登山初心者が山選びをするコツ!安心して楽しめる山を決める方法とは

登山初心者が山選びをするコツ!安心して楽しめる山を決める方法とは

どのように山を選べば楽しい登山ができるのか?登山初心者にとって、山を選ぶポイントが分からない人も多いはずです。自分の技術・体力に合っていない山を選ぶと、楽しいはずの登山がとてもきつい思い出になってしまいます。

ここでは、登山に最適な期間はいつなのか、自分にレベルに合った山はどこだろうか、どのようにレベルアップすればいいのか、など登山初心者が計画を立てるために、山の難易度(グレーディング)と考え方やステップアップの手順について、説明していきます。

安全な登山に大切なのは、体力や技術に見合った山選びが重要。綿密な計画を立てて、着実にステップアップしていきましょう。

登山初心者が山選びに大切な3つのポイント

最初は、技術・体力的に余裕をもって山行計画を立てることが大切です。
初心者や体力に自信がない人は、「標高差が大きすぎない山」「コースタイム(歩行距離)が短い山」を選んでいくといいでしょう。

“山の難易度 = 標高差・コースタイム ”という訳ではありませんが、山選びに慣れていない初心者にとっては一つの目安になると思います。登山口から山頂までの標高差が600m前後で、コースタイムが5時間前後の山を選べば、そこまで体力に自信がない方でも安心して登ることができると思います。

また、人気のある山は、よく登山道が整備されているため、危険箇所や遭難の危険も少ないです。万が一のことがあっても、他の登山者に助けてもらえる可能性も高く、技術的に不安があっても安心できます。

そのため、まずこの3つのポイントから山選びをしていけば間違いないと思います。

登山初心者が山選びに大切な3つのポイント

  • 標高差が600m以内の山を選ぶ
  • 歩行時間が5時間前後の山を選ぶ
  • 人気の高い山を選ぶ

登山に最適な季節とは?山のベストシーズンを知ろう

次に、山選びに大切なのが”登山適期”を知るという事です。
標高や山域によって登山適期はさまざまです。行きたい山の登山適期を調べて、綿密に山行計画を立てることが重要になってきます。

一般的に、登山のベストシーズンは「夏山」とされていますが…

暦では夏は夏至から秋分までだから、6月20日前後から9月20日前後までとなります。でも山の季節はそんなに単純ではなく、標高や山域によって、同じ時期でも気温はずいぶんと変わるため、山ごとに「夏山」の期間はまちまちです。

では、何を基準に「夏山」を決めればいいのでしょうか? そこで、気温がひとつの目安になります。安全に登山ができるのは、山頂付近の気温20℃前後。これだけ、気温があれば、高山で雨に降られたり、最悪の状況に陥っても命に危険が及ぶことがないでしょう。

とはいえ、年によって異なるので、不安なときは山小屋や地元の自治体などに問い合わせたり、インターネットで調べたり、現地の状況を把握することもよい。

春山(残雪期)

春山(残雪期)
登山適期:4月〜6月頃
冬山と夏山の端境期で、特に標高の高い山では山麓は新緑でも山頂は雪だったりします。登山の状況が不明瞭なこともあるので、初心者は侮ると怖い時期です。

夏山

春山(残雪期)
登山適期:7月~8月下旬頃
年間でも最も安全。雪の可能性がなく、高気温で日が長いため、登山できる時期となります。多くの山小屋が営業し、登山口までの交通機関が充実。登山者も多いため道迷いの心配も減る。

秋山(紅葉)

秋山(紅葉)
登山適期:4月〜6月頃
前半は紅葉でにぎわうが、徐々に登山者が減り、閉まる山小屋も。日が徐々に短くなり、朝夕の気温が低く、雪の可能性もあります。

冬山

冬山
登山適期:11月~3月頃
雪に覆われた冬山は、無雪期とはまったくの別世界になります。低山ならまだ登山を楽しめますが、高山は雪が降るため、初心者のみでは決して入山してはいけません。降雪後の山へ入る際は熟練した経験者か山岳ガイドを必ず同伴すること。

山域別登山適期カレンダー

山域別登山適期カレンダー

山選びに便利!登山の情報収集する方法とは

さて、山選びのポイントや登山適期についても理解できました。
では、それらの登山情報をどこから収集すればいいのか?ここでは、登山情報を収集するための、2つの方法について説明していきます。

登山ガイドブックを買う

まず、登山初心者の人は、登山ガイドブックを買うのがおすすめです。
ガイドブックには、山の難易度、おすすめの季節、地図と詳細なコースの解説など、初心者が分かりやすいように情報がよくまとめられている本が多いです。そこで、ここまでに説明してきた通り、最低限、以下情報が掲載されているガイドブックを選ぶと、スムーズに山選びができます。

