今や登山者にとってモバイルバッテリーは必須装備。スマホやカメラなどの予備バッテリーとして、携行することが多いです。
特にスマホは、登山口の移動、登山中の写真撮影、下山後の温泉、旨いもの巡り、登山中の安否を伝える道具として、様々な機能を果たしてくれます。このような便利な機能を果たすスマホのバッテリーが切れることは一大事となります。
そのため登山ではモバイルバッテリーを持っていくことが重要です。
ここでは、登山に適したモバイルバッテリーの選び方について紹介していきます。
登山にはモバイルバッテリーは必携
登山でスマホやカメラというガジェット類は、必携装備の1つになっています。しかし、登山は行動時間が長く、その間に充電するのは難しいため、スマホの消費量の目安を知っておき、バッテリーを余裕を持って利用する必要があります。
一般的なスマホであれば、機内モードにすれば20~30時間はログを記録できます。
とは言っても、使い方次第では15時間や10時間に縮まることもあるうえに、行動中は足りても帰りの車や電車で電池切れになってしまうのも困ります。今やスマホをお財布代わりに使っている人も多いので、バッテリーが切れたら一大事です。また、万が一遭難したときには、通報するには結構な電力が必要になるので、安全対策のうえでも無駄なバッテリー消費は避けたいものです。
そこで、登山でスマホを持っていく際、必ずモバイルバッテリーを持っていくことを心がけましょう。
1日に1,500mAh程度使うとしても、10,000mAhあれば2泊の山行でも余裕です。下山後にSNSに発信したり、帰りの電車で写真や動画を見るなどしたりしてバッテリーを大量に使うのなら、その分多く見積もっておいた方が良いです。
ただ、容量が大きいモバイルバッテリーは当然、重量も大きくなります。荷物を軽くしたいのであればバッテリー消費を抑えましょう。普段、自分がどのくらいバッテリーを使うかを把握し、必要な分を持つことが大事です。
モバイルバッテリーの選び方
山行中でもスマホを充電できるモバイルバッテリーは、今や無くてはならないものになっています。数多くのモバイルバッテリーが店頭に並んでいますが、容量や性能は実に様々でどれを買おうか迷うことも多い。モバイルバッテリーの選び方について知ることで、自分の使い方にぴったりのものを見つけることができます。
登山に適したモバイルバッテリーで重視するポイントは3点です。コンパクト性と重量とバッテリー容量。まず、はじめに考えておきたいのがバッテリー容量です。次に重量、重量が軽ければおおよそコンパクトになってきます。
用途に合わせてバッテリー容量を選ぶ
市販のモバイルバッテリーには様々な容量のタイプがあります。用途に合わせて自分に合った容量のモバイルバッテリーを選びましょう。
モバイルバッテリーの容量は、mAh(ミリアンペアアワー)の単位が使用されており、数値が大きいほど容量も大きいことを表します。そして、容量が大きければ大きいほど、スマホを何回も充電することができます。スマホの内臓バッテリーも同様の単位を使って容量を表しているため、両者を比較することで何回フルに充電が可能かが分かります。
この時、注意しなければならないのは、モバイルバッテリーに表記されている容量分を丸々使えるわけではないということです。モバイルバッテリーに使われている電池の性質上、スマホに充電する際に電圧変換が行われ、ロスが発生するからです。
製品によってロスの割合は違いますが、品質の良いバッテリーでも2、3割程度のロスがあります。例えば、5,000mAhのモバイルバッテリーは実際には3,500mAh程度となり、容量2,500mAhのスマホにフル充電できるのは1回だけとなります。
だいたい以下のバッテリーを用意できれば十分ではないかと思います。ちなみに、各スマホの内臓バッテリー容量も一覧にしてみました。自分が使用しているスマホの内臓バッテリーの容量を把握していると、より選びやすくなるかと思います。
- 日帰りで3,000~6,000mAh程度
- 1~2泊で6,000~10,000mAh程度
- 3~5泊で1,5000~20,000mAh程度
商品名 | バッテリー容量 |
---|---|
iPhone 11 Pro Max | 3,969mAh |
iPhone 11 Pro | 3,046mAh |
iPhnoe 11 | 3110mAh |
iPhone XR | 2,942mAh |
iPhone XS | 2,658mAh |
iPhone XS Max | 3,174mAh |
iPhone X | 2,716mAh |
iPhone 8 | 1,821mAh |
iPhone 8 Plus | 2,691mAh |
iPhone 7 | 1,960mAh |
iPhone 7 Plus | 2,900mAh |
iPhone SE2 | 1,821mAh |
iPhone SE | 1,624mAh |
Xperia 1 | 3200mAh |
Galaxy S10 | 3300mAh |
AQUOS R3 | 3200mAh |
Pixel 3a | 3000mAh |
重さとコンパクト性
次に重さについてですが、登山道具を軽量化している方にとって、モバイルバッテリーは結構重たく感じるものです。
モバイルバッテリーは容量が大きいものほど本体重量が重くなります。
例えば、Anker社の容量10,000mAhのある製品は約180gです。20,000mAh製品は370gと比例して重くなっていきます。また、100gを切るものや薄型で鞄などに収納しやすい形状のものもあり、製品によって実に様々です。
そこで、日帰りでは容量が小さく軽いものを使い、長期山行などのときには大容量のものを使うというように、用途に合わせて使い分けると便利です。
200gを切った軽い商品であれば、スマートフォンの電池が切れても、充電しながらサコッシュに入れて使用すること可能。ストレスなく使用ができます。
充電の速さ
充電スピードはなるべく速いものを選びましょう。電流が流れる量を示すA(アンペア)の値や電圧V(ボルト)の値が大きくなるほど、スマホやタブレット等をスピーディに充電できます。
スマホを充電するとき、充電速度の決め手となるのはモバイルバッテリーの出力。一方、モバイルバッテリー自体を充電するときに決め手となるのは入力です。目安として、5V/2A以上であれば快適に使用することができると思います。
あと、「USB PD」「QuickCharge(QC)」などの各種急速充電に対応しているものであればより理想的です。ただし、スマホ側が急速充電の規格に対応していなければなりません。自分のスマホに対応している急速充電の規格を確認しておきましょう。
USBポート全体の最大出力値・合計出力値
USBポートが複数個あるモバイルバッテリーがありますが、USBポートごとに最大出力値が決まっているタイプ・USBポート全体での合計出力値が決まっているタイプの2タイプがあります。それぞれの最大出力値・合計出力値がなるべく高いものを選びましょう。
特に、USBポート全体での合計出力値が決まっているタイプは複雑なので注意が必要です。USBポートが2つ、合計最大出力が3.5Aとなっている場合、2つのUSBポートを同時に使用するとそれぞれ1.75Aの出力になってしまう仕組みになっています。
いま使っているおすすめのモバイルバッテリー
最後に、今まで購入して使っているモバイルバッテリーを紹介します。モバイルバッテリーが欲しい、比較検討したい方の参考になればと思います。
Anker PowerCore 10000
容量 | 10,000mAh |
---|---|
重量 | 約180グラム |
サイズ | 約92 x 60 x 22mm |
モバイルバッテリーの中では、そこそこサイズはあるものの、世の中にあるモバイルバッテリーの中では、10,000mAhという容量の中では世界最小、最軽量をうたうサイズ感です。謎のメーカーの初期不良みたいな壊れ方もなく、とても丈夫で安心して使える商品です。
縦走登山などで複数回の充電が必要と言う場合には、これくらいの容量のモバイルバッテリーが安心です。
- てくてくの人登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。