登山によるむくみの原因は8つ!むくみ予防とむくんだ時の対処法まで解説

皆さんは登山の最中や下山後にまぶたや手足がむくんだ経験はありませんか?

あります!下山した後、気がついたら靴の締め付けを感じるほどむくんでたんですよ。

私もあります!顔がパンパンになっててびっくりしました・・・。

普通の道を歩くことはむくみ防止に効果的ですよね?
でも登山においては様々な要因があってむくみが発生することがあるんです。

むくみ、地味にツラいですよね?症状が進むとむくみが治まるのに数日かかることも有り得るんです。

本記事では、登山によって生じるむくみの原因と対策について解説します。

これから登山に行く方や既に症状が出てしまったという方は、対策を万全にしておきましょうね!

登山でむくみが生じる原因8つ

むくみ(浮腫)とは?
・身体の一部分(主に手足と顔)に余分な血液・リンパ液・老廃物などが蓄積され、腫れる
むくみの有無の確認方法
・顔:鏡を見た時に顔が平時より大きくなったと感じる
・手:指輪が抜けにくくなる、握る動作がしづらく感じる
・足:平時に比べて足首が太く見える、脛(すね)を手の指で押すと表面が凹んだままになる

登山におけるむくみには原因が8つ考えられます。

①長時間の立位(重力)

登山は当然ながら長時間立って歩き続ける行為です。

重力によって血液・リンパ液が下半身に溜まり、上半身に戻りにくくなってきます。

そのため、足首やふくらはぎにむくみが生じるということですね。

②脱水

登山では、意識していなければ水分補給がおろそかになりがちです。

知らず知らずのうちに脱水状態になっていることも有り得ます。

脱水になると、抗利尿ホルモンという尿を減少させるホルモンが分泌されます。

身体が排尿を妨げようとするため、体内に余分な水分が溜まってむくみになります。

③激しい有酸素運動

息切れするほど激しい運動をすると、副腎(腎臓の上の小さな臓器)からアルドステロンという抗利尿ホルモン(尿を減少させるホルモン)が分泌されます。

こちらも身体が排尿を妨げようとするため、むくみにつながります。

④標高が高いことによる低酸素の影響

標高が高い場所では息切れしやすくなり、アルドステロンが分泌されやすい傾向があります。

低酸素の影響で運動強度が上がるので、脱水にもなりやすいです。

つまり、原因②と原因③が絡んでくるのでむくみやすいのですね。

⑤エネルギー不足

登山中適切に食事(主に炭水化物)を取らないままだと、腎臓に負担がかかってむくみにつながります。

登山で腎臓に負担がかかる理由
・長時間の運動により、腎臓に回る血液が減少
・代替燃料として筋肉のたんぱく質が分解される際、腎臓で処理・尿として排泄されるべき有害物質が発生
 →これらの流れが滞り、悪循環になっていく

⑥筋肉痛

激しい運動では乳酸が発生します。

乳酸は血液やリンパ液の循環を阻害するのです。

⑦装備品や服装による締め付け

肩に食い込むほどの重いザックを背負ったり、締め付け感のあるウエアを着用したりすると、血液とリンパ液の循環が悪くなりがちです。

⑧女性ならではの原因4つ

登山では特に女性がむくみに悩まされることが多いです。

理由は以下の4つが挙げられます。

1.女性ホルモンの影響で定期的に体が水分を溜め込もうとする期間がある

女性ホルモンは月経周期によって分泌される物質が定期的に変化します。

排卵期から月経前にかけての高温期は、身体が栄養を溜め込もうとするためむくみやすくなります。

2.筋肉量が少ない

女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、末端部分に溜まった血液とリンパ液を心臓に戻す力が弱いと言えます。

3.男性に比べて体力が少ない傾向

女性は体力において男性よりも少ない傾向にあるため、同程度の運動に対しての身体への負担感が強く感じられます。

ゆえに、むくみ原因③につながるということですね。

4.トイレをなるべく避けたい心理から、水分補給を控えがち

女性の心理として、屋外のトイレを利用する頻度をなるべく控えたい気持ちがあります。

そのため、水分補給を意図的に減らすことになりがちです。

登山によるむくみを予防するための対策7つ

それでは、どうすれば登山によるむくみを予防できるのでしょうか?

対策方法は7つあります。

①自分のペースで歩く

マイペースに歩くというのは、心拍を上げすぎない程度のペースを保つのがコツです。

登りのきつい箇所では難しいですが、楽に歩ける場所は歩調を気持ち少し落としてみるのが良いでしょう。

②こまめな水分補給

登山は歩みを進めることに集中しがちです。

喉の渇きに気づいてないことがあるので、意識して定期的に水分補給をしましょう。

登山中に必要になる水分補給量の求め方
補給量(ml)= 脱水量(ml)✕ (0.7~1.0)- 朝食で摂取した水分量(ml)
脱水量(ml)= 登山者の体重(kg)✕ 行動時間(h) ✕ 5(ml)


