テント泊の長期縦走には、50L以上の登山用の大型リュックが欠かせません。
長期の山行になると、荷物が極端に増えるので、50L〜80Lぐらいの容量があると安心です。
20kg以上の荷物が運べるように生地はより丈夫になっており、ヒップハーネスや背面パッドなどは荷重をうまく分散させるために、より機能的な構造になっています。
しかし、大型リュックと一口に言っても、特定の用途を想定したものやいろいろな容量のものがあり、どれを選んでいいのか迷ってしまいます。
そこで、今回は、登山用の大型リュックのおすすめ商品を紹介します。まず、登山用リュックの役割をはじめ、選ぶ時のポイントを解説しながら、おすすめの大型リュックをまとめています。
ぜひお役立てください。
登山用リュックの役割!普段使いのリュックとは違いとは
背負いやすく疲れにくい
登山では食べ物や水、服や道具など重い荷物を背負って長時間歩かなければなりません。そのため、登山用リュックは長時間背負って歩いても疲れにくく、また背負いやすいようデザインされています。
たとえば、歩くときに重心がブレないために、縦長のモデルが多いです。
また、一番負荷のかかるショルダーハーネス(肩)は、柔らかい素材で背負いやすい形状になっています。ウエストベルトを締めれば、より荷物のブレをなくし、肩だけにかかる負荷を腰にも分散させることができます。
あと、リュックの背面もいろいろと工夫されています。背中全体で荷物を支えることができるように、ピッタリとフィットするようにデザインとパッドがつけられていたり、背中の蒸れを軽減するため、背中が通気性に優れたメッシュになっているモデルが多いです。
とても軽くて耐久性が高い
山の中を長時間背負って歩くことを想定しているリュックは、耐久性が高く軽量化されているモデルが多いです。
木の枝や岩などに擦れても簡単に破れない強度のある素材や、雨に備えて防水系のナイロン素材が使われていたりします。
便利な機能がたくさん
普段使いのリュックとは違い便利な機能が用意されています。
たとえば、中型以上のリュックの場合、一番奥の取り出しにくい荷物を簡単に取せるように、フロント部分がスーツケースように大きく開けることができます。雨蓋には使用頻度の高い道具を入れたり、フロントやサイドポケットには小物や地図などを入れておくのに便利。サイドのメッシュポケットには飲み物を入れておくこともできます。
また、リュックの中には、荷崩れを防ぐようなベルトや小分けパック、最近ではハイドレーションという行動中も飲める飲料パックを収納できるシステムもついています。
大容量の登山用リュックの選び方
まず、登山用リュックとひとくちに言っても、容量には20Lから100L以上のものまでいろんな種類があって迷ってしまいます。まずは、山歩きの行程に応じて、容量を決めていくといいでしょう。
暖かい夏場の1〜2泊ならば容量50Lほどで、宿泊数を増える場合、それ以上のの大きさが必要になってきます。
テント泊の長期縦走も可能な大型モデルは、背負う重量が増すため、体への負担が大きくなります。そのため、通気性の高い背中の構造、荷重を支える各部のハーネスがしっかりしていることや、フィット感が重要になってきます。 また、荷物も増えるので、内部やポケットなどの収納力もチェックしておきたい。妥協せずに、徹底的に吟味しましょう。
目的に合わせて容量(サイズ)を選ぶ
日帰り向き(容量:約20〜30L)
雨具、飲み物、行動食、弁当、地図、ヘッドランプ、防寒具など日帰り山行に必要な道具が入るリュックのサイズ。街用のデイパックより、登山用は、ポケット、ウエストベルト、背面などの機能が使いやすくデザインされている。
山小屋泊向き(容量:約30〜40L)
着替えや防寒着、日程に応じた行動食など、日帰り山行よりも荷物が増える場合は、このサイズのリュックがおすすめ。標高の高い山の山行は、朝晩は冷えるため、防寒着は必須。また素泊まりで自炊をするなら、食材やストーブ、クッカーなどの調理器具も必要になり、荷物が増える。
テント泊向き(容量:約50L〜)
最初のテント泊は、パッキングに不慣れでも長期の山行でも対応できる60Lのモデルがおすすめだ。最近は、軽量・コンパクト化が進んで40Lのモデルでもテント泊は可能だが、容量に余裕があった方が安心。
リュックの種類(機能)で選ぶ
一般登山・トレッキング用のリュック
ハイキングや登山では最もベーシックなタイプで、種類が豊富です。背面は、フィット感がありメッシュで通気性が高く、背負いやすく快適。ポケットなどの装備が充実で、荷物の出し入れがしやすいです。
