山の撮影に適した軽量三脚の選び方!三脚の性能と軽量化のバランスが大切

山の撮影に適した軽量三脚の選び方!三脚の性能と軽量化のバランスが大切

カメラ機材で、レンズの次に重要な機材と言えば三脚になります。
最近のカメラやレンズには手ブレ補正という機能も付いていて、わざわざ大きくて重い三脚などを利用しなくてもきれいな写真を撮ることができます。ただ三脚を持って行かなくてもいいのですが、三脚がないと撮れない風景もあります。

夕暮れ、日の出前、星空などをきれいに撮影するには、どうしても三脚が必要になります。そのため、三脚の性能を考慮して、できる限り軽い三脚を選んで持って行くことが重要です。

ここでは、山で撮影する際の最適な三脚の選び方について解説していきます。
なぜ三脚が必要なのかということから、撮影に適した三脚のタイプ、三脚の失敗しない選び方、軽量三脚の使い方のポイントなどをまとめています。

山で三脚が必要な場面とは

風景撮影において三脚は必須と言われ、かつできる限り大きく重いものがベストだとされています。しかし、一般的な風景撮影のシーンと違い、登山では撮影機材以外の荷物が10kgを超える事が多<、三脚まで大型のものを持って行くのは、よほど体力のある方でないと厳しいです。

そこで、ここでは三脚自体は必要だが、できるだけ軽量のものを選び、日中の撮影では、毎回三脚を立てる必要は無いというスタイルをおすすめしていきたいと思います。
日中であればブレない程度にシャッター速度は選ぷことができますし、最近のカメラやレンズには手ぶれ補正という機能も付いています。

手ぶれ補正がついていれば絶対ブレないということではないですが、多くの場合日中であればしつかり構えて撮れば、ほぼブレていない写真を撮影する事ができると思います。

三脚を使わない方が良い場合も多い

山での撮影はガスの流れが印象的だったり、流れる雲に頻繁に日が隠れたりと常に状況が変化しています。登山道で素晴らしい風景、状況に出合った場合、ゆっくり三脚を出していたら最も良いシャッターチャンスを逃してしまいます。

何気なく見えている風景が、急に素晴らしい被写体に変わったりします。

めまぐるしく状況が変化していき、様々な景色に出会える登山というシーンでは毎回時間をかけて三脚を立ててカメラのブレを防ぐことよりも、絶景をタイミングよく切り取るシャッターチャンスの方がはるかに重要と言えます。

とはいえ、夕暮れ、日の出前、星空撮影などでは、どうしても三脚が必要になってきます。三脚の耐荷重を考えて、使える範囲でできる限り軽い三脚を選んで持って行くと良いです。

三脚と荷物の重量

登山やハイキングでは、持って行く荷物がとても多くなります。食料や防寒具、レインウェアなど、山小屋に一泊するようなプランでも7〜10kg、テント泊を想定するならば、少なくとも10〜15kg程度にはなります。
三脚は大きくて重量があった方がより安定しますが、山では軽量化とのバランスを考えて選ぶことが大切です。

中型三脚(2kg程度)

中型三脚はフルサイズ一眼レフや、望遠での撮影が多い方におすすめです。重量と大きさがあるので体力に余裕があるときに持って行くようにします。

小型三脚(1kg程度)

フルサイズ一眼レフ以外での使用をおすすめします。雲台を含め全体が金属かカーボンでできているモデルならば、思った以上に活躍してくれます。

山の撮影に適した三脚のタイプ

山で使用する三脚は、カメラをのせる台座が「自由雲台」、足を止めるロックが「レパーロック」のタイプがおすすめです。

自由雲台

カメラを乗せる台座の種類で、自由に動かせて、構図を変えやすく、大きさもレバー付きのほかの種類の雲台よりも小さく山で使用するのに向いています。雲台は金属製のものが良い。水平を測れる「水準器」がついているとより使いやすくなります。

レバーロック方式

三脚の長さを固定するためのパーツには種類があります。レバーロック式以外には回して絞めることで止まるナットロックという方式がありますが、凍結した場合にまわらなくなったり、手がかじかんでいると固定できているか確認しづらいため、山ではレバーロックがおすすめです。

三脚の選び方

デジタル一眼レフは撮像素子が高感度化していることに加え、レンズやカメラ本体の手ブレ補正技術が格段に進化し、手持ち撮影の範囲が広くなっています。
とはいえ、日の出前の暗い時間やうっそうとした樹林ではシャッター速度が遅く、三脚を使用しなければ手ブレします。特に、望遠レンズはブレやすく三脚が必須になります。

三脚を選ぶときには、頑丈さと軽さのバランスを考慮しよう。

脚を伸ばした高さと縮めた長さ

脚を伸ばした高さは140〜150cm、縮めた長さは60cmほどになるものがいいです。
140〜150cmあれば平坦地はもちろん、傾斜地や岩場など不安定なところでも使用できます。縮めた長さが短ければ、カメラザック上部に装着し、登山のじゃまになりません。脚は4段に収納できるものがコンパクトです。パイプ径は25〜29mmがおすすめ。