ただし、整備されている登山道を軽装で標準的なペースで歩く場合に限るため、

・汗っかきである
・夏場や冬場

の場合は、1時間当たりの脱水量を表す「5(ml)」という係数を適宜調整しましょう。
参考資料:日本スポーツ振興センター「登山の運動生理学とトレーニング」

汗をかくと塩分も出ていくので、塩飴やスポーツドリンクを活用すると良いですね。

③トイレがあれば、その都度利用する

むくみは体内の循環障害が原因なので、排泄も大切です。

体内の水はけを良好に保つためにも、トイレに差し掛かったら都度利用しましょう。

④炭水化物の補給

これは、登山むくみ原因⑤エネルギー不足の予防です。

日常生活における食事の時間を守ると、登山ではエネルギー補給が追い付かなくなります。

1~2時間おきに、炭水化物中心にエネルギー補給をしましょう。

以下に携行食の例を記載しておきます。

登山中のエネルギー補給に便利な携行食の例
・ゼリー飲料
・「栄養補給食品」と呼ばれる食品
・羊羹(ようかん)
・高カロリーなチョコレート菓子
・魚肉ソーセージ
価格1,008円(168円/個)
パッケージ重量1.19kg
内容量6個入×1箱
備考マスカット味
価格2,197円
パッケージ重量1.13kg
内容量4本入(80g) ×12個(4種×各3個)
備考フルーツ味・チョコレート味・チーズ味・メープル味
価格4,480円
パッケージ重量1kg
内容量5個入×10箱セット
備考栄養補給特化された羊羹
価格648円(32円/個)
パッケージ重量0.49kg
内容量21g×20個
備考チョコレート菓子
価格1,000円(200円/個)
パッケージ重量1.47kg
内容量280g×5束
備考簡単に開封できる魚肉ソーセージ

⑤筋肉疲労を軽減するための歩き方をマスターする

登山でいちばん筋肉のダメージを受けるのは、脚に大きな負荷をかける下りです。

トレッキングポールの使用や、同じ筋肉ばかりを使わないよう、身体の向きを変えながら下るのが効果的です。

むくみ防止になる歩き方
上りも下りも、足裏全体で着地することを心掛けましょう!
つま先に体重が集中するような歩き方をすると、ふくらはぎに過度の負担がかかって筋肉疲労の度合いが増します。

⑥高山では低山よりペースを落として歩く

空気の薄い高山では、普段のペースで歩くと身体への負担が増えます。

深呼吸を意識しながらゆっくり歩きましょう。

また、リフト・ロープウェイ・車で一気に高度が上がった場合、その標高の地点で30分~1時間程度ゆっくり過ごして身体を順応させておきましょう。

むくみ防止ももちろん、高山病の予防にもなります。

⑦普段からトレーニングしておく

基礎代謝を高めておくのも有効なむくみ対策です。

具体的には以下の2つです。

  • 筋力・持久力を鍛えるトレーニング
  • 低山歩き

登山中や下山後のむくみの対処法5つ

事後の対処法としては、5つ挙げられます。

動画内では2分半から6分38秒にかけて事例が説明されています

①リンパマッサージ

マッサージは別の人からしてもらうと効果的です。

ひとりの場合は、むくんだ部分をもみほぐすだけでも不快感が和らぎます。

②むくみがある箇所を高い位置に上げる

理想は心臓よりも高い位置です。

寝転ぶと楽に上げることができます。

この状態で四肢の末端を動かすと、筋肉の緊張がほぐれて血流が改善します。

宿泊込みの登山時に有効です。

③市販のサポートタイツやストッキングの着用

適度な圧迫でむくみを解消するサポートタイツやストッキングの着用も効果的です。

当然締め付け感があるので、身体のコンディションを加味し、着用するか判断しましょう。

④湯船にゆっくり浸かる

入浴で身体を温め、血流を改善させる方法です。

リンパマッサージや筋肉のもみほぐしも行うと、一層効果的です。

⑤むくみ解消効果のある食品を摂取する

  • ウーロン茶
  • 緑茶
  • バナナ(下山後が無難)

お茶のポリフェノールと利尿作用がむくみには効果的です。

バナナはカリウムが多く含まれるので登山後に摂取する方が安心です。

まとめ

登山におけるむくみに関してまとめると以下のようになります。

登山におけるむくみの原因
①長時間の立位(重力)
②脱水
③激しい有酸素運動
④標高が高いことによる低酸素の影響
⑤エネルギー不足
⑥筋肉痛
⑦装備品や服装による締め付け
⑧女性ならではの原因4つ
登山によるむくみの予防策
①自分のペースで歩く
②こまめな水分補給
③トイレがあれば、その都度利用する
④炭水化物の補給
⑤筋肉疲労を軽減するための歩き方をマスターする
⑥高山では低山よりペースを落として歩く
⑦普段からトレーニングしておく
登山中や下山後のむくみ対処法
①リンパマッサージ
②むくみがある箇所を高い位置に上げる
③市販のサポートタイツやストッキングの着用
④湯船にゆっくり浸かる
⑤むくみ解消効果のある食品を摂取する

一旦むくみが生じると、改善に長くて数日かかることもあります。

対策を万全にして、楽しく快適に登山しましょう!

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。