アルパインクライミング用リュック
岩場でじゃまにならないシンプルなデザイン。背面はパッドが薄め。ハーネスと共用できるようにウエストベルトは取り外せます。ピッケルホルダーやギアループを装備。
スノー用リュック
スキーやスノーボードの取り付け可能なリュック。スキーやスノーボードを取り出せるよう、背面アクセスを採用。スノーセーフティ用のポケットを装備。
体にフィットして背負い心地の良いものを
重い荷物を背負って長時間歩くハイキング・登山は、背負い心地の良さと体へのフィット感はとても重要です。
リュックを支えるメイン部分。ショルダーの幅や厚さ、素材が自分に快適かを重視しつつ、背負った状態での腕の動かしやすさも確認したい。
そして、自分の背中と背面システムの長さが合っているか要チェック。複数のサイズをそろえているタイプ、ショルダーハーネスの位置を変えて調節できるタイプがあったりします。
各メーカーによって、体の負担を減らすための機能は違いがあります。リュックのサイズがあってなければ、せっかくの機能も十分に発揮されないので、実際に店舗で試着して、納得いくまで比べて選びましょう。
登山用リュックの種類・選び方は、以下の記事でも詳しくまとめてありますので、合わせて確認してみください。今回、様々な種類のあるリュックの中でも、テント泊の長期縦走も可能な登山用の大型リュックを紹介していきます。
テント泊・長期縦走に最適な大きさ|大容量のおすすめ登山用リュック【60・70・80L以上】
オスプレー / ジーニス75
¥35,000(税抜)
カラー | テクタイトグレー、テクタイトグレー |
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容量 | 75L |
重量 | 2,470g |
1週間以上の長距離縦走に
フロントやサイドの大容量ポケットが使いやすく、最上部のリッド(雨蓋)は簡易的なデイパックに変身するというお得感が高いモデル。各部のハーネスは重み幅も充分で、1週間以上の重い食材を加えたテント泊装備にも対応するほど、背面の通気性もよい。
主な特長
- ショルダーベルトには、通気性に優れた肌触りよい素材を使用しているため、快適な背負い心地に
- フロントのファスナーを開けると、内部にも仕切りがある二気室構造。荷物を上下に分けられる
- 熱成形が可能なヒップベルトは、クッション性に優れ、高荷重をしっかりと受け止めると同時に、高いフィット感を生む
モンベル / アルパインパック60L
¥20,800(税抜)
カラー | ブラック、エバーグリーン、ロイヤルブルー |
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容量 | 60L |
重量 | 1,660g |
特注構造で高い防水性
丈夫なハーネスが付いたバックパック本体の内部には、取り外し可能なインナーは防水性が高く、たとえ外側が雨で濡れても、内部の荷物をドライに保ってくれる。またウエストバッグにもなるリッドが別売りされ、合わせて使うと便利だ。
主な特長
- 丈夫はクルクルと丸めてから留めるロールアップ式。この内部に防水性のインナーバッグが入っている。
- 背面側にはアルミ製軽量のフレーム。背中の曲線に合わせてカーブを調節でき、抜群のフィット感を生み出す。
- 背面には、保水しないE.V.Aフォームを使用。フォームをブロック状に配置することで空気の通り道を確保し、蒸れを解消します。
マムート / クレオンクレスト
¥43,000(税抜)
カラー | ブラック、アロエ×イグアナ |
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容量 | 65L |
重量 | 2,160g |
フロントが大きく開き、荷物の出し入れがラク
バックパックの正面がU字型に大きく開き、パッキング時に奥に入れたものまですぐに取り出せる。ウエストからヒップにかけて荷重を支えるハーネスはかなりの厚みをもち、フィット感も上々。また、背面パネルにはメッシュ地が使われており、暑い時期でも心地よく背負える。
主な特長
- フロントやサイドにはいくつものポケット。荷物を小分けして収納でき、使い勝手がとてもいい
- ソフトなパッドを装着し、人間工学を考慮したヒップベルトとショルダーストラップが快適な背負い心地
- 取り外し可能なトップフラップは、内側に装着されたストラップを使って、ミニバッグパックに!