ガイドブックを選ぶ際に見ておく情報

  • 山の難易度
  • 登山適期
  • 標高差(登山口〜頂上の標高差)
  • 歩行時間(距離)
  • 詳細な地図とコースガイド

登山サイトから情報収集する

山選びに少し慣れてきた、又はガイドブックと合わせて情報収集したい人は、登山サイトも活用してみるといいです。Webサイトの良いポイントは、他の登山客の情報を知れる事です。山の見どころ、口コミ、写真、具体的なルート状況、天気など最新情報を手に入れることができます。
また、知りたい情報が見つからない場合でも、他の登山客に質問することも出来ちゃいます。

参考にしている登山サイト

さらにレベルの高い山選びをする方法!行きたい山の難易度を知ろう

さらに、山選びに慣れてきたら、登山初心者の山選びの3つポイントの条件の山以外にも、行ける山を増やしていきたい。

行きたい山の選択肢を増やしていくには、山の難易度(グレーディング)を理解して、自分の体力と技術に見合った山を選び、段階的にステップアップしていくことが重要です。

しかし、初心者にとって、その段階が判断しづらいところ…

そこで、山の難易度別に、どのようにステップアップして、自分の行きたい山を選んでいけばいいのかを説明していきます。

まず山の難易度(グレーディング)とは

山のグレーディングとは、県内の主な登山ルート(無積雪期)を体力・技術別の難易度に分けたものです。行きたい山はあるけれど、どのくらい難しくて、どのくらい体力が必要なのか判断するヒントになります。

長野、新潟、山梨、静岡、岐阜、栃木、群馬、石鎚山系(愛媛県・高知県)、山形県の主要山岳エリアの8県と1地域が作成した山のグレーディング表があるので、参考にしてみてください。

登山レベルを段階的にステップアップしていく方法

段階的にステップアップしていく時に注意してほしいのは、体力レベル1の山を登ったから、さあ次のレベルへ…と、早急にレベルを上げていこうとせず、それぞれのレベルの山を楽しんで登れた!くらいの余裕が出てきたら次の段階の山に。自分の体力と技術を見極めてステップアップしていきましょう。

ステップ1 まずはハイキング

  • 標高:低山(〜2000m前後)
  • 歩行時間:日帰り(3時間前後)
  • 例えばこんな山:高尾山、奥多摩・三頭山、六甲山

まずはハイキング気分で体力と技術ともに問題ない身近な低山へ行こう。
はじめは3〜4時間程度で往復でき、道迷いがない入下山口が同じピストンのコースがある山を選ぶ。徐々に歩行時間を長くしたり、5〜6時間程度のコースを楽しく歩けるようになれば、次のステップへ

ステップ2 はじめての小屋泊体験

  • 標高:低山〜中級山岳(〜2500m前後)
  • 歩行時間:日帰り〜1泊2日小屋泊
  • 例えばこんな山:雲取山、大菩薩嶺、尾瀬ヶ原

低山を登る体力がついたら、森林限界を超えない山にある山小屋で一泊登山にチャレンジ。山小屋泊で山の夜と朝を体験しよう! 山の朝夕は日中と気温差が大きいので、山の気候や防寒対策を学べる。標高が高い場所で眠ることによる体調変化にも注意。

ステップ3 重い荷物と長距離の縦走

  • 標高:中級山岳(2000〜2500m前後)
  • 歩行時間:日帰り〜1泊2日前後
  • 例えばこんな山:八ヶ岳、金峰山、谷川岳

長い距離を歩ける体力と、山で快適に過ごす知識や技術を身につけたら、森林限界を超えた中級山岳へ。岩場の歩行やロープを使う場所もあり、歩行技術を磨く絶好の機会だ。また、荷物が重くなり、歩行距離も長くなる分、体力面もよりハードに。自分のペースをつかんで安定して歩けるようになるまで、何度か縦走の経験を積んでいくといい。

ステップ4 いざ高山へ挑戦

  • 標高:高山(2500m〜3000m前後)
  • 歩行時間:〜2泊3日前後
  • 例えばこんな山:奥穂高岳、槍ヶ岳、北岳

3000mに近い高山は一歩間違えれば命の危険を伴う場所なので、焦りは禁物です。ハシゴやクサリを使って危険箇所を通過する技術、地図読み、応急処理の知識、天候変化に対する判断力など命を守る知識が必要となってきます。最低限の知識と技術を得てから挑戦しましょう!

登山の山選びは楽しい!登山レベルを上げて行ける山を増やそう

山選びをして山行計画をするのは、登山にとって楽しみのひとつです。

最初は関東付近の高尾山や大山や筑波山など低山ハイキングですが、段階的にステップアップしていけば、北アルプスなどの標高が高く山域が広く展望の良い名峰にも登れるようになります。

最初はきついですが、山に登れば登るほど技術や体力がどんどんついていきます。段階的にステップアップして、自分の技術・体力に合った山を見つけて、もっと山を楽しいものにしていきましょう。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。