ベストな登山用テントの選び方!用途に合ったテントの種類・設営とは

ベストな登山用テントの選び方!用途に合ったテントの種類・設営とは

登山用テントは山中でテント泊するために、まず手に入れたい道具になります。ただ、テントといってもさまざまな種類のものがあり、初めて購入する方は、どんなテントが良いか判断が難しいです。

テント泊は、日帰りや小屋泊にくらべて荷物が多くなります。
テント以外にも、寝袋、マット、料理、道具、食材などを運ぶ必要になり、リュックの総重量がかなり増えてしまいます。

そのため、初めて購入するなら、見た目ではなく、軽くて丈夫な登山用のテントを選んだ方が良いです。

登山用テントは決して安いものではありません。まず、買い直しを避けたいところ。そこで、ここでは、初心者でも分かりやすいテントの選び方、種類・特徴、設置方式、さらにテントといっしょに購入した方が良い便利な道具などを紹介していきます。

自分の山行スタイルに合ったテントで快適な生活をしていこう!

登山用テントとは?キャンプ用テントの違い

一般的に登山用のテントは雨風に非常に強く設計されています。
山の上では天気が荒れることも多く、雨風にテントが一晩中さらされることもあります。そんな状況でも壊れずに身を守ってくれるのが、登山用のテントです。
シンプルな構造で強いフレームを持ち、形状は風を受け流すようにデザインされています。かつ、持ち運びしやすいように軽くてコンパクト、過酷な環境でも簡単に設計できるように組み立てやすい構造になっています。 居住性よりも、軽さと強さに重点を置いて設計されたストイックなテントが登山用のテントと言えます。

登山用テントの特徴

  • 軽くてコンパクトになる
  • 雨風に強くて頑丈な作り
  • 設営が簡単
  • ほとんどの地形で利用できる。

一方、キャンプ用のテントは、長時間のテント生活でも快適に過ごせるように居住性を重視した設計になっています。テント内は、天井も高く、1人分のスペースもゆったりとした大きさになっています。そのため、登山用テントと比べ、雨風に弱かったり、重たくコンパクトに収納が出来なかったりします。
テント場まで、車やバイクなどで移動できるなら問題ありませんが、山中でテント泊をするなら、登山用テントを購入するべきです。

登山用テントの選び方!軽いテントを購入しよう

テントの大きさ!使用人数+1人を目安

テントの大きさ!使用人数+1人を目安

テントの大きさは、人が寝られる最低限のスペースで考えられるため、余裕を持った大きめのサイズを選ぶ方が快適に過ごせます。 テントには「2人用」など、使用人数が表記されていることが多いですが、実際に2人で寝ようとすると、リュックや装備の置き場に困るほど窮屈になります。
実際に店舗に行ってテントに入ってシミュレーションすることが大切です。1人当たり50cmを目安に、左右に余裕をもったサイズ選びをしましょう。

テントの種類!どんな地形でも張れるものを

登山用テントには、ポールを通せばとりあえず立ってくれる「自立式」テントと、ペグや張り網、トレッキングポールなどがなければ立たない「非自立式」テントに分けられます(詳細はテントの種類で説明します)。
「非自立式」は軽量化できるものの、設営場所や設営技術などが必要なため、あまり初心者にはおすすめできないです。
最初に購入するテントは、どんな地形でも貼ることできる「自立式」を選ぶ方が良いです。

軽量でコンパクト!重量は2,000g以下のものを

テント泊になると持ち物が増えますので、重量はテントにおいて最も重要な要素のひとつになります。ただ、軽さだけをポイントに選んでしまうと、居住性や耐久性が犠牲になってしまうため、、自分がテントで快適に過ごせるように、バランスを考慮して判断していく必要があります。
目安としては、1人用のテントで(ペグも含めた)重さが2,000gを切れば、十分に軽量なテントと言えます。

設置・撤収の容易さ

居住性以外にも、設置・撤収の容易さなどの使いやすいさも重要になります。テントの設営方法はさまざまな種類があり、複数のポールを組み合わせて立ちあがるテントは、設置するだけで体力や時間がかかります。
特に、長時間歩いて疲労が溜まっている中、雨が降ったり、風が強い日は、設置・撤収のしやすさは、とても大事になってきます。

使用する季節!3シーズン以上ならメッシュは避ける

テントで快適に過ごすには、3シーズン(夏・春秋)で標高の高い山、夏の低山、厳冬期の雪山など、自分が使用する季節によってテントを選んでいくとが大切になります。
ただ、はじめてテントは、幅広く使用できる3シーズン用のものを購入しておけば問題ないでしょう。その際に気をつけるべきポイントは、インナーがメッシュ素材になっているかどうか。通気性が高く真夏の低山では快適に過ごせますが、標高の高い山や夜になると、ぐっと気温が下がるので、寒さに耐えられないので注意が必要です。
また、今後、雪山にも挑戦したいという方は、オプションで雪山対応できるテントを選ぶと良いでしょう。3シーズンテントで、スノーフライやインナーライナーなどのオプションを用意しているモデルがあります。その中でも、雪山は、雪や寒さに耐えないといけないので、耐久性のある自立式テントを選ぶの基本になってきます。

【テントの豆知識】短辺と長編、出入り口はどちらがいい?

