こんにちは!今日も皆さんと一緒に登山に関する学びや情報交換の場所になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「『足のつま先痛い』を解消する登山靴選びと歩き方」について。
登山中に、つま先が痛くなった経験はありませんか。
「ピッタリの登山靴を買ったのに……つま先が痛い」
「靴ひももギュッと結んだのに……つま先が痛い」
今日の記事を読めば、登山で足のつま先が痛くなる原因がハッキリわかります。原因がわかればあとは対策を施せば良いだけ。一緒に学んでいきましょう!
登山靴の選び方で『つま先が痛い』は解消できます!

突然ですが質問です!
あなたは登山靴の選び方を知ってますか?
登山靴を選ぶ際のポイントは何を大切にしていますか?
- 自分の足になるべくフィットするもの
- 靴底の硬さが山の種類に合うもの
- 店員さんがススメてくれたもの
とまあ、登山装備の必需品である登山靴の選び方のポイントはいろいろあるかと。
その前に、この章では、なぜ登山中の『つま先痛い!』が発生するのか、そのメカニズムについて記していきます。
登山中につま先が痛む原因がわかれば、痛みへの対応も、しやすいと思いますので。
なぜつま先が痛くなるのか?そのメカニズムを解説!
なぜ登山するとつま先が痛くなるのでしょう。特に下山時に痛くなりますよね。あなたは、その理由をしっかりと説明できるでしょうか?
うーん……、登山靴が小さいから?つま先が靴にあたってしまうからかな。
ソレもありますね。
ほかにはないでしょうか?
あとは……、つま先あたりを岩や硬いものにぶつけてしまう?
もう少し深掘りしてみましょう。
およそ、登山中につま先が痛くなる原因は次のとおり。
登山中につま先が痛くなる原因(とくに下山時)
1:登山靴が自分の足に合っていないから①
→インソール(中敷き)無しで履いたときカカトに指が一本入るぐらい
※1~2センチの空間がベスト:この隙間を『捨て寸(すてずん)』と言う
2:登山靴が自分の足に合っていないから②
→つま先部分以外は自分の足にフィットしているものが良い
3:登山スタイルによって登山靴を履き変えていないから
→平地はソールの柔かいもの、アップダウンが急な場所はソールの硬いモノを履くのが鉄則!
登山靴以外のポイントについては後述しますが、登山靴以外の『つま先痛い』に関係することと言えば、たとえば……
- つま先が痛くならない歩き方を知らないから
- 下山時に、あらためてシューレース(靴ひも)を結び直さなかったから
- 足裏が滑りやすいインソールやソックス(靴下)を使用しているから
ざっと、こんなにも原因はあります。知っていましたか?
知りませんでした……。
登山靴を選ぶとき、こんなにも注意しなければいけないポイントがあるのですね。
つまり、裏を返せば、これらの原因を解消する登山靴を選べたなら、あの『つま先痛い!』を解消できるわけですね。
そういうことですね。
【結論】つま先が痛くなる原因を解消する登山靴を選べばOK
では、1つずつ解消していきましょう!
1:登山靴が自分の足に合っていないから①
まずは、インソール(中敷き)無しで履いたとき、カカトに指が一本入るぐらい(1~2センチの空間がベスト)の登山靴を選びましょう。
なぜ、その空間(捨て寸)が必要なのか説明します。理由は3つ。
- 窮屈に感じてしまうから
- 特に下山時に足裏が滑ることでつま先が潰れてしまうから
- 人は一日の中で足のサイズが変化する(主に大きくなる)から
足のサイズが変わる。すごくわかります。
仕事で、一日中立ちっぱなしのときなど、足がもうパンパンに膨れ上がった感じになりますよ。
足のサイズが大きくなる。ひどい人になると、足裏の筋肉が疲労することで、足底アーチ(土踏まず部分)が潰れ、そのせいで足の長さが変わることもあるとか。
足が変形する……は、知らなかった。
登山時は特に、ちょっとしたアクシデントで、体調の変化に影響を及ぼしますので、自分の身体の変化についても、事前に熟知しておく必要があります。
以前に、『登山によるむくみの原因は8つ』の記事を書きました。こちらも良かったら読んでみてください。
2:登山靴が自分の足に合っていないから②
しかしながら、つま先部分以外の足幅などは自分の足にフィットしているものを選びましょう。
どういうことかというと、つま先以外の足の甲や足首周りに余裕(あそび)をもたせてしまうと、それはそれで、今度は靴ずれの要因にもなり、かえってつま先の痛みや足全般の痛みを引き起こす原因にもなるのです。靴ずれは、体調面での「疲れ」にも直結しますから注意が必要です。
むずかしいですね……。
この辺は、素人ではよくわからず簡単には確認しづらいかもしれません。
そこで、長年、登山を経験してきた登山ベテランの「この登山靴、良かったよ」というおすすめの声を聞くのが一番と思います。
具体的には、このような動画を参考にするのもよさそう。
とはいえ、登山中(とくに下り時)は自分の体重も加わり、フィット感バツグンの登山靴でも足裏は前方に滑りがち。というか、確実に滑ります。どんなインソール、どんな靴下を履こうとも。
ということは、やはり、つま先にいくらかの隙間がないと、つま先が潰れやすくなってしまう。結果として、つま先の痛みにつながるのです。
3:登山スタイルによって登山靴を変えていないから
登山スタイルとは、『山の高さ』や『山のアップダウン』、かつ、登る山は『平地が多いのか岩場が多いのか山岳地帯なのか』。このあたりは登山前、事前に調べておく必要があります。
登る山のイメージを検索。山タイプの一覧はこんな感じ。この図をイメージしながら登山靴を履き替えてあげるとグッドです。

