登山で疲れない歩き方(登り・下り)!脚・膝に負担をかけないコツ

登山で疲れない歩き方(登り・下り)!脚・膝に負担をかけないコツ

登山は、荷物の入ったリュックを背負って長時間歩くことになります。
そのため、山では、いかに疲れにくく、バランスよく歩くことが大切です。

ただ、登山道は、凸凹があり傾斜もさまざまなため、登りではハアハアと息が上がったり、下りでは脚に大きく負荷がかかり、膝を痛めてしまうこともあります。

そこで、今回、不整地でも体力をセーブする登山の歩き方の基本(登り・下り)を解説します。正しい姿勢でゆっくりと歩幅を小さくすれば、登りや下りを快適に楽しく歩くことができます。

【登り】登山の歩き方のコツ

山では登りがツラく、とても長く、途中で何度も歩くのをやめてしましたいと考えた人はとても多いはずです。そんな登りでバテてしまわないために、事前の準備や歩き方などで改善していけることも多い。
上りが楽になり得意になれるポイントを、覚えていきましょう。

コツ1 姿勢を良く体の軸をまっすぐに

腰が曲がり前かがみにならないように、背筋を伸ばす。目線は前のほうへと送り、つま先だけを使い歩くのではなく、足の裏全体を地面と平行につき、全体を使って歩くようにします。

  1. 体の軸をまっすぐに
  2. 姿勢をよくして胸を開く
  3. 静加重、静移動

コツ2 歩幅は小さく

登りでバテずに歩くためには、できるだけ歩幅は小さめにすることが重要です。普段なら1歩で歩いてしまう幅を、2歩かけて歩くように、細かく歩数を刻んで歩くと、脚への負担はかなり軽減することができます。
歩幅が小さくなれば自然と重心は真ん中になり、前足への重心移動も楽にできます。基本姿勢をキープしようとすると、自然と歩幅は狭くなっていきます。

コツ3 呼吸を深く

歩き始めや休憩直後の登りでは、すごい速さでハアハア言いながら登ってすぐに疲れて疲労も大きくなってしまいます。
ここで意識をして深呼吸をしてほしい。一度大きく空気を吸い込み、その空気をすべて外に出すまで息を吐きます。複式呼吸を意識して深い呼吸を繰り返しながら、登りはゆっくり歩くように心がけましょう。

【下り】登山の歩き方のコツ

膝を痛めてしまう、足場の悪いところで転んでしまう、ペース配分が分からないなどの理由から、下りが苦手だという人が多いかと思います。
しかし、登りと同様に、ほんの少しの工夫で、楽に歩けるように改善できます。姿勢を正しながら一歩ずつ歩き、決して慌てずに、無事に下山できるように下りの歩き方を覚えていきましょう。

コツ1 体の重心を中心に

腰が引けてしまったり重心が後ろになりがちになり、足を滑らせてしまうことが多いので、重心は常に体の真ん中にあることを意識する。 着地するとき、前足に重心あるとヒザを痛める原因になります。ヒザを曲げてクッションを使いつつ、ゆっくりつま先から下りて、ゆっくりと前の脚へ重心を移動するようとよいでしょう。

  1. 体の軸をまっすぐに
  2. つま先から下りる
  3. ヒザを曲げてクッションを使う

コツ2 歩幅を小さくゆっくり歩く

登りとは違い、下りではつい歩くペースが速くなってします。速いペースでどんどん先へ進むと、膝を痛めてしまったり、転倒してしまう原因にもなります。後ろ足を残し、重心をゆっくりとついた前足にのほうへと移動していくことがポイント。大股にならずゆっくりと歩くとことを心がけましょう。

コツ3 段差・急斜面の少ないルートを選ぶ

急な下り坂では、どんどん勢いがついてしまい、スピードを抑えるために無理に足を踏ん張ると、つま先を痛めてしまったり足に負担がかかってしまう。また、高さのある段差は、怪我をしやすい。
そんなときは、まっすぐ歩くのではなく、斜めにジグザクと歩くとよい。足の向きを斜面に対して、横に向くことができるので、歩幅を小さくできる。

登山用ストックを使った歩き方!脚や膝の負担を少なくします

登山用ストックは左右・前後のバランスを補正するのに有効です。また、ストックで体を押し上げるように登ることによって、脚への負担も軽減できます。
体の真横かやや後ろにストックを突き、鉛直方向に体を押し上げるようにすると力が逃げず、ラクに登れます。

下りのストックの使い方

下りで遠くにストックを突き、そこに全体重をかけるように歩く人を見かけるが、バランスを崩しやすく危険です。脚で下ることを基本とし、ストックはバランス保持のためと認識しましょう。トラバースでは山側傾斜に突くことが多いが、持つ位置を替えないとかえってバランスが悪くなり、ストックを使う意味がありません。

  1. 全体重をかけないで、バランスを保持するために
  2. 体に近いところで支える
  3. 斜面は、持つ位置を下げて長さを調整

正しいストックの持ち方!シーンによって持ち替える

ストックの持ち方はいろいろあります。どれも正しいということはなく、シーンによって使い分けをする良いでしょう。握る位置を替えることによって、そのたびに長さを調整をしなくても、いろいろなシーンに対応できます。

  • ストラップに手首を通す
    ストラップに手首を通すと握力のサポートになるが、持ち替えがしづらい、ポールが引っかかると転倒するという欠点がある。
  • グリップを横から握る
    握りやすい太さ・形状に設計され、長時間握っていても疲れにくい
  • グリップを上から握る
    ポールの長さが必要なとき、上からまっすぐ力を伝えたいときに
  • シャフトを握る
    高い位置に突いたときなど、短く使いたい場合はシャフトを持って調整

休憩を取りながら歩く!疲労を回復させる

休憩を取りながら歩く!疲労を回復させる

定期的に休憩をとる

登山で疲れないで歩くにはこまめに休憩を取りながら歩くことです。登りが続くか、平坦な道かによっても変わりますが、1時間歩いたら数分の短い休みでもよいので、定期的に休憩を取りましょう。
また、休憩には体を休めるだけでなく、リラックス効果もある。数時間ごとに10分程度の長めの休みも組み合わせましょう。

こまめにエネルギー・水分補給を

エネルギーや水分は、枯渇してから補給しても体はすぐに吸収できない。少しずつこまめに摂取しよう。特に糖分は短時間しか体内に蓄えられず、不足して低血糖に陥るとハンガーノックを起こす。判断力にも影響するので、こまめな補給が大切。また、電解質を含んだ飲料は薄めると吸収効率が悪くなる。

ペースを落として3割ほど歩く!歩きはじめはゆっくりと

ペースを落として3割ほど歩く!歩きはじめはゆっくりと

自分の体力を超えるオーバーペースで歩き、行程の途中で行動不能に陥らないように気をつけましょう。いつものペースより3割ほど落として、ゆっくりと歩くのが、疲れないで長時間歩き続けるためのコツです。

特に登り・下りはじめはゆっくりと歩くことを心がけましょう。

また、歩くスピードを上げるにつれて、状況認識が難しくなります。歩くのが早すぎると、周りが見えなくなり、さまざまな危険に気づかなかったり、それに対する対応が遅れたります。
結果、転倒したり道を間違えたりというリスクも高まります。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。