登山に必要な服装とレイヤリングの基本
最初に、登山に必要な服装とレイヤリング(重ね着)の基本を説明していきます。 まず、絶対に必要なのが降雨時に着るための「アウターレイヤー(一番上に着用するアウター)」です。朝、どれだけ晴れていても、天候が変わりやすい山では午後から雨が降ることが多いからです。次に大切なのが、肌に直接着る「ベースレイヤー」になります。そして、中間着の「ミドルレイヤー」です。 山中では、気温や環境の変化が頻繁に起こるため、体温調整が必要な場面が多く発生します。そのため、この基本となる3つの服(ベースレイヤー・ミドルレイヤー・アウターレイヤー)を脱ぎ着するレイヤリング(重ね着)が重要になります。 一般的に、登山では晴天に恵まれるときもあれば、突然の雨など天候が悪化するときもありますので、無駄なものはなくしつつ、必要な服はすべて持っていってほしいです。各レイヤーの特徴
ベースレイヤー(肌着)
肌に直接触れる服のこと。登山では、素早く汗を吸い取り、拡散する吸汗速乾性に優れたもの。メリノウールや化学繊維のTシャツとパンツなどのベースレイヤーが必須です。ミドルレイヤー(中間着)
アウターレイヤーとベースレイヤーの中間に着る服のこと。夏山なら半袖とショートパンツで歩く人も多いが、風が強い稜線では体を冷やしてしまうので、気温変化が起こりやすい山では、動きやすく、体を守るウェアを選ぶと良い。アウターレイヤー
一番上に着るアウターのこと。降雨量の多い日本野山では、レインウェアは必須装備です。雨が降っていなくても、風が強い稜線では体を冷やさないようウインドシェルのように羽織って行動してもOK。 ここでは、登山の服装の基本・選び方を簡単に書きましたが、以下の記事でさらに詳しくまとめてあります。登山の服装に関して、もっと知っておきたい人は合わせて参考してみてください。ベースレイヤーとは|登山にはウール素材がおすすめ
ベースレイヤーは、汗を素早く吸収し発散させる役割があります。 登山のレイヤリングにおいて、雨や寒さから身を守るための上着に目が行きがちですが、ベースレイヤーがいちばん大事といっても過言ではありません。いくら着込んだとしても、汗によるベタつきがあれば不快だし、寒冷地では汗冷えによる低体温症のリスクも招きます。 ベースレイヤーはそのようなリスクを防いでくれます。 素材は、メリノウールやポリエステルのような化学繊維を含んだものを選ぶと、汗を吸収すると素早く発散して、快適に過ごすことができます。 コットンは肌触りがよく吸汗性も高いが、乾きにくいため登山には不向きなので、山に着て行くのは止めましょう。 以下の3タイプの素材から自分に合ったものを選びましょう。“ウール”の特徴
優れた保温性と天然の防臭効果があることが最大の特長。温度調整機能も有しているため、夏は涼しく、冬は温かい。濡れても温かく汗冷えしにくいのも大きなメリット。“化学繊維”の特徴
吸汗性と速乾性に長けているため、暑い時期や行動量の多い山行に向いている。肌を常にドライな状態に保ってくれるので快適性も高い。軽量で強度があることも特長。“天然繊維 + 化学繊維”の特徴
ウールやシルクなどの天然繊維とポリエステルなどの化学繊維を組み合わせたもの。それぞれの長所を程よく兼ね備えているため使い勝手がよく、さまざまなシーンに対応ユニクロの”ヒートテック”は登山に不向き
普段、アンダーウェアとして着ているユニクロのヒートテックですが、ポリエステル以外にもレーヨンが含まれています。コットンと比べて、吸湿性・放湿性も良いですが、吸水性も高く、雨や汗など水を濡れると、すぐにびしょびしょになります。速乾性に優れていないため、乾くのも遅いです。そのため、山に着ていくのは止めましょう。登山に最適なベースレイヤーの選び方
ベースレイヤーは肌に触れるアイテムのため、気心地も大切。 機能と素材だけではなく、サイズ感にも重点をおいて、選んでいくと良いでしょう。“生地の厚さ”を確認する
薄いほうが涼しく、厚いほうが温かい。季節や行き先に加え、自分の体質も考えたうえで、選びましょう。使用シーンを想定して”機能”を考慮する
クルーネック、ジップネック、ヘンリーネックなどさまざまな種類がありますが、吸汗性や速乾性に優れたモデルは鉄則です。他は、重ね着のしやすさ、換気性の有無、デザインなどから選んでいきましょう。“サイズ感”をチェックして体にフィットしたものを
タイトなほうがもたつきや上着との干渉はないが、人によって締めつけ感を覚える人もいるだろう。登山中にできるだけストレスを感じないように、肌触りの良さや、体へのフィット感も、試着した上で確かめておきたい。登山におすすめの春秋や夏など”オールシーズン”活躍するベースレイヤー
モンベル / ジオラインL.W.ラウンドネック・シャツ
¥3,239(税抜)
サイズ | XS〜XL |
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カラー | ブラック、他2色 |
