テントのウルトラライト化!タープ・シェルター・ビビィなど選び方を解説

テントのウルトラライト化!タープ・シェルター・ビビィなど選び方を解説

テントやツェルト、タープなどは、大自然の中で休憩や寝るために重要なアイテム。ウルトラライトハイキングでは、もちろん軽さが優先だが、機能性も求められます。

夜をどこまで快適に過ごすか、それとも軽さを取るかによって、テント・シェルターの選択は変わってきます。ただ、少し前まではテントというと、軽く2kgを超えるものばかりだったが、今では1kgを切るものも登場し、軽さと快適さの両立も、ある程度実現できます。

ここでは、テント・シェルターをウルトラライトにする方法を紹介します。軽量化するポイント、テント・シェルターの種類、選び方のポイント、使い方や注意点、おすすめのテント・シェルターなどをまとめています。

テント・シェルターを軽量化するポイント

軽量化をするうえで、総重量にもっとも大きな影響を与えるギアがテント・シェルターです。
目安は1kg以下を目標にしましょう。近年、素材や技術の進化によって、一般的なドーム型の自立テントでも1kgを切るものが出てきています。より軽量化を計るのであれば、フロアレスシェルター、ツエルト、タープなどを選ぶと良い。ただ、軽くなれば軽くなるほどテントに比べて機能が省かれていくので、注意が必要です。

非自立式テントなら初心者も始めやすい

自立式のテントは、必ず骨組みとなるポールが必要になるため、その分重くなってしまう。軽量化したいけど、いきなりタープやツエルトにするのは不安という人には、非自立式テントがおすすめです。
自立式のものに比べると設営は簡単ではないが、手順さえ覚えれば技術的に難しいことはありません。居住性は自立式のものと変わらないものが多いので、違和感なく使用できます。

タープやツエルトでよりUL化を目指す

大幅な軽量化を計るならタープやツエルトです。自然との一体感をより味わえるところも魅力です。
とくにタープは開放感と野宿感が体験できるので、通常のテント泊とはまた異なるおもしろさが発見できるはず。ただ、その分密着性は低いため、そこが気になる人はツエルトが良い。いずれもトレッキングポールを支柱にして設営するのでコツはいるが、慣れれば設営も撤収もラクです。

ペグ1本で数gの軽量化が、大きなインパクトに

テント購入時に付属しているペグを利用するのも悪くないが、軽量ではないケースが多いです。ULにシフトするのであれば軽くて丈夫なチタン製がおすすめ。1本あたりたかだが数グラムの軽量化ではあるが、設営時に使用する本数は8本前後。トータルで考えればかなりの軽量化につながります。
合わせて細引きも細くて丈夫なものにするといいだろう。ちなみにペグは形状によって特徴が変わるので、テント場の環境に合わせて選びましょう。

ウルトラライトなテント・シェルターの種類

近年では様々なタイプのテント・シェルターが次々と生まれ、その分類は難しくなっています。
ここではウルトラライトハイキングに対応できる重量をふまえ、形状から、以下の5つに分類してみました。どのタイプを選択するにせよ、重量は400〜800gの範囲に抑えたいところです。

テント(重量:600〜1000g)

フロアと一体となったシェルターをテントと言います。
日本は自立式ドームタイプが主流で、多くのハイカーに好まれています。底つきの閉鎖空間をつくれるため、保温性が高く、外部の影響からハイカーを隔離できるという点に最大の特徴があります。悪天候や冬季には、この隔離性が大きな利点です。

しかし、閉鎖空間は、他のシェルター以上に構造や素材による換気を考えねばなりません。重量は大きいものの、生活空間としての快適性は確実に高いので、ウルトラライトハイキングではこの重量と快適性のバランスに悩みます。

フロアレスシェルター(重量:300〜600g)

