岩場・鎖場の安全な登り方!難所練習に最適な関東近辺の山も紹介

登山には、変化に富んだ自然のなか、山歩きするのが楽しみのひとつですが、危険がひそんでいるさまざまな場所があります。通常の登山道より、登り方に注意が必要な難所があります。

岩場では、足だけでなく手を使って滑落しないようによじ登ったり、鎖・ハシゴ場では
3点確保が基本で、鎖やロープは、あくまで補助的なものとして、バランスをとって自分の脚でしっかりと登っていく必要があります。

難所といってもさまざまな危険箇所がありますが、ここでは、一般登山道の登り方に絞って、紹介していきます。岩場や鎖場やなど特徴的な地形や道を安全に通過するための登り方、岩場や鎖場の練習ができる関東近辺の山々をまとめてあります。

ぜひお役立てください。

岩場の安全に登る方法

岩場の安全に登る方法

岩場に入る前に身なりを確認

岩場は通常の登山道より危険要因が多く、靴ひものゆるみなど、ちょっとしたことでも重大な事故につながりかねない。岩に取り付く前に、自分の身なりで危険を招くようなところがないか、まずセルフチェック。
バックパックのサイドポケットは便利だが、入れたものが落ちることが多い。ボトルなどを入れたままにしないよう注意。

  1. ポールをしまう
  2. 外付けはNG
  3. ヘルメットをかぶる
  4. ポーチをしまう
  5. 靴ひもをチェック

進むルートを確認

岩場を見ずにいきなり登っていく人が多いが、それでは本来のルートから外れて、行き詰まってしまう危険がある登る前に岩をよく見て、どういうルートをとるのか、特に注意が必要な場所はどこかなど、確認しておこう。足跡の残りにくい岩場では、ペンキによりルートが記されていることが多い。見落とさないようにしよう。
  • 矢印(方向変換)
    矢印で進む方向を示したもの。地図を見ながら矢印の方向をきちんと確認して、ルートを進みましょう。
  • ×印(行き止まり)
    ルートが間違っていることを示したり、その先が崖で行き止まり、浮石があるなど進むと危険なところに書かれている。
  • ◯印(ルート通り)
    ◯印は登山道を表している。ペンキの色は白とは限らず、岩や周囲の環境によって、黄、赤などさまざまです。

岩から体から離してバランスよく登る

岩場にしがみついて、岩との距離が近いとひざが岩に当たって登りにくい。そのうえ、上部を見づらく、足も外れやすくなってしまう。
上体を起こし、しっかり脚で立って登るのが基本。脚を大きく上げると、より大きな筋力が必要となるので、細かく足を置くこと。
先のルートや手足のホールドをよく確認しながら進みましょう。

落石をおこさずに歩く

まず、手や足をかけようとしている岩が安定しているか、体重をかける前に目視で確認する。浮いて動きそうなもの、外れそうな岩には決して触らないように。見ただけでは分からない場合は、軽くたたいてみるとよい。振動があるようなら避ける。
足で蹴りだすようにすると落石しやすい。小石でも重大事故につながるので注意して歩こう。

岩場でのすれちがいは、安全な場所で待つ

狭い場所で無理やりすれ違うのは危険です。上り・下りでどちらが優先ということはなく、安定して待てる場所が近くにある方が、そこで待機してやり過ごしましょう。
すれ違うときにバックパックが当たって押し出されることのないように注意。

手の指はそろえて、岩をつかむ

まず、岩場で手袋を着用している人がいるが、保温の必要がなければ素手で登るのが基本。そのほうが指先を繊細に使える。そして、漠然とつかむのではなく、親指以外の4本を軽くそろえ、指先をかけるようにすると力がはいりやすい。
広げてつかむと前腕などの力を余分に消耗してしまう上に、指も滑りやすいのでNG。

足を置く場所は、体重を支えらるだけの大きさと摩擦があるか確認したうえで、じわりと体重をのせていく。しっかり確認して置くことで、不意に足が外れることを防げる。
つま先にクライミングゾーンがあるブーツは、そこを岩にしっかり当てることで、摩擦力を高めることができる。