素材 | ジオライン(ポリエステル100%) |
重量 | 125g(M) |
吸汗速乾性に優れた化繊アンダーの定番
マイクロファイバーの隙間が毛細血管現象を促進することで、すばやく汗を吸い上げ拡散する独自素材を採用した、アンダーウェアの大定番。不快なニオイを防ぐ制菌効果も備わり、夏場の登山に最適。当モデルのほか、中厚手や厚手モデルなど豊富なラインナップが揃うのも魅力だザ・ノース・フェイス / ロングスリーブドライクルー
¥4,800(税抜)
サイズ | S〜XL |
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カラー | ブラック |
素材 | フライウェイトPPダブルフェイスグリッド(ポリエステル:85%、ポリプロピレン15%) |
重量 | 81g(M) |
体をドライかつ快適に保つことを第一に
肌に触れる裏地側は、繊維のなかに水分を含まないポリプロピレンを採用することですばやく疎水し、表地側には吸汗拡散性に優れたポリエステルを配備している。表地と裏地で異なる素材になったダブルフェイス仕様の薄手のアンダーウェアは、夏場の登山などに最適ファイントラック / スキンメッシュT
¥4,200(税抜)
サイズ | S〜XXL |
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カラー | ブラック、他2色 |
素材 | スキンメッシュ(ポリエステル100%) |
重量 | 46g(M) |
レイヤリングの概念を変えた大発明
湿度の高い日本の山で、いかに快適に過ごすかを考えた耐久撥水性ドライアンダーの元祖。肌に直接着ることで、汗などの水分を肌から放して、上に着たベースレイヤーが吸汗して発散するというシステムだ。一般登山のほか、トレイルランや沢登りなどでも抜群の性能を発揮するファイントラック / ドラウトゼファージップネック
¥8,400(税抜)
サイズ | S〜XL |
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カラー | ライトグレー、他3色 |
素材 | ナイロン100% |
重量 | 125g(M) |
あえて難しい技術に取り組んだ技ありアンダー
通常のアンダーウェアに使うポリエステルに比べて、軽さと耐久性に優れるナイロンを使い、高い吸汗速乾性を実現。ナイロン生地での実現は技術的に難しいとされてきたが、特有の優しい肌触りと、乾燥しても熱がこもりにくいことからあえて取り組んだミレー / ドライナミックメッシュショートスリーブ
¥5,300(税抜)
サイズ | S/M、L/XL |
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カラー | ブラック、他1色 |
素材 | ドライナミックメッシュ(ポリプロピレン66%、ナイロン28%、ポリエステル6%) |
重量 | 110g(S/M) |
立体的なメッシュが心地いいと評判
疎水性に優れ、熱伝導率の低いポリプロピレンに、強度を保つためのナイロンなどを混紡。これを膨らみのあるメッシュ状に編み上げ、肌から汗を放すドライ系アンダーに仕上げた。メッシュは嵩張りがあり、隙間ができて通気性も生む。ぴったりとフィットするサイズ選びが重要登山におすすめの”冬”に最適なベースレイヤー
アイスブレーカー / 200 オアシス ロングスリーブ クルー
¥9,800(税抜)
サイズ | S〜L |
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カラー | ブラック、他5色 |
素材 | メリノウール100% |
重量 | 270g(L) |
ウール品質の高さでは右に出るものなし
ニュージランドに本拠地を置き、地元の牧羊家とおもに高品質な羊毛を育てながらていねいに作り上げた。しっかりと紡績したメリノウールを使い、洗濯を繰り返しても伸び縮みがほとんどないのがうれしい。ボクサーパンツにはナイロン芯に巻きつけたコアスパン糸を採用するモンベル / ジオラインM.W.ラウンドネックシャツ
¥4,300(税抜)
サイズ | S〜XL |
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カラー | インディゴ、他2色 |
素材 | ジオライン(ポリエステル100%)% |
重量 | 170g(L) |
吸汗速乾性に優れた中厚手ジオラインシリーズ
モンベルの看板的素材のひとつであるジオライン採用。繊維や生地が空気を蓄える特性と、体からでる熱を再利用した遠赤効果により優れた保温性を発揮。汗冷えから体を守る高い速乾性と相まって、非常に暖かくドライな1枚。- てくてくの人登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。