床なしで設営し、かつ幕体の四方すべてが地面近くまでおおうモデルを「フロアレスシェルター」と言います。テントのレインフライを単体で使用したと考えればイメージしやすいです。風雨を避けられるのか疑問や不安を抱くが、テントのレインフライも雨・風・日差しを避けるものなので同じです。

最大の特徴は、床がないので自由度が高いということです。そのため、「料理がしやすい」「汚れ物が置ける」「土足で出入りできる」「悪天時の撤収が容易」などのメリットがあります。床がないが、眠る場所にシートを敷けば支障はありません。

あと、テントを選ぶ基準のひとつに、前室が広いことを挙げる人もいます。フロアレスシェルターはその内部すべてが前室といえます。結露の発生、風雨への対策、設営への不安などがあるかもしれませんが、ちょっとした手間と工夫で十分に対応できます。
それさえいとわなければ、軽量という圧倒的な利点が得られます。

ツエルト(重量:300〜600g)

ツエルトは300g台と軽量なため、多くのハイカーに愛されてきたウルトラライトシェルターです。緊急用という位置付けですが、沢登りやアルパインクライミングでは通常の野営装備として利用されることも多いです。
しかし、携帯性を高めるため、設営後にテンションをかけるための自在がツエルトにはついていきません。そのため雨対策に工夫が必要になります。

タープ(重量:200〜400g)

屋根一枚のみのシェルターをタープと言います。部分的に壁をつくることも可能ですが、四方をおおえない点がフロアレスシェルターとの大きな違いです。
日本でも沢登りや渓流釣りでは最もポピュラーな幕営道具として愛されています。大地を土間として使用できる点はフロアレスシェルターと同様ですが、その最大の利点は状況と天候に合わせて様々な形に設営できることです。

しかし、タープは他のシェルターに比較して、耐風性の低さが指摘されます。タープは風雨をしのぐ必要にして最低限のプロテクションといえます。日本では設営が難しい場面もあるかもしれません。

ただ、アメリカのウルトラライトハイキングでは、タープが積極的に使用されます。これは、幕営地に対する考え方が日本と異なるからです。アメリカでは水源やトレイルから距離さえとれば原則どこでも幕営可能で、これは環境へのインパクトを分散することで特定地のオーバーユースを避けるという発想からきています。
痕跡を残さず野宿するスタイルは、タープに適した地形を選んで幕営できるため、アメリカでは多用されるようです。

ビビィサック(重量:200〜800g)

寝袋のみをおおうので、かつ内部では寝ることしかできないタイプのシェルターがビビィサックです。

最大の特徴は、設営場所を選ばず目立たないという点です。ビビィサックには、頭上の空間を確保するフレームを採用したモデルや、防水透湿素材を使用したモデルも多いことから、さほど軽くはありません。
ただ、人ひとりが横になれるスペースさえあれば設営できるフットワークの軽さは、独特の魅力といえそうです。日本のスリーピングバッグカバーもビビィサックのひとつといえます。

しかし、生活空間がないことや、雨天時の出入りを考えると、雨の多い日本では単体で使用するより、小型タープと併用するのが現実的です。また、シェルター内のスペースが狭く、換気が難しいため、他のシェルター以上に結露の問題が生じます。

日本で使用するには工夫が必要ですが、最も野宿に近い自由度と開放感で、ウルトラライトハイキングの魅力を表現するシェルターといえます。

ウルトラライトテント・シェルターの使い方や注意点

休憩や寝るときに使うテント・シェルターは、自然を楽しむためには必要不可欠なものです。ただ、一息つける空間を生み出す重量な道具ではありますが、ハイキング中の大半の時間はバックパックの中にあり、出番があるまで役立ちません。
ウルトラライトハイキングでは、より軽さ重視したシェルターが好まれます。そんなウルトラライトシェルターには使い方や注意点があり、工夫次第で使い勝手を良くしてくれます。

