登山で安眠できる枕の選び方 ツルっと滑りにくい頭の位置が安定する枕を

登山で安眠できる枕の選び方 ツルっと滑りにくい頭が位置が安定する枕を

登山やハイキングの夜には、やはり寝心地の良い枕で安眠することはとても大切です。

効果的に体力回復をしなければ、翌日の活動に影響できます。なるべく実用的で軽量な装備で快適なテントの時間を過ごしたい。

そこで、今回、軽量かつ機能性に優れた登山に適した枕の選び方を紹介します。登山にとって安眠の大切さをはじめ、枕の種類、選び方、おすすめの商品などをまとめています。

テント泊登山で枕がよければ安眠できる

登山やキャンプのテント泊に限らず、枕にこだわりを持たれている方は多いのではないでしょうか。枕がよければ、この上なく質の良い睡眠をとることができますし、逆に枕が合わなければ眠りも浅く、次の活動に影響が出るという声もちらほら聞きます。

質の良い睡眠こそ、疲労回復に繋がりますので、登山やハイキングで縦走する人にとっては、きちんと寝られるかどうかが計画達成のカギになると言っても過言じゃないです。

なかには枕がなくてどんな環境でも寝れてしまう方もいるかと思いますが、首や頭が痛くなったり、熟睡できなかったりする方は、しっかりと睡眠が取れるように睡眠環境を整えることがとても大切です。

最近のアウトドア用の枕は軽量でコンパクトな商品も多く、リュックの中に入れておいても嵩張ったり重さを感じたりすることも少ないです。リュックにタオルを巻いたりやスタッフバックにウェアを詰めたりして枕の代わりにする人も多いと思いますが、テント泊でしっかり眠れない人は一度、枕を試してみるのもアリかなっと思います。

登山で使える枕の種類

アウトドア用の枕は数多く売られていますが、登山やハイキングで使えるものは「エアタイプ」「セルフインフレータブルタイプ」「衣類を詰めるタイプ」の3つに大きく分類できると思います。それぞれの特徴を把握した上で、自分の頭に合った枕を選びたい。

空気を注入するタイプの枕

空気を注入するタイプの枕は、中身は空気だけなので浮き輪に頭を乗せている感覚です。重量は抜群に軽く、ものすごくコンパクトになるので荷物を軽量化したい人には向いています。しかし、たまに穴空きや空気口の故障で空気漏れが起きたり、エアータイプ特有のボインボインとした頭の乗せ心地が気になる人にとってはあまり快適に眠れない可能性も。

セルフインフレータブルタイプの枕

セルフインフレータブルタイプの枕は、内部にウレタン素材が入っているので、それなり厚みを感じます。はじめはシワシワな感じですが、バルブを開くと勝手に空気が入って半分ほど膨らみます。バルブと兼用になっている空気入れから直接空気を入れればさらに膨らみます。

エアータイプよりも、ウレタンにより頭の乗せ心地、寝心地は気持ち良いです。しかし、エアータイプ同様に穴空きや空気口の故障で空気漏れが起きたりします。また、ウレタンが入っているため空気を抜いてもコンパクトに納まらないデメリットもあります。

衣類を詰めて使用する枕

衣類を詰めて使用する枕は、一番シンプルな枕です。閉じれる袋にウェア類を突っ込んで使うイメージです。袋さえと詰めるものがあれば枕にすることができるので、とても軽く荷物が増えません。空気漏れの故障がないのもポイントです。高さも大きさも重さも自由に変えられます。
ただ、入れるものが無ければ枕にならないので要注意。

安眠できる枕選びのポイント

普段家で使っている枕が一番ぐっすり眠ることができると思いますが、登山やハイキングにそのまま持っていくことは難しい。アウトドアシーンで使える枕は、持ち運びやすく軽量であったり、独自の機能性が求められます。

枕には人それぞれの好みがあります。肌触り、高さや硬さ、大きさ、重さ、頑丈さなど、またそのアウトドアシーンでも変わってくると思います。一概にはおすすめはできませんが、枕選びには押さえるべきポイントがいくつかあります。

肌触りが好みの素材

枕は肌が触れるものなので、横顔・素肌など肌触りが好みな素材を選びたいです。寝返りをした時などにやたらと音がする枕もあるので、静かな素材もポイントです。
あと、顔・首の油や汚れなどが染みにくい素材を選ぶとメンテナンスもラクです。

頭がズレない落ち込み部

枕の素材はつるつると滑る素材が多く、ちょっと寝返りでも枕がすぐにズレてしまい寝心地が悪かったりします。枕の中央に落ち込み部があると頭が沈み込みので、頭がごろんごろんと転がったりすることはなく、頭の位置が安定しやすい。

適度な大きさと高さ

大きすぎるのも問題だが、できるだけ大きい枕に包まれてどかっと寝たい。窮屈なテント、窮屈なシュラフで寝ていて、さらに小さい枕に頭を乗せ続けて寝るのはとてもストレスです。
あと枕の高さがあると横を向いてのびのび寝れます。高さがないと首が折れて横を向いて寝ることができません。

シュラフやマットから滑りにくい構造

つるっとしたシュラフやマットの上に乗せる枕には、枕の重さまたは素材や寝相によって枕がすべり、寝てる間に逃げてしまったりしやすい商品もあります。気付きにくい意外と重要なポイントだが、滑りにくい構造の枕を選びたい。
枕の裏側が小さな突起が付いているもの、寝袋マットに固定できるものなど、滑り止め対策がされた商品はいくつかあります。滑りにくい構造の枕であれば、いくらツルツルしたマットでも、よほどアクロバティックな体位で寝なければ、枕がズレて飛んで行くことはないかと思います。