厳しい環境下なら短辺側、利便性なら長辺両側を選ぶとよい。
短辺に出入り口があるモデルは、風下に出入り口を向けても、強風による影響を最小限にできる効果があるため、より悪条件に強い。
一方、長辺に出入り口があるモデルは、間口が広くとれ、出入りが楽だ。利便性を優先するなら、長辺側を選ぶとよい。

登山用テントの4つの種類・特徴!自立式+ダブルウォールテントがおすすめ

テントは大きく4つの種類に分けられます。
自立式と非自立式、また構造は、ダブルウォールとシングルウォールがある。非自立式はペグを打てる場所での使用が前提となり、稜線などの狭く岩の多い厳しい環境下でも上手く張れる技術が必要となります。

そのため、最初のテントは、自立式から選ぶと良いです。ダブルかシングルかは、前室が確保できる快適性重視のダブルがおすすめです。

自立式+ダブルウォール

自立式+ダブルウォールのテント

自立式テントは、ポールを本体に通すとテントが広く立ち上がり、しっかりと張れて、非常に強い風でも耐えてくれます。また、ペグダウンをしなくても立ち上がるため、狭く、岩の多いテント場でも設営できます。
ダブルウォールは通気性のあるインナーテントに防水のフライをかぶせる様式のこと。湿気がこもりにくく結露しにくい。前室もつくりやすく、快適も過ごせます。

自立式+シングルウォール

自立式+シングルウォールのテント

自立式で、シングルウォールはフライを省略し、防水性のある本体のみにしたモデルのこと。設営も早く、フライがないので軽くてコンパクト。ただ、前室がないモデルでは、テントの出入りのストレスや結露問題も。

非自立式+ダブルウォール

非自立式+ダブルウォールのテント

非自立式は、ペグや張り網、トレッキングポールなどがなければ立たないテントのこと。ポールの長さを比較的短く、本数を少なくし軽量化できるものの、設営にコツがいります。
ダブルウォールのため、結露のしにくさや、前室による快適性も確保されている。

非自立式+シングルウォール

非自立式+シングルウォールのテント

非自立式でシングルウォールのため、非常に軽くてコンパクトなテント。専用のポールはなく、トレッキングポールを代用するモデルが多く、使いこなすにはある程度のテント泊の技術が必要。

登山用テントの設営方法!構造的に強いのはスリーブ式

テントはポールを柱にして、居室空間をつくりだしている。このポールの使い方に、スリーブ式、吊り下げ式、インナーベルクロ式などがあります。

スリーブ式

筒状のスリーブにポールを通すタイプ。テント全体にテンションがかかるため構造的に強い。

吊り下げ式

フックで吊り下げて、テントを立ち上げるタイプ。設営に力はいらない。

インナーベルクロ式

内側からテンションをかける自立式シングルウォールなどに使用。ベルクロだけなので軽量。

定番・おすすめの登山用の軽量テント

っと言っても、登山用テントはさまざまな種類があってあって選べない方も多いはず。そこで、定番・おすすめの軽くて丈夫なテントを紹介します。

モンベル / ステラリッジテント2+フライシート

モンベル / ステラリッジテント2+フライシートのイメージ
最小重量1,410g(フライシート含む)
収容人数2人
対応シーズン3シーズン

山のテント場で非常によく見かける、山岳テントの超定番。目を引くような変わった機能はないのだが、基本を徹底追求してスキのない作りに仕上がっている。大きな特徴は、フライシートが別売りになっていて、4色から好きなカラーを選べるようになっている

公式・販売サイトで詳細を見る

上記で紹介した登山用テント以外にも、おすすめのものはたくさんあります。他の記事に詳しくまとめていますので、気になる方は合わせて確認してみてください。

おまけ:テントといっしょに購入しておくと便利な道具を紹介

テントを長持ちさせる!グランドマットやテントマット

グランドマットやテントマット

地面に敷く専用のグランドマットやテントの内側に銀マットなどを敷くと、テントを長持ちさせられます。底部分は補強された生地ですが、鋭利な石があると、テントを動かしたり体重がかかったりすると、穴があくことも。
また、テントの内外にマットを敷くことで、保温力もアップします。

いざテントが壊れても安心!リペアキットやダクトテープ

テント泊では、リペアシート、ポールスリーブ、ダクトテープを携行しておくと安心。
テントが破れたときや、マットやスリーピングバッグに穴があいたときに使えるのがリペアシート。また、ポールが破損した際に備えて、テント購入時に付属しているポールスリーブを持参しておこう。
ダクトテープは粘着力が強く、生地も頑丈なので、さまざまな破損に対応できるため、ぜひ携行したい。

リペアシート(マット用・汎用)やダクトテープ
  • リペアシート(マット用・汎用)
  • ダクトテープ
  • ポールスリーブ

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。