山の天気を判断しよう!悪天候時に登山するか否か見極める方法とは

山の天気を判断しよう!悪天候時に登山するか否か見極める方法とは

登山にとって天候を判断できることはとても重要なスキル。
山の天気を読み間違えて、山岳遭難を引き起こす可能性もあり、登山者はぜひ身につけておきたいものです。

ただ、山の天気を予測するには、山岳気象に関する知識・経験が必要になり、初心者にとっては大変難しいです。

そこで、「天気図が読めない」という初心者でも、山の天気を判断し登山をするか否かを判断できるように、分かりやすい方法を解説していきたいと思います。

ここでは、天気図を読む方法ではなく、天気予報(無料)から山の天気を判断する方法を解説していきます。山岳地帯の予測はとても難しいです。天気予報は、あくまで山の周辺または街の天気予報であるため、そのまま信じ込まず、登山する際は十分に準備して入山しましょう。

それでは、山で適切な行動や判断ができるように、専門知識がなくても理解できる天気予報の活用法について説明していきます。

山の天気の状況を判断する基準

山岳地帯の天気の予測はとても難しいですが、普段天気図を読み慣れていない初心者でも、ある程度、山の天気の状況を把握して、登山の実施・中止の判断することは可能です。

最近では、登山口や山頂の天気をピンポイントで予測するサービスがたくさんあり、誰もが山の天気の状況を簡単に確認できるようになりました。

あくまで、天気予報のため、参考程度でそのまま信用することは危険ですが、この天気予測のサービスを組み合わせて確認することで、晴れ・曇り・雨といった単純な情報だけでなく、風や雨雲の動きなど、出来る限り正確に把握することが出来るようになります。

また、天気予測サービスを利用するだけでなく、現地情報を仕入れることも有効です。これから向かう山小屋などに電話をして、天候の状況を確認してみると良いでしょう。

山の天気の状況を判断する基準

  • 雨雲の動き・降水予報
  • 風の状況
  • 現地の情報を確認(山小屋などに電話してみる)

山の天気を予測するおすすめのサービス

では、実際に山の天気を確認するにはどんなおすすめのサービスがあるのでしょうか?ここでは、山の天気、雨雲の動き、風の状況を把握するためのサービスを紹介していきます。

山の天気をピンポイントに予測するサービス

てんきとくらす

てんきとくらす

「てんくら」の愛称で親しまれる天気予報サイト。全国1509座の山の天気予報を確認できます。登山指数をA・B・Cで判断、降水量や風速や雲量などを総合的に確認できます。

てんきとくらす 天気と生活情報

雨雲の動き・降水予報を予測するサービス

SCW スパコンが予測する高解像度の天気予報

SCW スパコンが予測する高解像度の天気予報

スーパーコンピュータが予測する高解像度の天気予報です。1時間おきの雨量・雲量だけでなくにも、風速、気温・湿度などを詳細に確認できます。 スマートフォンにも対応していますので、電波のある山小屋でも天候を確認することが出来ます。ただ一部有料になってます。

SCW - 天気予報 / 観測情報

気象庁 降水短時間予報・高解像度降水ナウキャスト

降水短時間予報は、今後6時間の1時間ごとの降水量分布を予測したもので、半日先までの大まかな天気の変化を把握するのに便利なサービス。 高解像度降水ナウキャストは、1時間前から1時間先までの限定したされた予報になりますが、降水短時間予報と比べると、より正確な情報を確認することができます。
どちらも無料で利用です。

風の状況を予測するサービス

気象庁 ウィンドプロファイラ

気象庁 ウィンドプロファイラ

てんきとくらすやSCWでも風の状況を確認できますが、気象庁の情報も確認しておくと安心です。他の予測サイトは予測値のため、ウィンドプロファイラで、入山予定(又は現地)の周辺の風の状況を実測値で確認しておく。風速10m/s以上15m/s未満は注意、風速15m/s以上20m/s未満は困難、風速20m/s以上は行動不能のため、現地の状況や体力をみて、登山できるか否かを判断しましょう。

気象庁 | ウィンドプロファイラ(上空の風)

より正確に天気予報を読む方法と注意するポイント

いくつかの天気予測サービスを利用して、山の天気・雨雲・風の状況を把握できるようになってきましたが、より正確に天気予報を読むための注意点について説明していきます。

メインとサブの天気予報でより正確に予測

天気予報のサービス紹介しましたが、1つの予報だけを見て信じ込むのは危険です。サブの予報もいくつかチェックするのがおすすめです。そうすることで、より精度の高い予報をすることができるようになります。

そのようなとき、メインの予報だけを見て信じ込むのではなく、サブの予報もチェックするのがおすすめです。

どの予報をメインにするかは、個々の好みでかまわないが、最も情報量の多い気象庁がおすすめです。他にも、日本気象協会やウェザーニューズの予報が妥当。

他にも確認しておく天気予報サービス

天気予報を見る時に注意するポイント

最新の更新時間を確認する

更新時間は最新のもの

天気予報は時間の経過とともに変わるので、できるだけ最新の情報を入手する。気象庁は毎時5時、11時、17時に更新することを覚えておこう。また、ウェザーニューズの予報は随時更新されている

天気予報マークだけでなく、予報文や天気概要も確認する

天気予報マーク

天気予報マークは、対象となる日の天気を1つまたは2つのマークで概要を表示。ただ、マークだけでは天気予報を十分に表現できないため、詳細な天気変化は、予報文・天気概要や地域時系列予報などを確認する。

週間天気も確認する

週間天気

週間予報は変わりやすかったり外れやすいが、天気変化のタイミングや天気分布が少しズレただけのことが多い。週間天気図から、予報が変わる傾向を把握しておくとよい。

天気予報の用語を理解する

予報文や天気概要では、「時々」「一時」「ところにより」「昼過ぎから」「やや強く」などなど、曖昧な表現が多いように感じられるが、予報に用いられる用語のひとつひとつには、明確な定義があります。

これらの予報用語をちゃんと理解していないと、天気予報を正確に読み取ることはできません。よく使われる予報用語の一部だが、チェックしてみましょう。

時間に関する用語
未明00時から03時
明け方03時から06時
06時から09時
昼飯09時から12時
昼過ぎ12時から15時
夕方15時から18時
夜のはじめ頃18時から21時
夜遅く21時から24時
時系列に関する用語
時々ある現象が継続的に発生し、その発生した時間が予報期間お二分の一未満であるとき。
一時現象が切れ間なく発生し、その時間が予報期間の四分の一未満であるとき。
後(のち)予報期間内の前と後で現象が異なるとき、その変化を示すときに用いる。
場所に関する用語
ところどころある現象が発散して発生しているとき、それらの状況を総括的に表現する場合に用いる。
ところにより現象が地域的に散在し、複数の地域を指定して表現することで冗長な表現になる場合に用いる。
風に関する用語
やや強く風速10m/s以上15m/s未満。風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。
強く風速15m/s以上20m/s未満。風に向かって歩けない。転倒する人も出る。
強く風速20m/s以上。しっかりと体を確保しないと転倒する。

天気状況を見極めて登山するか否かを判断する

正確に山の天気を把握するには、山岳気象を知識を得て、普段から天気図を見慣れていないと、初心者にとって難しいです。
ただ、いくつかの天気予報のサービスを利用して、天気・雨雲・風の状況を把握することで、精度の高い予報ができるようになります。
うまく天気予報サービスを利用して、冷静に天気状況を見極めて登山するか否かを判断できるようになっておきましょう。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。