。