登山に最適な水筒の選び方 使いやすさと強度のバランスを考慮して選ぼう

登山に最適な水筒の選び方 使いやすさと強度のバランスを考慮して選ぼう

登山中は大量の汗をかき、こまめな水分補給が欠かせません。そこで必要となるのがボトルを中心とする水分を運ぶための水筒です。

登山中の水分補給はもちろんだが、休憩中や山小屋でコーヒーやカップ麺を食べるときにも活躍します。水筒には、バックパックに入れやすい形、容量の大きいもの、保温・保冷性があるもの、耐久性が高いものなどたくさんの種類があるが、何をポイントに選んでよいか分からない方も多いと思います。

そこで、今回、登山に最適な水筒の選び方を紹介していきます。行動中に破損しない耐久性を持ち、持ち歩ける水の量や重さなど、自分が使いやすいものを選びたいです。

登山で水分を持ち運ぶのに大事な水筒のタイプ

山中で脱水症状に陥ることは、ときに死の危険すらある大きなトラブルです。行動中に飲むものとは別に、充分な飲み水を持ち歩くのは山歩きの基本になります。

使いやすいのは、シンプルなボトルです。アルミや合成樹脂性で、形状やデザインが豊富で、耐久性にも優れています。容量はさまざまだが、登山用に便利なのは0.6〜1Lサイズです。それ以上の大きさはかさばるので、少し扱いにくいかもしれません。

その点、大容量でも水を入れていなければコンパクトで軽量なのが、フィルム状の水筒です。10L以上の大型もあり、ボトルのサブとして持っていくのも良いです。

ウォーターボトル

アルミや合成樹脂を使って作られたボトルは、定番のタイプです。以前は、筒型の他に平型や箱型の形状のものも多く見られたが、現在ではシンプルで耐久性が高く、携行性にも優れた筒型のものが主流になっています。

特に保温性はないが飲料水を運ぶには充分で、比較的購入しやすい価格帯に商品が揃っています。

フィルム状の水筒

数層にラミネートされたフィルムなどの合成樹脂を使った水筒です。非常に軽量で、水を入れていないときは小さく収納できるなどのメリットがあり、現在では人気のタイプ。ただし耐久性はそれなりで、長く使い続けていると素材が劣化して水漏れを起こします。しかし、値段は安めなのでときどき買い換えるといい。

保温ボトル

ボトルの壁を2重にしたうえで、そのあいだの空間を真空にしたものが主流。熱の伝導率を低くすることで断熱性を上げ、お湯を保温するだけでなく、冷水を保冷する効果もあります。保温性の向上のために使われる素材やパーツが多く、また容量のわりに重量はかさむのが難点です。

登山に適した水筒の選ぶ方 使いやすさと強度のバランスが大切

水は山でもっとも大切なものです。だからこそ、水筒は確実に必要な量を運べ、使いやすいものを選びたいです。必要十分な容量と使いやすさのバランスになります。

ボトルの素材

昔、金属製の水筒は金属臭が鼻についていたが、現在主流のアルミやステンレス製はほぼ無臭です。また、合成樹脂の水筒の一部には水を長く入れていると素材が溶け出す物があったので、古い物を使っている人は体にに無害な素材か確認しよう。

プラスチック・ウォーターボトル
  • ・軽さと丈夫さを兼ね備えている
  • ・持ち歩きやすい
  • ・簡単な形状なので洗いやすい
  • ・気温や気圧の変化に弱いので高山登山に向かない
  • ・落下させると破損する恐れがある
プラスチック・ソフトボトル
  • ・水が入っていないときに小さく収納できる
  • ・重量がほとんど気にならない
  • ・繰り返し折りたたむことで劣化が起こりやすい
ステンレス・アルミ
  • ・とにかく頑丈で壊れにくい
  • ・保温・保冷性がある
  • ・容量のわりに、重量がかさばる

飲みやすい口径の大きさ

飲み口の形状は大きめのものと小さめのものがあり、飲み口の口径は使用感を大きく変えます。

大きめのものは、一度にたくさんの水を入れることができるので、水の補填がラクでストレスなくできます。帰宅後に掃除がしやすいのも良い。

小さめのものは一気に水を飲むことはできないが、不注意で倒しても水があまりこぼれずにすみます。目的地に着くまで水を飲み切らないように心がけている人には、その少しずつしか飲めない点が、むしろ好まれている。

水を入れられる容量

山域の状況や水場の場所、気温などにも夜が、夏の山では脱水症状に陥らないように最低でも1〜2Lの水を持ち歩くべきです。水場がない山では、3〜10Lの大型の水筒類も用意しておくと便利です。

大きいもの1つで間に合わせるか、小型のものをいくつか組み合わせるか、人ぞれぞれです。

大型のもの1つにすれば、荷物の軽量化につながります。しかし、大量の水を入れると重たくなり、口をつけて飲むたびに持ち上げるのが億劫になります。

小型のものを複数用意した場合、水筒ごとに違うものを入れられるというメリットがあります。普通の水は一定量キープしつつ、別の水筒にはドリンク剤を溶かしたものを入れ、味の違いを楽しむのも悪くない。しかし、荷物が少し重たくなるのは避けられません。

使い勝手の良いボトルの形状

バックパックのボトルホルダーは筒形のボトルを入れる想定でデザインされているが、他にも形状があります。例えば、昔からあったホルスター型は容量の割りに薄く、手に馴染むと同時にバックパックのポケットにも収めやすい。