ホグロフス / ネイド65
¥40,000(税抜)
カラー | マグネタイト |
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容量 | 65L |
重量 | 2,420g |
縦に長いスマートなルックス
U字型に大きくオープンするフロントの上には、大型のポケット。さらにその上部にも左右に分かれたポケットがあり、各部ディテールがとても使いやすい。メインの荷室は下にいくほど細く、荷重が上がって体への負担を軽減してくれる。
主な特長
- バックパックの正面がU字型に大きく開き、パッキング時に奥に入れたものまですぐに取り出せる
- ショルダーハーネスと連動する背面長は、フックで調整。位置を決めて引っかけるだけの簡単さだ。
- 取り外し可能で短期のトレッキングに便利な、小さなデイパックにも変形
カリマー / ストラータ50タイプ2
¥25,000(税抜)
カラー | アビスブルー、ダークオリーブ、ディープレッド |
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容量 | 50L |
重量 | 1,700g |
安心して使えるスタンダード
クッション性が高く、厚みもあるヒップベルトは心地よく腰骨を覆い、背負い心地は抜群。背面パッドは肩や腰の部分の中央に隙間を作り、通気性をアップさせている。チェストハーネスには緊急用のホイッスルが付く細かな配慮も。
主な特長
- 素材は強靭なナイロン。鋭いものでひっかいても、大きくは破れないリップストップ素材である
- 背面内部に3D設計の専用バックパネルを搭載し、包み込むような高いフィット感を実現
- フロントポケット裏の専用ストレージにレンカバーを内臓。急な雨に対応可能
グレゴリー / バルトロ65
¥39,000(税抜)
カラー | ダスクブルー、フェラスオレンジ、オニクスブラック |
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容量 | 65L |
重量 | 2,490g |
大人気モデルがフルモデルチェンジ
多くの登山者から定評がある人気モデルがバージョンアップした。背面パネルに肉抜きされたフォームとメッシュを組み合わせた通気性が高いシステムを新たに採用し、使用素材も軽量なものに変更。さらなる快適な背負い心地と軽量性を手に入れた。もちろん、背面サイズも3タイプ展開している。
主な特長
- フロント側には大型のメッシュポケットが新たに付いた。シェルをしまうなどなにかと便利
- ショルダーやウエストは左右独立して動き、体が傾いたときも重心がブレにくい
- 腰の形状に合わせて2段階で調整でき、どんな体型でも完璧なフィット感を実現
ドイター / フューチュラバリオ50+10
¥28,000(税抜)
カラー | グラファイト×ブラック、ミッドナイト×スティール |
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容量 | 50+10L |
重量 | 2,080g |
夏こそ活躍する高通気性
最大の特徴は背面の構造。弾力性があるフレームによってメッシュパネルを張り、その下に空気を流すことによって蒸れを激減させる。ヒップハーネスの幅の広さも特筆すべき点、腰回りを帯びのように包み込んで荷重を均一かつ広範囲に分散させ、だれの体にも優しい
主な特長
- ジッパー式のセパレーターにより、バックパックの内部を二気室に
- メッシュとメッシュパッドを組み合わせた立体的な背面パネル。背中に風がとおり、汗濡れが軽減される
- 軽量でフレキシブなラウンドフレームにより、パック全体が安定し、腰回りに荷重を均一に分散します。体に優しいデザインになっている
バーグハウス / ウィルダネス65+15
¥25,000(税抜)
カラー | ダークグレー×ブラック、ブラック×グレー |
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容量 | 65+15L |
重量 | 1,870g |
荷物を降ろさずフィット調整可能
独自のバイオフィット背面長調整システムを搭載し、行動中でもフィット感の調整が可能になっている。煩わしい思いをせずに、いつも快適な背負い心地を得るのがうれしい。フロントは広く開けられ、大きなモノでも簡単に取り出せて使いやすい。
主な特長
- 左右のサイドには大きなポケット。これらのポケットなどを合わせると、容量が+15Lになる。
- 行動中でもフィット感を調整可能。成形済みのヒップベルトがさらなる快適を。
- 伸縮するサイドポケット、フルオープンするフロントパネルといった多彩な機能で、よりギアの整理が容易に
ザ・ノースフェイス / プロフィット85
¥49,000(税抜)
カラー | ブラック、ファイアリーレッド |
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容量 | 85L |
重量 | 2,410g(S/M)、2,438g(L/XL) |
ハードユースのためにクライマーと開発
荷物を降ろさずにフィット感を調整できるように、ヒップハーネス近くにストラップが付き、これを引けば背面長が変えられる。擦れやすい下部は補強され、鋭い爪をもつクランボンを収納できるポケットを持っているなど、上品な見た目に反して、ハードでタフな使用に耐えうる。
主な特長
- 片方のストラップ引くだけで、両肩の位置が調整できるシステム。この工夫は便利でユニークだ。
- EVAの成形バックパネルにより、快適な背負い心地とフィット感
- 補強素材を使用したフロントのポケットには、鋭い爪をもつクランボンも収納できる
ミステリーランチ / スフィンクス
¥36,000(税抜)
カラー | 2色(スチール、ファティーグ) |
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容量 | 65L |
重量 | 2,400g |
パッキングがしやすく長期旅行でも使いやすい
ふたつの縦ポケットが特徴的。フロント中央のファスナーを前回し、大型モデルとは思えないスムーズなパッキングが可能となる。調整しやすく、フィット感の高い背面も秀逸だ。
主な特長
- フロントにあるふたつの縦ポケットで、荷物を小分けして収納でき、使い勝手がとてもいい
- 長いファスナーで風呂敷のように全開。雨蓋は取り外してサブバックにもできる
- パックの背面長を無段階調整ができ、背面長や体格に応じて、ジャストフィットができる
おまけ:おまけ|雨対策用の登山道具!登山用リュックと合わせて購入しておくと便利なアイテム
おまけで、登山用リュックといっしょに購入しておくと便利なアイテムを紹介しておきます。
リュックカバー(容量70L)
- ザ・ノース・フェイス / レインカバー スタンダードレインカバー 70L
- リュックを雨から守るため、外側を覆うカバー。濡れによってリュック自体が重くなるのも抑えてくれる。さまざまなサイズがあるので、リュックの容量の合わせて選びましょう。
スタッフバッグ・ドライバッグ
- シールライン / ブロッカーライト ドライサック
- 防水性に加えて収納性も考えられてたモデル。衣類などの濡らしたくない荷物を入れておけば、雨が降ってから慌てる必要もなくなります。
- てくてくの人登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。