鎖場を安全に通過する方法

鎖場を安全に通過する方法

クサリ場は、3点確保が基本。クサリやロープは、あくまで補助的なものとして、自分の脚でしっかり立って、バランスを取るために使用しましょう。腕力に頼って登ろうとすると、力の弱い人は途中で力尽きて落下する恐れがあります。
また、クサリはハシゴと違って左右に振られやすい。支点で区切られた同区間の中に複数入ると、ほかの人の動きで、バランスを損なう危険がある。一区間1人が基本。

ハシゴ場を安全に通過する方法

ハシゴ場を安全に通過する方法

岩場やクサリ同様、ハシゴも基本的には手足で登る岩場と変わらない。 上体を起こして、腕力ではなく、脚で体を押し上げるようにするとラクに登れる。踏み外すことがないように、一歩一歩確実に登っていこう。
順番を待つときは、ハシゴの真下にいると、落下物があったとき、直撃する危険がある。少し横に外れた、安定した場所に待機しよう。

岩場・クサリ場の練習ができる山【関東近辺】

槍ヶ岳や剣岳、キレット越えの縦走を考えているなら、事前に岩場や鎖場といった難所の練習をしておいた方が良いでしょう。何度か練習すれば、技術だけでなく、気持ちの面でも不安なく、トライできます。
ここでは岩場や鎖場のトレーニングできる関東近辺の山をご紹介します。乾徳山も両神山のどちらも、バリエーションに富んだコースで高度感のある岩場があり、トレーニングには丁度いいです。なお、日帰り可能なのでアクセスもとても良いです。

奥秩父 / 乾徳山

奥秩父 / 乾徳山
エリア奥秩父(山梨県山梨市)
山名乾徳山(けんとくさん)
標高2,031m
難易度
3.0
登山適期4月下旬〜11月中旬
登山口乾徳山登山口

コース

コース乾徳山登山口バス停→(20分)→乾徳山登山口→(100分)→国師ヶ原→(45分)→扇平→(60分)→乾徳山
日程日帰り
歩行時間3時間45分
歩行距離11km(往復)
高低差約1,200m

アクセス方法

JR中央線「塩山」駅下車。山梨交通バス「窪平・西沢渓谷線(西沢渓谷行き)」で35分「乾徳山登山口」で下車。平日はバスの運行なし。
マイカーなら中央道「勝沼IC」から約30分(約22km)無料駐車場あり。収容台数23台。

奥秩父 / 両神山(日本百名山)

奥秩父 / 両神山(日本百名山)
エリア奥秩父(埼玉県秩父郡)
山名両神山(りょうかみさん)
標高1,723m
難易度
3.0
登山適期4月下旬〜11月中旬
登山口日向大谷口

コース

コース日向大谷口→(35分)→会所→(1時間)→1083m地点→(30分)→清滝小屋→(55分)→両神神社 →(30分)→両神山
日程日帰り
歩行時間約6時間
歩行距離8.9km(往復)
高低差約1,093m

アクセス方法

奥秩父鉄道「三峰口」駅下車。小鹿野町町営バス乗車で約48分、終点「日向大谷」下車。
マイカーなら、関越自動車道「花園IC」から約43km(約1時間10分)無料駐車場あり。収容台数は約50台。

おまけ:岩場・鎖場に必要な登山道具

難所のある登山道は、通常の登山道以上に転倒や滑落の危険度が高く、注意して足を運ぶ必要がある場所が存在します。
登り方を身につけた上で、岩場や鎖場などの難所を通過に必要な登山道具を持っていけば、より安全に通過することができます。

ヘルメット

ヘルメット

ヘルメットは「滑落や転倒した際に頭部を守ること」や「落石などの落下物から頭部を守ること」ができる役割があります。岩場や鎖場など難所の通過の際、いざという時に安全を確保するため、登山にはヘルメットが持っていきましょう。

手袋・グローブ

手袋・グローブ

基本は手の感覚が鈍るので素手が望ましいですが、標高の高い山や冬山では、寒さで手が痛くなってしまうので、手袋・グローブを持参しましょう。その際、軍手ではなく、滑り止め機能がある手にフィットするものを選ぶと良い。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。