結露とつきあう

暖かい空気と冷たい空気の境目であるしきりには、必ず結露が発生します。
空気はその温度によって含むことのできる水蒸気量に差があります。暖かければ多くの水蒸気が含み、冷たいと少ない水蒸気しか含むことができません。しきりの両側の温度差が大きいと、暖かい空気側に含まれている水蒸気がしきりにふれて冷やされ、水滴になります。これが結露です。

温度差のあるところに結露が生じるのは必然です。シェルターなら避けられないものとして、どうつきあうかを考えましょう。一般的なフライつきテントもフライの内側は結露します。

温度変化をゆるやかにする

テント本体の外側にフライを張ったのがフライつきテント。しきりが、1枚だと内外の温度差が大きくなるので、間にもうひとつ空間をつくって緩衝地帯をもうけるのです。しかしフライ内側の結露が示すように、完璧ではありません。通気性の高いフライを何層も張ればかなり軽減できるでしょうが、現実的ではありません。

換気をおこなう

シェルター生地を透湿性・通気性の高いものにして換気能力を上げれば、結露を防ぐことができます。現実的には、ベンチレーション機構を使って十分に換気することが重要になります。出入り口が2箇所あるシェルター等は換気に有利ですが、外気が乾燥していることが前提で、湿度の高い外気が入り込めば意味をなしません。
また、十分に換気できるというのは、風が抜ける構造だということです。タープを想像してみると分かりやすいです。換気は十分にできるかもしれませんが、保温は期待できません。保温性を上げるには機密性が必要です。換気と保温との両立は難しいのです。

結露を拭き取る

原始的にして最も確実な方法です。結露を完全を防げないなら、拭き取るしかありません。
結局のところ、湿度の高い日本では結露を完全に防ぐことはできません。シェルターの構造や使用条件によって程度の差はあれ、必ず発生します。軽量化のために一枚もののシェルターが好まれるうるウルトラライトハイキングでは拭き取るといった細やかな対応が必要です。
結露を拭き取る際は、シェルターがピンと張った状態がやりやすいです。面積の大きなシェルターを拭くのは大変です。

耐候性を上げる

誰もが風雨に強いテント・シェルターを求めます。しかし買ったままで風雨に強いシェルターは残念ながら存在しません。自立式ドームテントですら、それを怠れば風に飛ばされ、つぶされます。雨が侵入するのです。

携帯に便利な様々なシェルターのなかから頑丈そうなものを選ぼうとしますが、残念ながらどのシェルターにも高い耐候性はありません。

どんなシェルターであれ、耐候性を高めるには、ひと手間が必要なのです。

ガイライン

ガイライン(張り網)をしっかりととりましょう。ポールが多くなくても(無くても)、このガイラインがポールの代わりに剛性を上げる手助けになります。ガイラインはシェルターの必須アイテムです。たいてい6〜10箇所からとるため、ガイライン自体の重量と容量は無視できません。現在は直径2mmのダイニーマラインが、重量・強度の点からベストな選択だといえます。

固定

シェルター本体やガイラインを大地にしっかり固定しましょう。自立式でも中に荷物を入れるだけでは、突風に対しては重りにもなりません。ペグや石を総動員して風上側からしっかりと固定することが大事です。様々な種類のペグを6〜10本程度用意し、適材適所で用いましょう。超軽量&極細のペグから支持力が高いペグまで、豊富な種類が効果を生みます。

また、幕営地によってはペグが使用できず、周囲の石を使って固定することも多いはずです。そんなときのため、1m程度のコードを輪にしたものを複数用意しておくとよい。石で素早く固定できます。直径1〜2mmのダイニーマラインで作れば、ペグよりも軽くなります。

テンション

シェルターはピンと張って設営しましょう。ほとんどのシェルターは固定した後にテンションをかけられます。実は、この行為が雨対策として非常に重要です。
シェルターの耐水圧はどのモデルでもおよそ1000〜1500mm程度です。最低でも1万mm以上、大半は2万mm以上あるレインウェアの耐水圧と比較すると、その差は歴然です。