軽さと素材と安定性

雲台を含めた三脚の重量は2〜2.5kg程度がよい。三脚は重くて頑丈な方がブレないが、背負う際の負担が増えます。素材は柔らかくて剛性が強く、振動にも強いカーボンファイバーがおすすめ。カーボンファイバーの難点は価格が高いこと。

雲台は自由雲台がよい

自由雲台はハンドルタイプより水平を出すことが容易で使いやすい。さらにハンドルタイプより軽く、高山植物などの接写にも自由度が高くて便利です。クイックシューは脱着が早いが、カメラをのせた際にロックされたことを必ず確認しましょう。

ローアングルが可能なこと

花丈が低い高山植物の接写にはローアングルが必須になります。高山植物の接写をしない人でもローアングルができると、岩場や斜面などのどんな状況でも撮影時に使いやすいです。

軽量三脚をしっかり使うコツ

山に持って行く三脚は軽量化を重視する事をおすすめしましたが、軽量なモデルは、重量のある大型のモデルよりもプレが起こりやすく、稜線の横な地形も複雑で、強風が吹いている事が多い場所では着通に使うと失敗してしまうことがよくあると思います。

そこで、軽量な三脚をうまく使うコツを紹介します。

脚は全部伸ばさない

三脚の鉄則で、いくら耐荷重をクリアしていたからといって、軽量の三脚では強風によるカメラプレを防ぐことは難しいと言えます。

なので、できる限り脚を伸ばさないで使用するのが最も理想的な使い方になります。
稜線上での撮影であれば、他の風景写真のジャンルと違って三脚の脚を伸ばさなければ撮影ができない状況ははそんなに多くないはずです。 張り出した大きな岩の上や、遮るものの無い稜線のやや広くなっている部分の邪魔になりにくい場所などを探し、できる醸り脚を伸ばさないで設置するようにします。

理想は一段も脚を伸ばさない状態ですが、撮影前の設定確認、撮影後の画像チェック等を行うための効率を考えると、あぐらをかいて座ってちょうど液晶モニターが目の前に来るような高さが良いと思います。
天気が良く、大勢の登山者が行き来きする時間帯を選んで撮影すれば問題になることはありません。

夕暮れや人の少ない深夜の稜線などで星を撮るときはより長時間の露光に傭えてさらに脚を低く設定するとブレなく撮影できます。

できるだけ水平にする

岩場など、足元が水平ではないときは三脚の足の長さを調整して雲台の部分が水平になるようにします。足元が平らな地面なら変な伸ばし方をしない限りだいたい水平になるはずです。こんなとき、雲台部分に水平を測れる「水準器」がついていると便利です。

安定性を考えてエレベーター部分は使わない

三脚のエレペーターは、高さの微鯛整のために存在するのであまり長く伸ばすのは、おすすめしません。

三脚の適正な高さは、ローアングル中心の花マクロなどの撮影を除けば、一般的には自分の身長からマイナス20cm程度の高さのアイレベルが基本となります。その際に脚部を伸ばしきらす、少し余裕があるならペスト。脚部をすべて伸ばしきっても足りない場合は、エレペーターで高さを補足することになります。

しかし、このエレベーターを伸ばしすぎると、重心が上へと移動してしまい、不安定になりブレや転倒の原因になります。エレペーターの正しい使い方することが大切です。

手ぶれ補正はオフにしておく

一般的に、三脚を便用して撮影する場合は、レンズ光学式、ボデイ内蔵式とも手ぶれ補正をオフにすることがメーカーの推奨設定になっています。これは三脚使用時に発生する振動によって機構が誤動作するのを防ぐためです。

手ぶれ補正は便利だが、それでも限界はあります。手ぶれを止められる限界値は焦点距離にもよりますが1/8秒程度。それに比ぺ.三脚を使用してしっかりとした対策を講じれば.何十分でもシャッターを開放にしたまま撮影ができます。

ただし、そのためにはカメラ側もしっかりと準備が必要になります。
夜景などの長秒撮影はリモートレリーズ類の用意は必須となります。また、長秒露光時にはカメラのミラーが動作するときに発する振動もぶれの原因となるため、ミラーアップをしてからしずかにシャッターを切るのが撮影の基本。カメラが発する振動を抑え.カメラに外的な振動をいかに加えないかが、ぶれない撮影をするコツになります。

ケーブルレリーズを使う

三脚を設置したら、構図を確認してシャッターを切ります。理想的なのはカメラに対応した専用のケーブルレリーズを用意しておくことです。

最近、ケーブル無しのリモコンの方が主流ですが、低温の高所ではそういったリモコンは作動しない場合があり、信頼性が低いと言えます。より過酷な環境下で撮影する場合は、ケーブルレリーズを使用するのがおすすめです。

レリーズがなければ、セルフタイマーでも

登山中などでレリーズを装着する時間が無い場合、セルフタイマーを利用するとよいです。大抵の機種であれば数秒程度の設定ができるはずです。10秒程度の長さに設定してタイマーで撮影します。
2秒程度の短すぎる設定の場合、設置設定時に生じた揺れが収まっていないことが多いので面倒でも長めに設定しておくことをおすすめします。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。