富士登山の日帰りプラン 日帰りできる条件・ポイントと小屋泊との比較

富士登山の日帰りプラン 日帰りできる条件・ポイントと小屋泊との比較

富士登山は一定の条件をクリアすれば、日帰りも不可能ではありません。

日帰り・弾丸登山はあまりおすすめしませんが、山小屋泊にもデメリットがあります。山小屋の方が体力を消耗しないため安全だと言われていますが、週末やお盆などハイシーズン中の山小屋は大混雑状態で、体力の回復や睡眠の確保が十分に出来ない可能性もあります。

そのため、状況によって、日帰りにするか山小屋泊にするか判断することも必要です。

ここでは、富士登山の日帰りプランについて解説していきます。富士山の日帰り登山ができる条件やポイント、日帰りと小屋泊のメリット・デメリット、日帰りのおすすめのモデルコースなどをまとめています。

富士山の日帰り登山ができる条件・ポイント。日帰りと小屋泊はどちらが良い?

富士登山の日帰りは、ルート、個人の体力や経験、主要な目的など、一定の条件をクリアできれば可能かと思います。

元々、休日を取りにくい人であれば、日帰り・弾丸登山しか選択肢がありません。ただ、今回は身体の負担が少ない、前泊・日帰りも選べるという登山者も対象に考えてみます。

では、日帰りでも行程は様々だが、どんなポイントが行程に影響するのか。富士山の日帰りと前泊日帰り(又は小屋泊)はどちらが良いのか、それぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。

ちなみに、富士山の主要ルートの距離やコースタイムが把握しやすいように、各ルートの比較表を作成してあります。ご参考までに。

吉田ルート須走ルート御殿場ルート富士宮ルート
コース距離17.4km16.1km20.8km12.2km
標高差1471m1806m2336m1386m
歩行時間合計10時間15分
(お鉢巡りした場合:11時間35分)
10時間40分
(お鉢巡りした場合:12時間)
12時間45分
(お鉢巡りした場合:14時間5分)
9時間35分
(お鉢巡りした場合:10時間55分)
登り時間6時間25分7時間8時間15分5時間45分
下り時間3時間50分3時間40分4時間30分3時間50分
お鉢巡り+1時間20分+1時間20分+1時間20分+1時間20分
休憩・食事時間1時間30分〜2時間以上1時間30分〜2時間以上1時間30分〜2時間以上1時間30分〜2時間以上

登山自体に費やせる日程 日帰りか2日行程か

まず、富士登山の選択肢は日帰りと1泊2日の行程の2つありますが、登山に費やせる日数によって、その行程は限られてしまいます。

元々仕事の都合などで休日が2日以上取れない人は、そもそも選択肢がありません。日帰り一択になります。

ただ、日帰りの場合、高山の過酷な環境のなかで長時間歩き続けなければいけません。登りだけでも6時間以上かかるため、体力の消耗が相当激しいです。体力に自信がない人は、途中で体を休めることができる小屋泊も検討してみてください。

登頂できる体力があるか

富士山の標準コースタイムは、登りだけで6~7時間となります。これだけ長い時間登り続ける体力があるかどうかが課題になります。そして、下山が4時間前後、休憩・食事が2時間前後となると、往復の行動時間が12時間以上になります。登頂だけでなく下山のための体力の余裕も必要です。

実際、富士山を登っている若者でも、ほとんど体力を使い果たし、息も絶えている状態です。普段から運動をしていない人では、日帰りは厳しいでしょう。

しかし、事前に登山を経験をしていたり、普段から運動していれば、年齢関係なく日帰りでも行けるはずです。健脚な人であれば日帰りは十分可能です。

ただ、いくら体力があっても、ぶっつけ本番では日帰りできるかどうかは分からないので、事前に少なくとも1回以上は練習登山をして、自分の体力を見極めてから判断しましょう。

登山前に十分な睡眠が取れているか、体調が優れているか

登山前に睡眠を十分に取れるかどうかも重要です。

特に、山頂でのご来光を目的とする場合、日帰りでは夜間の登山になります。徹夜でなくとも睡眠不足であることは避けられません。いくら体力があっても、体調が悪い状態で登ると、転倒や滑落、高山病にかかるリスクも高まります。

遠くから来るのであれば、五合目辺りに前泊して身体を休めてから登り始めることをおすすめします。近くからであっても、電車や高速バスの中で十分な休息を取って、なるべく登山前には体力を温存してから登り始めましょう。

御来光へのこだわり

御来光をどこで迎えるかで行程が大きく変わってきます。

日帰りで山頂でのご来光を迎える場合、夕方や夜に登山口に到着後、夜を徹して登り続け、山頂でご来光を迎えたのちに、そのまま下山してきます。ヘッドランプの灯りを頼りに、夜の寒さに耐えて、ひたすら単調な夜間登高を続けるため、体力的にきつく高山病のリスクも高いのがデメリットです。