軽量・コンパクト

いくら枕が重要と言っても寝るときにしか使わない道具なので、歩行の負担にならない軽量でコンパクトなものから選びたい。登山道具を選ぶ際の基本項目だが、軽量性とコンパクト性の重要度は高いので押さえておきたい。

ラフに扱っても大丈夫なほどの頑丈さ

アウトドアシーンで利用するため、雑に扱って大丈夫な枕を選びたい。丁寧に扱わなければならないようなアイテムはストレスになるので、複雑な機能のないシンプルな構造で壊れないのがポイント。
エアータイプであれば、素材が厚く、かなり強度があり空気漏れしないもの。空気口の故障がしにくい、バルブの作りがしっかりしたものなどを選ぶ際に見ておきたい。あと、万が一、空気漏れした時のために、リペアキットが付属されているものもありがたいです。

わずか55gのウルトラライトな枕「KLYMIT PILLOW X(クライミット ピロウX)」

KLYMIT PILLOW X(クライミット ピロウX)の写真01

折りたたむとコンパクトでザックに入れておいても邪魔にならない寝心地の良い枕を探してたところ、このクライミット ピロウXに出会いました。
超軽量で、寝袋のフードに収まるほど小さく、膨らませる量もかなり調整が可能です。枕の中央にあるX字の溝が頭のズレを直してくれるデザインになっているので、ストレスを感じることなく快眠できます。

「KLYMIT PILLOW X(クライミット ピロウX)」の製品情報

KLYMIT PILLOW X(クライミット ピロウX)の写真02
重量55g(実測してみたら袋込みで75gありました)
サイズ38cm × 28cm × 10cm
素材トップ:30Dポリエステル、ボトム:75Dポリエステル

クライミット ピロウXは寝相が悪くても安心できる枕で、頭の位置を自然と枕の中央へ導いてくれるデザインになっています。一息で膨らますことができ、好みの硬さや厚みに調整が簡単なところも魅力。コンパクトになるので、とことん軽量化こだわる方におすすめ。

KLYMIT PILLOW X(クライミット ピロウX)

実際に使ってみて良かった点

わずか55gのウルトラライト枕

KLYMIT PILLOW X(クライミット ピロウX)を計量中の写真

クライミット ピロウXは折りたたんだ状態だと手のひらサイズでわずか55gしかない(実測してみると袋込みで75gと若干重たくなりました)ので、これが荷物に増えたからといって負担に感じることはないです。とことん軽量化にこだわるウルトラライトな人でも、快適な睡眠で効果的に体力回復を手助けしてくれるので、ぜひ山に持って行きたいアイテムです。

高さと柔らかさの調整が簡単

KLYMIT PILLOW X(クライミット ピロウX)のステッチをアップした写真n

クライミット ピロウXはセクションごとに膨らますことが出来ます。セクションはステッチで区切られているだけなので、完璧にセクションごとに膨らみを調整できませんが、寝心地の良い首や頭の位置に調整するときにとても役立ちます。また、一息で膨らますことができるので、高さと柔らかさの調整がとても簡単にできるのもポイントです。

空気漏れの心配ない生地の耐久性

KLYMIT PILLOW X(クライミット ピロウX)の生地のアップ写真

かなり軽量で耐久性が低いと心配な方もいると思いますが、そこはしっかりしていて通常使いで空気漏れなく安心して使用できます。枕の表側には30デニールのポリエステルを使用し、裏側には75デニールを使用している。裏表で生地強度を変えていて、耐久性は非常に高いです。

滑りやすさは寝袋のフードの中に入れておけば解決

KLYMIT PILLOW X(クライミット ピロウX)のサイズ感が分かる写真

クライミット ピロウXの生地は耐久性は高いが適度に滑ります。中には滑り止めが付いてるもの、寝袋マットに固定できるものもあったりしますが、ピロウXはテントのフロア生地やマットと相性が悪いときにツルッと滑ることがあります。

しかし枕のサイズが38cm × 28cm × 10cmと比較的コンパクトなサイズなため、寝袋のフードの中に入れておくだけで、簡単に滑り止めになります。頭の位置が決まらず寝れないということはないと思います。

実際に使ってみて気になった点

KLYMIT PILLOW X(クライミット ピロウX)の横からの写真

クライミット ピロウXは基本的に仰向けで寝るときに首と頭を支えるようにデザインされているようで、横向きに寝たい場合はあまり快適ではない感じがします。あと、他の枕にも言えますが、ポリエステル素材は肌触りが優しい生地ではないので、寝返りのときに音がなってしまいます。音が気になる人は快適に寝ることができないかもしれないです。

軽量な枕なため割り切って使用していますが、持っている荷物で快適性はアップすることも出来ます。タオル巻いて肌触りを良くしたり、ウェアを下に敷くことで高さを調整して横向きでも寝心地の良くすることも可能です。

  • 横向きで寝る人にはあまり快適ではない
  • 高さはそこまでない
  • 肌触りの優しい生地ではない
  • ポリエステル素材なので、寝返りの際に音が若干気になる

安全で楽しい登山は安眠から

登山では軽量化や代替品の使用などの理由から枕を使っていない人が多いですが、重い荷物を背負いながら長時間歩く登山は翌日の疲労を少しでも回復するため安眠が求められます。

枕が合わないでぐっすり寝れず、寝不足で次の日を迎えるのは体力的にも精神的にもきついです。
寝心地の良い睡眠を得るには枕は必需品です。快適なテントを過ごし、安全で楽しい登山にしましょう。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。