テント泊登山を快適に過ごす方法!レイアウト内のコツと悪天候時の対策

テント泊登山を快適に過ごす方法!レイアウト内のコツと悪天候時の対策

テントを設営が完了したら、ザックから荷物を取り出し、テント内にきちんと配置していきたい。テントを快適に過ごすためには、設営場所や設営方法と同様に、テント内の過ごし方も大切になってきます。

ここでは、テント泊をより快適に過ごす方法を解説していきます。テント内のレイアウトのコツや悪天候時の対策をまとめています。

ちなみに、テント場の設営場所の選び方やテントの設営方法については、以下の記事に詳しくまとめてあります。参考にしてみてください。

テント内のレイアウトも大切!快適に過ごすためのコツ

テントを設営したら次に行いたいのが、ザックから荷物を取り出し、テント内にきちんと配置していくこと。きれいに並べ、いつも同じものを同じ場所に置くように癖をつけておくと、たとえ夜の暗闇のなかでも手探りするだけで必要なものが取り出せ、無用なストレスを感じずにすみます。紛失の防止にもなり、壊れやすいものを体でつぶす恐れも減らせる。

また、天井付近には細いループを張り、テント内部を立体的に使用するとより便利に!ただ、重いものを吊るすとテントが変形し、雨のときには浸水しやすくなります。ポールの破損の原因になるので、軽いものだけにしておこう。

頭上付近
  • ・就寝時には頭の近くに飲み水を置いておくとよい。
  • ・ヘッドライトにもすぐに手が届く場所に。
足元付近
  • ・足元には濡れたもの、湿ったものをまとめおく(バックバックカバーを利用して内側に収めておけばほかのものに水分が移らない。
出入り口付近
  • ・出入り口が短辺にあるテントは頭を前室方向に向けて寝ると、夜中にトイレに起きたときにもすみやかに外に出られる。
  • ・暑い時期は顔の向きを出入り口近く。メッシュパネルを出入り口に使ったテントは、涼しい風が顔にあたり、不快感が減少する。
天井付近
  • ・大半のテントの天井付近にはヒモのループがあり、細いロープを張ることができる。ここにランタンを吊ればテント全体が明るい。
  • ・天井に張ったロープには小型のフックでヘッドライトを取り付ける便利。角度をうまく調整すれば、ランタン代わりになる。
  • ・ロープには濡れたタオルなども干せる。悪天候時にほとんど乾かないが、好天時にベンチレーター付近に下げれば乾燥は早い。
その他
  • ・テント内部のポケットには貴重品や壊れやすいものを。小さな袋をすっぽりと収め、ゴミ箱代わりにしても重宝する。
  • ・人数に対してスペースが狭いテントでは頭と足を交互にして就寝する。だが不用意に寝返りを打ち、仲間の顔を蹴らないように。

快適なテントの前室の使い方

インナーテントの出入り口の前に位置し、フライシートとの間にできる比較的に広いスペースは「前室」と呼ばれる。いわばテント内部と外界の狭間にある土間のこと。
ここにはテント内には保管しにくいブーツやサンダル、汚れた食器などを保管することができる。フライシートという屋根で雨から守られた便利な空間です。

雨が降っているときは、前室にバーナーを置き、調理も可能。だが、これは前室が広いテントで、細心の注意をもって弱火で調理するときに限られる。狭い前室しかないテントではフライシートに火が触れて延焼や溶解の心配があり、できれば避けたい。

前室にはいろいろなものを置きがちだが、テントへの出入りの際には置いたものを踏みつけたり、ひっくり返さないように注意する。また前室が複数あるテントを数人で使う場合は、自分が使う前室を決め、自分の小物を集中しておくようにすると、テント周りでの行動、作業がスムーズになります。

サンダルやブール、ゲイターなど、土で汚れているものをまとめ、すべて片側に配置。サンダル類と反対側の前室には、土汚れから遠ざけたい調理用具や水。置き場を分ければ、それぞれの汚れが移らない。