あなたが登ろうとしている山はどのタイプでしょうか?(険しくなるにつれて『テント』など他装備品も必要かもしれません)
ということは、これから登る山が「アルプス」なのに、底の柔かい「ハイキングシューズ」で立ち向かってはいけませんね。危ない危ない!
そういうことです。
このあたりも、登山靴を扱うお店の店員さんに、実際に登る山名を伝えたら的確なアドバイスを貰えそうです。「〇〇山ならあなたに合うのはこの靴だね、もう少し上に行くならコッチ、山行程度ならコレかな」と。
ちなみに、やま子さんが言っていた『底の柔らかい』というのは、靴底(ソール)のこと。靴底の硬さも超重要ポイントです。
柔かい&ロー | 中間&ミドル | 硬い&ハイ | |
特徴 | 靴底が曲がる 足首動く | 歩きやすい 適度な足首固定 | 小さな場所に乗りやすい 足首を完全固定 |
タイプ | ハイキング | 日帰り登山 | 手足を使った登山 |
それぞれの人気商品をまとめてみました!ロー・ミドル・ハイの重さの違いや値段の相場観がイメージ付くかと思います。
(左)ローカット (中)ミドルカット (右)ハイカット | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | キャラバン | モンベル | シリオ |
商品名 | C7_04 | マウンテンクルーザー 600ワイド Men's | P.F.730-GTX ブーツ メンズ |
カラー | ミッドナイト ワインレッド | ブルー(BLAC) ダークグレー(GM) オレンジ(OGRD) | GRY(グレー) |
サイズ | ミッドナイト/22.5〜29.0cm ワインレッド/22.5〜26.0cm | 24.0-29.0cm | 24.0-29.0cm |
重さ | 約379g (26.0cm・片足) ◎ | 約510g (25.5cm・片足) ○ | 約760g (26cm・片足) △ |
主な材質 | ゴアテックス メンブレン | ゴアテックス ファブリクス | 撥水加工済みクロスタレザー(1.6/1.8mm) |
初心者おススメ度 | ★★ | ★★★ | ★★★ |
その他 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
キャラバン C7_04
メーカー | キャラバン |
商品名 | C7_04 |
価格 | ¥15,400(税込) |
カラー | ミッドナイト ワインレッド |
重さ | 約379g(26.0cm片足標準) |
商品の特徴 | ・甲まわりをローダウンさせてフィッティング性を高められている ・履き口には足首が安定するようパッドが入っている |
おすすめポイント | ・従来モデルよりもさらに軽量化されている ・街中ではいても違和感のないデザイン ・今回紹介する幅広ラインナップの中で一番安いがお値段以上のアイテム |
モンベル マウンテンクルーザー600 (メンズ)

メーカー | モンベル |
商品名 | マウンテンクルーザー600 ワイド Men's |
価格 | ¥19,690(税込) |
カラー | ブルー(BLAC)、ダークグレー(GM)、オレンジ(OGRD) |
重さ | 510g (25.5cm・片足) |
商品の特徴 | ・軽量で柔らかい ・軽装備のトレッキングから小屋泊登山まで幅広く対応するミドルカットの全天候型ブーツ ・ゴアテックスファブリクスの透湿性を最大限に活かす、しなやかで耐摩耗性に優れたメッシュが使われている |
おすすめポイント | ・メンズだがサイズは24.0cmからある。同じシリーズのウィメンズより色展開も多いため、女性でもこちらの色が気に入ったら選択可能 ・ソール張り替え可なので長く使える |
シリオ P.F.730-GTX ブーツ メンズ
メーカー | シリオ |
商品名 | P.F.730-GTX ブーツ メンズ |
価格 | ¥41,800(税込) |
カラー | GRY(グレー) |
重さ | 約760g(片足 26cm) |
商品の特徴 | ・残雪の中級登山、夏山縦走まで対応 ・アナトミックヒールパッドが足首を優しく包み、後方へのストレスを軽減 |
おすすめポイント | ・ワイズが3E+ということでゆったり ・雨や雪、寒い環境下でのアウトドア活動にも ・防水耐久性と透湿性を兼ね備えるとともに、高い保湿性が実現されている一足 |
手足を使った登山は特に、靴底にシャンクと呼ばれる『芯材』が入っている靴を選びましょう!
シャンクですね。わかりました!
登山靴の選び方。こちらの記事も山行(参考)に!
レディース商品【初心者向け】ならこちらをチェック!
歩き方でも全然ちがう『つま先が痛い』を解消する歩き方は?

