登山で膝痛が起こる原因・7つの対策!トレーニングと膝サポーターが有効

登山で膝痛が起こる原因・7つの対策!トレーニングと膝サポーターが有効

多くの登山者を悩ませる、膝の痛み。
特に下山時は膝が痛くなって足が動かなくなった経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

登山における膝痛は、膝への負担が、関節まわりの筋力を超えることで、炎症を起こすことがほとんです。全身の筋力のバランスのゆがみなど、複合的な要因が考えられるが、女性は体重は軽いけど筋力不足、男性はその逆で、筋力はあるが荷物が重いケースがあります。

つまり、体重や荷物を軽くしたり、筋力トレーニングをすることで、膝への負担を軽減できると言えます。

ここでは、膝の痛みの根本の原因を明らかにし、登山前に予防できる対策方法、もし登山中に膝痛が起きてしまった時の対処法、そして、脚・膝の負担をサポートする道具なども紹介していきます。

登山における膝痛でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

登山で膝痛が起こる原因

登山で膝痛が起こる原因

登山における膝痛は、関節まわりの筋肉の炎症が原因です。
膝の強打による打撲や関節の捻挫などの症状、日常生活における慢性的な痛みを除いた、登山における膝痛は「膝への負担が、関節まわりの筋力を超えること」で炎症を起こすことがほとんどと言えます。

ただ膝痛と一口に言っても、痛みがでる場所や痛み方もさまざまです。

膝の外側が痛い場合

太ももの外側にある筋肉(腸脛靭帯)の痛みの可能性があります。連続した歩行のなか、屈伸運動繰り返すことで、膝付近のあたりで骨とこすれて炎症を起こすことがあります。

膝の内側が痛い場合

鵞足(がそく)の痛みの可能性があります。鵞足は、太ももにある縫工筋(ほうこうきん)、薄筋(はっきん)、半腱(けん)様筋という三つの筋肉の腱が扇状に集まる部分のこと。鵞足と膝の靭帯(じんたい)との間の部位が、歩行の摩擦で炎症を起こすことがあります。
膝への荷重によって痛むので、特に下山や体重の重い人は要注意です。

膝の下側が痛い場合

膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)の痛みの可能性があります。こちらも連続した負荷によって、太ももの前面にある、膝下を伸ばして股関節を曲げる働きをする大腿直筋が疲労して、もともと柔軟性があって膝の動きをスムーズにする膝蓋下脂肪体が硬くなり、膝が動くときに痛みが生じます。着地の衝撃に対応し続ける下山中に多く見られます。

登山途中に膝痛が起きてしまった時の対処法

膝痛への予防をしていても、登山の途中に膝痛が起きてしまうことはあります。山の途中では、なんとか下山をしなければいけません。
膝が痛くなった時は、焦らず冷静になって対処をしていかなければいけません。

対処法は、幹部のマッサージ、冷却、圧迫の3つの方法が効果的です。

膝の痛みのほとんどは、関節まわりの筋肉の炎症でおきます。まず荷物を下ろし、少し休憩をしつつ、太ももの表や裏をマッサージやストレッチして筋肉の疲労をとりましょう。そして、炎症している場合は、熱を持っているので、アイシングスプレーや湿布などで幹部を冷やすことで痛みが改善することがあります。

それでも、痛みが改善されない場合、膝の少し上あたりを圧迫して、靭帯への負担を減らすと効果があります。専用バンドやハンカチなどで膝上を縛ってみると良いです。

膝痛の7つの予防対策

では、登山前に膝への負荷を減らすための予防対策にはどういった方法があるのでしょうか。体重を適正に保ったり、膝まわりの筋力をアップさせたり、ストレッチより柔軟性を高めたり、など膝痛が発症しないために、事前に予防できる対策にはいろいろあります。

1.体重を適正に保つ

体重が重いほど、膝にかかる負荷は高くなります。もし、体重が重ければ、減量を。自身の適正な体重は、BMI指数で判断できます。BMI指数は「体重(kg)÷身長の2乗(m)」で算出し、18.5〜25が適正指数です。

2.正しいパッキングをする

装備を軽くすると同時に、歩行時にバックパックがぶれないよう、しっかりパッキングすることも重要。パッキングの基本は「重たいものは上部の背中寄り」。また、マットなどを外付けする場合は、ヤブなどに引っかからないように注意すると、負担減。

3.筋力トレーニング

筋力トレーニングなどで、全身の筋肉バランスを整えることで、疲労が軽減され、膝痛が起こりにくくなります。左右の脚を含めた筋肉をバランスよく鍛えて、前後左右にぶれない歩き方をマスターしましょう。

