登山のあとの筋肉痛ケア・ストレッチ法!下山後に疲労回復するコツ

登山のあとの筋肉痛ケア・ストレッチ法!下山後に疲労回復するコツ

普段運動をしていないと、下山したら必ずといっていいほど苦しむ筋肉痛。
翌日から日常のハードワークが待っています。なるべく早くダメージを回復させて、翌日には疲れを残したくないと思っている人も多いはず。

そこで、今回、毎日トレーニングするのが大変な人のために、登山後にできる筋肉痛などのダメージを和らげるケアやストレッチ方法について解説します。

楽しいはずの登山の思い出が、イヤな痛みで台無しになってしまわないように、ぜひお役立てください。

まず登山の筋肉痛はどうして起きる?筋肉痛の原因とは

筋肉痛の原因は、100%特定されておらず、はっきりわかりません。
ただ、一般的に運動をした時などに筋肉が痛み、それを修復しようとする時におこる炎症の痛みと言われています。

長時間の登山では登りや段差を降りる時の衝撃などで、思っているよりも下半身の筋肉を中心に酷使しています。筋肉は絶えず動き続けています。下山後はかなりの疲労が蓄積しています。

普段運動していないと、次の日に体が痛いってことになってしまいます。
下山後は、速やかに疲労回復をして、翌日まで疲れを残さないことが、とても重要なことです。

登山後の筋肉痛といったイヤな痛みをケアする方法

翌日までに疲れを残さないために、日頃から筋トレやストレッチをしておくことが、筋肉痛に予防には大切です。しかし、毎日トレーニングするのは大変という人も多いはず。
そのため、ここでは、登山後にできる筋肉痛などのダメージをケアする方法について紹介します。

筋肉痛対策に、下山後の温泉で温冷交換浴を

筋肉痛にはストレッチも効果的といわれますが、筋肉のダメージが大きいと効果が得にくくなります。そこで、下山後はまず、温泉で温冷交換浴をしましょう。
まず水風呂で脚を冷やし、温かいお湯に入ります。この繰り返しを2〜3回。すると、冷浴で収縮した血管が温浴で一気に開いて、血液がよくなります。回復に必要な栄養素を運ぶのも、疲労物質や老廃物を排出するのも血液。その流れがスムーズになります。冷気にはアイシング効果もあり、一石二鳥です。帰宅後も筋肉にほてりがある場合はアイシング、張りを感じる所は軽くストレッチをしておきましょう。

むくみには水分と軽い運動を

むくみの原因は脱水。不思議な気はしますが、これは体の防衛本能が働いているからです。汗や呼気などで排出された水分より摂取した水分が少ないと、不足に備えて体内が水分を蓄えてしまいます。つまり、無意識に体が備蓄体勢に入るのです。その証拠に下山後、水分を充分にとっていると、2〜3日で体が安心して水分を排出し始めます。
下山後はしっかり水分をとりながら軽い運動をしましょう。ウォーキングや軽いジョギングで筋肉のポンプ作用をうながして、体にたまった水分を排出します。
筋肉痛などで動くのがつらいときは水中ウォーキングを。体への負担が軽く、水圧の効果も得られます。

膝・肩・腰の痛みは冷やして安静に

ひざ痛に悩む登山者は多いはず。原因は、不適切な角度で半月板に衝撃がかかったり、疲れて硬くなった筋肉が関節との接点にある靭帯を引っ張たりして炎症を起こすこと。
腰痛の原因は、前屈みで頭が下がった姿勢。バランスをとるために腰の筋肉を使って、張りや痛みを引き起こします。肩の痛みはバックパックの荷重が腰に乗らず、肩への負担が大きくなっていることが原因です。

どの痛みも、冷やして2〜3日安静にするのが基本。この期間はストレッチやマッサージも避けます。下山後、長距離を移動する場合は腰枕を使うなど、痛まない姿勢を工夫しましょう。ただし、明らかな腫れがある場合や、痛みが1週間以上続くときは病院に行きましょう。

日焼けは、冷やして熱を冷ます

日焼けは皮膚の表層に起きた軽度のやけど、赤くなってヒリヒリするときは、冷やして熱を冷ますしかありません。そして、次の山行からは必ず日焼け止めを。曇りでも日焼けするので油断なく。汗をかいたら塗りなおしましょう。また、サングラスで紫外線から目を守りましょう。山で目が充血した経験がある人は、特に注意。冬は雪盲にならないよう気を配りますが、夏は無頓着になりがち。一年中、ケアするのがベターです。

登山のケガや筋肉痛を予防!筋肉をリラックスさせるストレッチ方法

強い筋肉とは、太くてよく伸び縮みする筋肉のこと。筋肉の可動域を広げるために、ストレッチは習慣にしたいものです。行うときは、使う筋肉を意識するのが大切。ウォームアップとクールダウンのため、トレーニング前後にするとよいでしょう。

もも裏側と臀筋群のストレッチ(尻・もも)

もも裏側と臀筋群のストレッチ。長座からももが胸につくまで脚を曲げ、つま先をつかみます。ゆっくり脚を前に出していくと尻の後ろが伸びます。胸を張って背筋を伸ばすことがポイント。腰が後ろへ抜けていると意味がありません。

臀筋のストレッチ(尻)

尻の筋肉を構成する群のひとつ。臀筋のストレッチ。足を90度に固定して、みぞおちを膝のあたりにつけるイメージで上体を倒します。後ろ足は曲がっていてもいいですが、伸びているほうの尻が床から離れないように注意します。

内転筋を伸ばすストレッチ・腸腰筋と大腿直筋のストレッチ(股関節)

内転筋を伸ばすストレッチ

内転筋を伸ばすストレッチといえば長座から広げた脚の間に体を倒すのが一般的。でも、股関節だけを意識するのはなかなか難しいです。膝立ちから股を広げたこの姿勢でなら、膝から下に余計な力が入りません。つま先の脱力がポイント。

腸腰筋と大腿直筋のストレッチ

足を前に踏み出し腰を落とし、軽く腰を押します。視線は上向き。腸腰筋は背骨・骨盤と脚をつなぐ筋肉で、股関節を曲げるときに使用。大腿直筋は大腿四頭筋の一つで、股関節でももを屈曲させる働きを担います

股関節のインナーマッスル

大腿骨の上部外側にある大転小回りのインナーマッスルのストレッチ。骨盤を寝かせ、伸ばすほうの脚を90度くらいに曲げ、内側に倒します。大転子がねじられ、周りの筋肉も伸ばされます。尻が床から離れないよう注意

腹筋群の下部にある筋肉のストレッチ(下腹部)

腹筋群の下部にある筋肉のストレッチ。肩幅くらいに開いた両手で上体を支え、両脚を後ろへ、肩の力を抜いて、視線は上げます。全身が脱力できていないと腰に負担がかかってしまうので、リラックスすることが大切。無理に伸ばさないこと。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。