悪天候時の快適なテントの過ごし方

雨の日、不快感を緩和するいくつかの方法

テント生活を不快にする大きな要因は雨です。
新品のテントの防水性は高いが、使い続けているうちに穴があいたり、防水コーティングがはがれてきたりして、少しずつ雨水が浸水しやすくなります。

テントのボトムに穴があかないようにフットプリントを併用してもよい。目に見える穴は専用のリペアシートを張って処理したいが、微細なものは直しきれない。テント内に防水性の薄いシートを敷いておくのが現実的な対処法です。

装備のなかでも濡らしたくないものは、内部にダウンの中綿を封入したスリーピングバッグ。テントの壁面に接することが多い足元はとくに濡れやすく、この部分をひどく濡らしてしまうと、スリーピングバッグの保温力は極端に落ちてしまう。
カバーで全身に覆うのが間違いない方法だが、足先のみをシートで守ったり、レインジャケットで覆ったりするだけでも大きな効果があります。カバーを持っていない人は試してみてほしい。

テントの強風対策。テントの向きで風を受け流す

テントの強風対策は、ペグを確実に打つことから始まる。テントさえしっかりと地面に固定されていれば、キャンプ中の強風をそんなに恐れることはありません。
ペグ打ち以外の強風対策で重要なのは、テントを張る向きです。もし一定の方向から絶えず強い風が吹いてくるような天気や地形なら、少々面倒でも風向きに対して強い角度にテントが位置するように、張り直すべきです。

どこから風が吹いてくるのか判断できないほどの悪天候のときは、ペグの効き具合をもう一度チェックし、張り網のたるみをとってから、テント内でやり過ごすましょう。

テントの入り口は風下に

テントの入り口は風が吹き込まない風下側がベター。または横に向け、風上は絶対に避ける。テントの短辺が風上と風下に向いていれば長辺よりも格段に風圧を受けにくい。風向きが一定ならばタイミングを見て張り直すと効果的。

前室も風を避ける

風が入り口に対して横から吹いてくる場合、フライの出入り口を巻き上がるのは、風下側。うかつ風上側を開けると一気に強風が吹き込み、前室ばかりか、テント全体が風を受け止め、吹き飛びや破損の大きな原因になる
あと、強風時はベンチレーターを閉める。ここを閉め忘れると風が吹き込み、テントが歪む恐れも。

通気性の向上と結露対策

テント内の通気性を確保することは、快適なキャンプ生活に欠かせません。
暑い時期のテント内は日差しによってビニールハウスのように内部温度が上がり、日の出とともに起きださねばならないほど。だがベンチレーターや出入り口を通気口として活用すれば、充分に涼しさが保てます。

テント内の結露はテント内外の温度差により、温かい内部の湿気がテントの壁面で冷やされて生まれる。どうしても避けられない現象だが、過度の結露は内部の荷物を濡らし、テント内のコンディションを大幅に下げる。だが通気性を向上させて効率よく湿気を外に流し、内外の温度差を少なくしていけば、かなり緩和されます。

  • フライシートの内側は、メッシュ地のテント。テントのどの方向から風が吹いてきても内部に涼しい空気が入り、暑い時期に向いている。
  • フライシートとインナーテントの間に広く隙間ができるようにきちんと設営を行なうと、風通しがよくなり、通気の効率が高い。
  • 好天時、フライシートのベンチレーター開けておく。テントの上部にあるベンチレーターからは内部にこもった熱気が排出される。
  • フライシートの出入り口も一種のベンチレーター。開ききらないときは、小枝のようなもので強制的に開くという手もある。
  • 通気口となる場所、テントの2カ所以上あるとよい。ベンチレーターと出入り口のメッシュを連動させれば、風通しのよさは抜群だ。
  • ベンチレーターを効率的に使えば、日中でもテントで昼寝ができる。閉じたままだと急激に内部の温度が上がり、とても寝られない。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。