登山用ヘルメットのお手入れ・メンテナンス!破損・劣化したら交換が無難

登山用ヘルメットのお手入れ・メンテナンス!破損・劣化したら交換が無難

ヘルメットは、不意な衝撃など大切な頭部を守ってくれる重要な山道具の一つ。
難易度が高く危険を伴うクライミングや御嶽山のような活火山に登るときに、必要とする道具だと考えている人も多いが、意外にハイキングでも転落や滑落による事故が起きており、低山でもヘルメットが必要な場合がある。

ただ、適切に装着し、定期的にお手入れ・メンテナンスしないと、ヘルメットはその保護性能を十分に発揮してくれません。

そこで、今回、登山用ヘルメットのお手入れ・メンテナンス方法を解説していきます。お手入れ・メンテナンスに関する基礎知識をはじめ、使用前後の点検ポイント、フィッティング・調整方法、正しい保管方法、買い替えどきなどまとめて紹介します。

登山用ヘルメットのお手入れ・メンテナンスの基本

ヘルメットの耐用年数は一般的に3〜5年程度に設定されています。使用頻度や環境、保管方法、定期的なお手入れ・メンテナンスを行っているかどうかで耐用年数に差がでてきます。 使い終わったら、保管する前に全体的に劣化などの点検をします。あご紐の脱着部品は劣化によって破損することがあるので要チェック。汗をたっぷり吸ったあご紐も、汚れを落とさないと変色の原因になります。

長期間使用しないときは、中性洗剤で丸洗いして、しっかり乾燥させて、風通しのいい暗所に保管するようにしましょう。衝撃や摩擦、高温、紫外線などによって、寿命が短くなるので、長期保管する際はケースや箱に入れるなどして保管しておきたい。

また、修理が必要になったら、購入したお店かメーカーに持ち込みましょう。自分で修理するとヘルメット本来の機能が損なわれたり、それによって保証対象外になることがあります。大切な命を守ってくれる装備なので、破損があったら、買い替えも検討しましょう。

ヘルメットのお手入れ・メンテナンスで重要なポイント

  • 自分の頭に合ったモデルを選ぶ
  • 購入後すぐにストラップ調整する
  • 大きな衝撃を受けたら交換が無難

登山用ヘルメットの使用前後のチェックポイント

ヘルメットは硬質シェルタイプと、発泡ポリスチレンに薄いポリカーボネートなどをかぶせた軽量なインモールドタイプとがある。前者はやや重たいものの耐久性に優れ、後者は発泡ポリスチレン部分が割れることで衝撃を吸収するため、ていねいに扱わなくてはいけない。そんな特徴を理解したうえでしっかり点検しよう。

外側シェル

へこみや亀裂の有無を点検。小さくても落下距離のある落石や、強くぶつけてしまった場合は新品時の強度が期待できない場合がある。

内側フォームとストラップの付け根

内側のパッドや発泡フォームのへたりや割れ、ストラップの付け根やアジャスター部分の破損がないかをよく確認する。

ストラップベルトとバックル

バックル部分やストラップベルトの破損がないかよく確認する。ベルトに汚れがある場合は除菌ウェットティッシュなどで拭くとよい

登山用ヘルメットの正しい調整方法

ここ数年、クライマーのみならず、急峻な岩場の多い北アルプスなどの登山道では着用を推奨しているヘルメット。非常に良いことだが、残念なのはフィッティングがうまくできていない人が以外に多いことだ。また、調整以前に帽体と頭が合っていない人も多い。まずはショップで自分にぴったりのデザインのモデルも見つけ、購入したら、まずしっかりサイズ調整をしておくことが大切。

アジャスターを広げる

まずは自分の頭がスッポリと入る大きさに、アジャスターを余裕をもって緩めておく

頭周囲の調整

前後の傾きを見ながら、ちょうど良い位置でアジャスターを締めて、頭のサイズに合わせる。

ストラップを締める

アゴ下の部分でコネクターをつなぎ、苦しくない範囲でできるだけしっかりと締める

ストラップの調整

耳の周囲の逆三角形をむすぶバックル前後させ、帽体が前後にずれない位置に合わせる

頭に合っていないダメな例

帽体が後頭部側にずれてしまっている。これではおでこに落石を受けてしまうので要調整。また、逆に耳前のストラップが短く、帽体が前にずれてきている。これでは視界を遮ってしまう。

登山用ヘルメットの買い換えどき

クラミングギアの破損による事故はときに深刻な結果を招く。命あっての物乞いではないが、不安を覚えたら即交換が鉄則。このページではクライミングギアの寿命と買い換えときについて考えていく。

強い衝撃・落石を受ける

クラミング用のヘルメットの素材はすべて経年劣化を起こす。スリングなどと同様で未使用でも10年以上経過しているものは使用しないほうが無難。通常使用なら3〜5年程度での買い換えを目安としよう。また、一度でも大きな衝撃を受けたものは見た目に問題がなくても、新品時の性能はもはやない。交換をオススメする。

登山用ヘルメットの正しい保管方法

いくらメンテンスがきちんとしていても、保管方法が悪ければ、せっかくした手入れがいつのまにか台なしになってしまうこともあり得ます。

直射日光があたるクルマの中に放置しない

ヘルメットは直射日光があたる車内などに放置すると劣化が一気に進んでしまいます。50℃を超える高温、-30℃を下回る低温になるような環境には置きっぱなしにするのは厳禁。

化学薬品にさらす

塗料、溶剤、接着剤は使用しないでください。化学薬品、特に溶剤はヘルメットに悪影響を及ぼしヘルメットの保護機能を低下させます。水性接着剤は使用できます。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。