それでも、シェルターが雨に十分に耐えるのは、テンションをかけて設営するからです。撥水性や耐水性が実力を発揮するには、テンションをかけるという行為が不可欠です。
雨が降れば湿気でシェルターの生地はたるみます。そのつど、テンションをかけ直すことを忘れてはいけません。たるんだ生地に水が流れれば、どんなシェルターでも漏水する可能性があります。

設営場所

幕営指定地での宿泊が前提である日本の山岳地では、選びたくても選べない場合もありますが、シェルターの設営条件はできるだけ満たしましょう。
風をなるべく避けられること、シェルターの入口を風下に向けること、風を受ける面積がなるべく少なくなるようにすること、こうした基本を実施することはシェルターの耐候性を上げる基本中の基本です。

また、雨が降った際に水が流れそうなところ、水が溜まりそうなところを避け、水はけがよさそうな場所を選ぶこともお忘れなく。テントの下を水が流れれば、フロアがあっても浸水は確実です。

ウルトラライトにおすすめのテント・シェルター

ビッグアグネス フライクリークHV UL1

ビッグアグネス フライクリークHV UL1のイメージ
総重量936g
タイプ自立式テント(ダブルウォール)
サイズD97×W218×H97cm
値段46,000円

軽量化はしたいけれど、出来れば自立式のダブルウォールがいいという人におすすめしたいのが、この点と。ほかのシェルターに比べると多少重いが、自立式ダブルウォールならではの快適性を有しながら1000g以下という数値であれば充分軽量な部類に入るだろう。吊り下げ式で設営、撤収もしやすい。前室があるので調理する際も便利。ラグジュアリなウルトラライトギアといえる。

「ビッグアグネス フライクリークHV UL1」の詳細・購入ページへ

ビックスカイ ウィスプ1P

ビックスカイ ウィスプ1Pのイメージ
総重量665g
タイプ非自立式テント
サイズD175×W230×H120cm
値段30,000円

同ブラン的にはビビィというカテゴライズだが、ワンポールシェルターといって問題ない仕様です。この重量クラスのシェルターになるとフロアレスのものが多いが、これはバスタブフロア付きで雨にも強い。シングルウォールであれいながら前室もある。高さも最高点が120cmと居住性も問題ない。超軽量でありながら細部に工夫を凝らし、快適性をできうる限り高めた新時代のテントです。

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ファイントラック ツェルト2ロング

ファイントラック ツェルト2ロングのイメージ
総重量340g
タイプツェルト
サイズD100×W220×H95cm
値段22,000円

ポール2本で設営する非自立式の超軽量シェルター。朝方、テントの内側に発生して荷物を濡らす不快な結露を抑える、高い透湿性を備えた居住性の高いツェルト。大人2人が余裕を持って寝ることが可能で、積極的にテント代わりに使用できる。

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ブラックダイヤモンド スポットライトビビィ

ブラックダイヤモンド スポットライトビビィのイメージ
総重量670g
タイプビビィ
サイズ234×幅76×高さ51cm
値段29,160円(税込)

シングルポールビビィの最軽量モデル。軽さとコンパクトさを徹底的に追求した画期的にビビィ。通常、防水透湿素材のビビィは総重量が約1kgほどあるが、総重量500gを実現。その軽さ、タープと併用して使うという新しい価値をビビィにもたらした。

「ブラックダイヤモンド スポットライトビビィ」の詳細・購入ページへ

ワンダーラストイクイップメント フライトタープ

ワンダーラストイクイップメント フライトタープのイメージ
総重量270g
タイプタープ
サイズ250cm×198/132cm
値段14,800円(税込)

さまざまなスタイルで設営ができる軽量タープ。特徴な台形型をしたソロ用のタープ。頭部が広く、足元が狭くなる構造で面積を効率よく活用できる。専用のスタッフサックは、口幅に余裕があるため収納しやすくバックパックにも収まりやすい。

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プロフィール画像

てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。