登山靴を選んだあとは、歩き方の違いについても知っておくと便利です。
……歩き方?普通に歩くだけじゃなくて歩き方に違いなんてあるんですか?
侮るなかれ!
登る山のタイプに合わせた歩き方を知らないと痛い目にあいますよ。
良い登山靴を手に入れたとて、歩き方が間違ってたら『つま先痛い!』は防げません。
つま先が痛くなる歩き方を知ろう!
つま先が痛くなる歩き方は何と言ってもコレ。
かかとから足指の付け根の順に歩いてしまう
えっ?普通にやってました。
ダメなんですか。
私も……。
そうですね。
あくまでも平地なら良いのですが(平地には適した歩き方なのですが)、足場が不安定だったり、アップダウンが激しい山になると、かえって不向きな歩き方として有名なのです。
この歩き方だと、つま先を痛めてしまいがち、なんですね。
では、どうすれば良いのでしょうか。
つま先が痛くならない歩き方でアノ痛みともオサラバできる!
次のように歩けば問題ありません。
- 歩幅はなるべく小さくして足裏全体をつけるように歩く
- 段差の大きな下りは横向きに足を下ろしてやると登山靴側面全体がクッションの役割をはたしつま先への衝撃は少なくなる
なるほど!足裏全体で歩く。そして、足の側面で斜面の滑りをふんばるのか。
これなら、足指で踏ん張らなくても良さそうね!つま先へのダメージも軽減されそうだわ!
そうです。
歩く方法を少し変えるだけなんですが、知っているのと知らないのとじゃ大違い。怪我もしにくくなる。
普段から登山トレーニングとして取り入れているか取り入れてないかで、つま先へのダメージも全然違ってきますよ。
登山靴選びと歩き方以外に注意するポイントはある?

登山靴も良いのを選べたし、歩き方もマスターした!よーし、いざ登山へ(ワクワクッ)!
ちょっと待った。
登山靴選びと歩き方のほかにもポイントが。登山はソレを聞いてからにしてください。
靴紐の結び方を変えるだけで『つま先が痛い』は軽減できる!
まずは、シューレース(靴ひも)の種類。これも知るべき知識。
丸紐 | 平丸紐 | 平紐 | |
特徴 | ほどけやすい 圧迫感がない 耐久性高い | 中間の解けやすさと耐久性 | ほどけにくい フィットする 耐久性低い |
それから、紐の結び方も。
紐がほどけると登山靴が緩み→足を痛める。
ですから、紐の結び方も知っておくといいでしょう。今回は代表的な3つの結び方を紹介します!
- 代表的なくつ紐の結び方3選
- ・【蝶結び+ひと結び】
:通常の蝶結びの輪っか同士をもう一度結ぶことでほどけにくくなる
・【イアン・ノット】
:別名をアスリート結びと言われるほど、スポーツを生業とするアスリートが好む靴ひもの結び方。蝶結びする前に作る輪っか同士を引っ張り合うことでほどけにくくなる
・【イアン・セキュア・ノット】
:一番強力。蝶結びする前の輪っかを互いにぐるりと回すことで紐が絡まりあってほどけにくくなる。ほどけづらいが、蝶結び同様、先端部分を引っ張り合うことで紐はほどける
登山靴のお手入れや爪の状態をチェックするのもお忘れなく!
最後は、基本的なことですが以下のサポートを忘れずに。
- 道具のお手入れ(できるだけ汚れを落とし清潔にし乾かしておく)
- 爪のお手入れ(登山前には長すぎず短すぎず適度な長さに調整する)
靴はバッチリ、歩き方もバッチリ!でも、爪が長すぎて……。
それでは、長時間の登山で爪と靴がぶつかったり、ソックスに爪がひっかかってしまったり、結果としてつま先を痛めかねませんね。
また、言わずもがな靴内部の環境管理も超重要!気持ちよく登山を終えられるように、登山靴内は濡れることがないように気をつけましょう!(歩く場所が水場ならハイカットの水が入りにくい登山靴を選ぼう)
まとめ
今日の記事をまとめると次のとおりです。
『つま先痛い!』をなくす5つのチェックポイント
①登山靴は隙間1~2センチを選ぶ
②登山のタイプによって靴を変える
③平地と上り下りで歩き方を変える
④ほどけにくい靴ひもの結び方を覚える
⑤道具と身体のコンディションを整える
つま先が痛くなるメカニズムを知ることで「つま先痛い!」は防げる。
ぜひ、今日の記事を参考に、できるところから試してみてください。それぞれに、登り方のクセもあると思います。「私はこの対策がよかったよ(合ってたよ)」があったらドシドシ教えてくださいね。私も試してみます!
あなたの登山ライフが、よりステキなものへとなりますように心を込めて書きました。最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
- てくてくの人登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。