タイプ特徴
ホルスター型丸みをおびた、人体にもフィットする形状。面積は広くなるが筒形よりも薄く、バックパックの雨蓋部分やサイドポケットにもすんなりと収納できる。
筒形ボトルの中央にくぼみがつき、指をかけやすい形状になっているタイプ。グローブを嵌めたままでも滑り落ちることがなく、寒い時期にも使いやすい。

水漏れの抑える強度

金属や合成樹脂のボトルであれば、山中での破損はめったにありません。

だが、問題はフィルム状の水筒で、圧力には強くても突起物が刺さると破れかねない。経年劣化の問題も大きい。しかし表面素材にナイロンを使ったタイプは非常に強靭で劣化も少ないです。

休憩やテント場などでの水の運びやすさ

水筒は行動中だけ使うものではありません。テント場などでは調理用の水を運ぶためにも必要です。この時、小さなボトルでは必要分を運びきれないので不便です。特に大人数で一緒に調理を行う場合、グループ内の共同装備として使う大型のウォータータンクをひとつ用意しておくと、何度も水場へと往復したり、小屋に購入しに行ったりする手間が省けます。

携行性がよい水筒のキャップ

一部のモデルのキャップにはカラビナなどが付属し、ストラップにかけて落下や紛失を防ぐ工夫がなされています。また、キャップをきつく締めすぎたり、気圧の問題で開かなくなった時には、穴の部分に棒などを入れて回すことができます。

飲みやすい口の形状

飲み口の形状は、水筒の使いやすさを大きく左右する部分です。ハイドレーションやソフトボトルは例外ですが、プラスチックやステンレス製のボトルの場合、できるだけ飲み口が広くなっているものを選びましょう。

また、単純にキャップを回して外すだけのものが多いですが、中に口に含みやすい小さな飲み口を別途つけたものや、別売パーツに取り替えられるものもあります。自分好みのものを探したい。

保温性と保冷性の向上

冷水やお湯の温度を保つ簡単な方法は、水筒の周囲を断熱性素材で覆うことです。またボトルの壁が2重構造・真空タイプの場合、飲み物の熱が逃げて行くのは内部のフタの部分からになります。この部分が長く、かつ細い物ほど断熱性は向上します。

ただ、飲み口が広い物は若干熱が逃げやすいが、大きな氷を入れることもでき、掃除もラクです。保温性よりも使いやすさ重視かでの選択が変わってきます。

歩行したまま水分補給できるハイドレーションタイプ

ハイドレーションとは、バックパック内部に入れた水筒にチューブを取り付け、口元まで飲み口のバルブを伸ばしたものになります。

歩きながらいつでも水を飲むことができ、体の水分不足を予防しやすい。水漏れや補給のしやすさを考え、各部にアイデアを盛り込んださまざまなモデルが登場しています。一般的に多いのはフィルムなどを使った柔軟な水筒とチューブの組み合わせたものです。

ハイドレーションは、いつでもどこでも給水ができるのでとても便利です。その反面で、特殊な形状をしているので、選ぶ際にはあらかじめ特徴を把握しておいた方がトラブルは少ないです。

行動中はいつでも給水ができる

ハイドレーションは、歩行を止めて水筒を取り出すというアクションが必要ないため、いつでもどこでもすぐに給水できるのが魅力です。トレイルランニングや厳しい山道での登山に最適です。

ボトルに取り付けられるチューブも市販されており、誰もが手軽に使えるようになっている。

テント場や小屋では使いにくい

行動中は使いやすいが、テント場や小屋の中ではチューブが邪魔になり、少々やっかいです。水タンクとチューブが取り外せないタイプよりも、分離できる物が良いです。

なので、空になったペットボトルも携行しておくと便利です。サブの水筒として持ち運び、水の量を調整するのにも便利です。ペットボルトであれば、わざわざ他のボトルを購入する必要はありません。

あと、水の入れ口は大きい方がラクに水を補給することができ、掃除も簡単です。

熱や寒さには弱い

ハイドレーションは、熱には弱いので、温かい飲み物を入れて使うことは難しいです。

また、冬期は凍結の恐れがあり、チューブやフタが開かなくなることも珍しくありません。水が飲めなくなるばかりか、フタが開いたとしても氷のように冷たい水は飲むと体が冷え行動能力を低下してしまいます。

飲み物の温度を長い時間保つ場合には、やはり保温ボトルが最適です。温かい飲み物は心身に活を与えてくれます。

クリーニングが難しい

ハイドレーションは特殊な形状から、タンクやチューブはとても洗いにくい。細かい部分まで、きれいに掃除するためには、専用の器具や薬剤も必要になります。
なるべく内部の掃除もしやすい、水の入れ口が大きいタイプを選んでおくと良いです。

水筒の内部のクリーニング方法

水筒類は使用後の洗浄がとても厄介になります。広口のボトルでも手を底まで入れて洗うことは難しく、次第に汚れが蓄積していきます。時々、熱湯で滅菌すると良いが、高温には耐えられない素材もあります。その場合、専用の器具や薬剤を使うと効果的です。

内部に水分が残り、不衛生になりがちなハイドレーションは、チューブを洗う専用ブラシがあります。綺麗な状態で長く使用するためには持って置いた方が良いです。

水筒内の洗浄するタブレットは、内部を洗いにくいフィルム状の水筒や細口のボトルに使えば、清潔さをキープできます。1つずつ小分けにされており使いやすいです。

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。