4.装備の軽量化

膝にかかる重量負荷は「体重+装備重量」の総量。つまり、体重を減らすことで、膝にかかる負荷を軽減することができる。必要な道具や食料を見極め、また、より軽量な装備を選ぶことで、膝にかかる負担を減らせます。

5.関節の柔軟性を上げる

膝関節まわりの柔軟性を高めることで、膝にかかる負荷を大きく軽減することができる。登山の前後だけでなく、日常的にストレッチを行うことで、膝関節の柔軟性を高めておきたいです。

6.登山用のストックを使用する

歩行時に登山用のストックを使用することで、脚・膝にかかる負荷を上半身に分散し、膝に慢性的に痛みをかかえる人や脚の筋力が弱い人でも、膝をサポートしてくれます。
1本よりも、2本で使用した方が効果的です。

7.膝サポーター・機能性タイツを使用する

膝をサポートする道具としては、膝サポーターや機能性タイツもおすすめです。選ぶ際は、締め付け具合が調整でき、薄手で圧迫感のないものを選ぶと良いでしょう。長時間歩く登山では動きやすいさもポイントに選ぶのがおすすめです。

予防対策:膝の筋力をアップするトレーニング方法

1.階段上り

階段上りの膝の筋力トレーニングイメージ

膝痛予防のために基本的な筋力を高めるには階段の上り下りが手軽で有効です。太ももまわりの筋力を高めることで、膝痛を抑えることができます。

目安

  • 頻度:毎日
  • 回数:1分120段上るページで、3〜5分を継続(約400段、20階分)

トレーニング方法

1分間120段上るくらいのペースで(1秒2段)、3〜5分を継続的に行う。階段の下りで膝が痛むようなら、上りだけ行い、エレベーターなどで下ってても問題ありません。リュックなどを背負い、負荷増すことができれると、さらに有効です。

2.スクワット

スクワットの膝の筋力トレーニングイメージ

登山の上り下りに必要な筋肉が、太ももの全面の筋肉 大腿四頭筋です。その筋肉を強化し、膝痛を予防できるのが「スクワット」です。背中を伸ばし、膝とつま先が同じ方向を向いているのを確認しながら、腰をゆっくりと下げる。膝は前後に動かさずつま先より前にいかないようにすることがコツです。

目安

  • 頻度:週3回程度
  • 回数:10回を3セット
  • 強度:自分の体重

※楽にできるようになったら、バックパックを背負うなど、重量を増やして負荷をかける

トレーニング方法

背中を丸めず、膝とつま先はまっすぐ前に伸ばし、頭の後ろで腕を組む。お尻を突き出すような形を意識しつつ、膝はつま先より前にいかないように、息をゆっくり吸いながら腰をゆっくりと下げる。膝の角度が90度くらいになるまで腰を落とす。そして、息を吐きながら、ゆっくりと立ち上がる。

予防対策:ストレッチで膝を柔らかくする方法

大腿四頭筋の中心をなす大腿直筋が硬くなっていると、膝の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなります。そのため、歩行時に負荷のかかる大腿四頭筋の柔軟性を高めることが、膝痛の予防に大きくつながります。
そのほかにも、ハムストリングス(太ももの後ろ側の筋力)の柔軟性も大切なので、前屈や開脚など膝関節だけではなく、股関節の柔軟性を高めるストレッチを日頃から行うとよい。

大腿四頭筋のストレッチ

大腿四頭筋のストレッチのイメージ

このエクササイズでは、片脚立ちになることで、バランス感覚を高める平衡性の強化にもつながる。ふらついてしまう場合は、壁などを支えにするなどして行うとよいだろう。

目安

  • 頻度:毎日
  • 回数:右足20秒、左足20秒を3セット
  • 強度:痛くなる手前まで

※楽にできるようになったら、バランスディスク上で

トレーニング方法

体を垂直に保ったまま、片手を水平に伸ばす。もう片方の手で足首をつかみ、ゆっくり息を吐きつつバランスを保ちながら、かかとがお尻についた状態を20秒ほどキープする。

おすすめの膝サポーター・機能性タイツ

膝が痛み出す前の予防、または登山の途中に膝痛が起きてしまった時に持っておくと便利な道具です。膝サポーターは、軽量で圧迫感のないものを選べば、長時間の登山にもおすすめです。使い方も簡単なので、膝に不安のある人は、一つ持っておけば安心です。
機能性タイツは、膝関節の衝撃緩和以外にも筋肉疲労の軽減の効果もあるので、日帰りでも長期登山でも活用できます。

ザムスト(ZAMST) / 膝サポーター EKシリーズ

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。