もし、御来光を迎えるポイントにこだわりがなく、ルート上でも問題なければ、登山口五合目付近の小屋で前泊し、早朝出発する行程もおすすめ。登山前日の十分な睡眠と休養の確保だけでなく、無理なく高度順応ができる。登山者が少なめの時間帯に登れるのも大きなメリットです。

富士登山の日帰りモデルコース 弾丸登山プラン

行程の目安(1日目) ・富士宮口五合目:21:00頃発
・六合目:21:30
・新七合目:22:30
・元祖七合目:23:20
・八合目:0:10
・九合目:1:00
・九合五勺:1:40
・富士宮口山頂:2:30着
(ご来光:5:00頃)
・富士宮口山頂:6:00発
・富士宮口五合目:9:50着
体力★★★
高山病リスク
睡眠なし
夜間登山あり
御来光の場所山頂

山頂でのご来光に合わせて夜通し登山。山小屋に泊まらず五合目から山頂を日帰りで往復する登山プランになります。

行動時間は山頂まで最短の富士宮ルートで往復の歩行時間9時間前後(お鉢巡りは含めず)。夜20時に出発すれば、午前10時頃には下山できる計算です。しかし、富士山の場合、標高差が大きく、距離も長い。富士宮ルートの標高差は剣ヶ峰まで1396m。これを1日で往復するのは、かなりハード。日帰りは、上級登山に限ったことと考えましょう。

富士山は体力勝負の山にもかかわらず、日帰りはハイペースになりがち。高山病のリスクも高めてしまうので、初級登山者に通常、1日の登高高度(標高差)を600〜900m程度におさえることをすすめたい。

なお、事前に十分な休息をとらず、夜通し登山で山頂を往復する弾丸登山は、高山病や転落・滑落など、体調不良やケガの大きな要因として自粛が呼びかけられている。

富士登山の日帰りモデルコース 前夜泊プラン

行程の目安(1日目)・富士宮口五合目:午後〜夕方着(前泊)
行程の目安(2日目) ・富士宮口五合目:3:00頃発
・六合目:4:30
・新七合目:4:30
(ご来光:5:00頃)
・元祖七合目:5:20
・八合目:6:10
・九合目:7:00
・九合五勺:7:40
・富士宮口頂上:8:30着
・富士宮口頂上:10:30発
・富士宮口五合目:14:10着
体力★★★
高山病リスクやや大
睡眠十分
夜間登山あり
御来光の場所ルート上

五〜六合目前泊し、時差登山で混雑回避できる登山プランです。

登山自体は日帰りの日程だが、身体の負担を減らして山頂に立つために、前日の夕方に登山口である富士スバルライン五合目や、吉田口登山道五合目〜六合目付近の山小屋で前泊するプラン。

翌未明に山小屋を出発して頂上を往復する。八合目付近でご来光を迎えた後、大気も澄んで日差しも暖かい朝方に胸突き八丁の登りをこなして山頂へ。お鉢をめぐって12時ごろ下山にかかれば、16時前後には五合目に下り着くことが可能。

登山前日の十分な睡眠と休養の確保だけでなく、標高2300m超での前泊は無理なく高度に身体を慣らすことができる。登山工程で、登山者が少なめの時間帯に通過できるのもこのプランの大きな利点。

山頂でのご来光時間に合わせて夜通し登り続ける、いわゆる弾丸登山に比べれば高山病のリスクは低い。しかし、登山が日帰り工程であることに変わりはなく、山頂往復の長い歩行時間を考えると、体力的なきつさは否めない。荷物の軽量化や無理のないペース配分、疲れ切る前の休憩、水分や食料のまめな補給が重要になる。

このプランに山頂での1泊を加えれば、山頂でのご来光登山が可能。その場合、五〜六合目の前泊地を明るくなってから出発。日中ゆっくりと登り、山頂の山小屋泊。翌朝、ご来光〜お鉢巡りの後に下山する。

余裕を持って富士登山を楽しもう

富士登山の厳しさをいろいろと書きましたが、楽しく安全に登ることが何より一番です。体力や経験、日程など自分に合った無理のない登山計画をすることが大切です。

普段から運動している人、健脚な人なら、実際に言うほど難しくも厳しくもありません。体力に自信がなければ、途中を休みを取りながら余裕を持って登る。

どうしても富士山に登ってみたいと思うなら、思い悩む前にまず登ってみて、駄目なら諦めるぐらいの気持ちで気楽に挑むのがおすすめ。富士山は逃げないので、何度でも登ることができます。

天候の急変や、寒さ、ケガなどの備えは十分に忘れず、余裕を持って富士登山に挑みましょう。

また、他の記事でも、富士山の登山ルート・モデルコースをまとめています。ルートによって、特徴が違うので、自分に合ったルートや登ってみたいルートを探してみましょう。

プロフィール画像

てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。