登山していると、急な悪天候に遭遇することはよくありますよね。
せっかく楽しい登山なのに、登山靴が中まで濡れてしまっては楽しさ半減です。そんな時に防水スプレーの購入を考えることも。
防水スプレーって種類が多くて何が良い物なのかちょっと、分かりません。
選び方にポイントがあるんだよ。選び方や使い方を見ていこう。
種類別におすすめの商品も紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
登山靴の防水スプレーは素材によって使いわけよう
「防水スプレー」は3種類のタイプがあり、タイプによって使うスプレーを選びます。それぞれの成分の特徴について知っておきましょう。
- 【フッ素成分】配合スプレー
- 【シリコン成分】配合スプレー
- 【フッ素成分+シリコン成分】配合スプレー
登山靴専用のスプレーではなく、素材によって使い分けます。成分の種類によって、合う素材と合わない素材が存在します。
使いたい素材を確認して、迷いを無くしておきましょう。
スプレーの特徴一覧
さきほど紹介した、3種類のスプレーの特徴を一覧にまとめました。
▼特徴一覧
防水スプレーのタイプ | 【フッ素成分】配合 | 【シリコン成分】配合 | 【フッ素成分+シリコン成分】配合 |
特徴 | ・防水 ・防汚 ・シリコンより防水効果は弱い ・汎用性が高い | ・フッ素成分より防水効果は高い ・通気性を損なう ・油汚れに弱い ・シミになりやすい | ・(フッ素成分+シリコン成分)の混合 ・シリコン成分の効果【防水】 ・フッ素成分の効果【防汚】 ・通気性を損なう |
持続力 | △ | ○ | △ |
使える素材 | 一般的な衣類から靴やカバンなど全体的に使える物が多い | レインウェアや傘、キャンプ用テントなど防水性がメインの物 | ある程度の防水性、通気性を維持したい物(ゴアテックス以外) |
次はスプレーの特徴と種類を詳しく見ていきましょう。
【フッ素成分配合】のスプレーは全般的に使いやすい
フッ素成分配合のスプレーは、ほとんどの衣類に使用可能です。素材の繊維1つ1つをコーティングするので、撥水力が高いのが特徴です。
ただ、シリコン成分に比べて持続力が弱いので、まめなスプレーが必要になってきます。
透湿性の素材にも対応しているので、ゴアテックス素材にも使用できるのが魅力の一つです。
【シリコン成分配合】のスプレーは防水性が抜群
シリコン成分配合のスプレーは、レインウェアや傘、テント、他にも雨靴など防水機能メインの物に向いています。
素材の生地の表面をコーティングして高い防水性を発揮。ただ、シリコン成分は油膜なので、油汚れに弱い特徴があるんです。
また、表面をコーティングするので、ゴアテックスなど透湿性のある素材には向いていません。
【フッ素成分+シリコン成分】配合スプレーはハイブリッド型
特徴は「フッ素の成分」と「シリコンの成分」両方の良いところを配合。主に防水効果と防汚効果が期待できます。
通気性を維持したい素材にも使用できますが、配合されているシリコン成分が原因で効果が薄れてしまう可能性もあるので注意が必須です。
ゴアテックスなどの透湿性の素材には、使用はしない方が無難です。
使いたい物の素材によって種類を変えてしっかりと防水効果を実感してください。
3種類の防水スプレー【おすすめ順】
登山靴に使うなら、おすすめは下記の順番になります。
- おすすめランキング
- 1.フッ素成分配合スプレー
2.フッ素成分+シリコン成分配合スプレー
3.シリコン成分配合スプレー
フッ素成分配合のスプレーをおすすめする理由
登山靴にフッ素成分配合のスプレーをおすすめする理由は次の2つです。
- 使える素材が多い
- 汎用性が高く、登山靴以外にも使える
本格的な登山になれば、それなりに揃える物も出てくるでしょう。アウトドア初心者や普段使いにも出来る点がおすすめの理由です。
『防水性が第一』と考える場面なら、シリコン成分入りを選ぶと良いですね。
【使用方法】新しい靴と使用後の靴の場合
お目当ての防水スプレーが決まったら、次は使用方法です。せっかく使うなら、正しいやり方で防水効果を高めたいですね。
スプレー使用時に注意するべきことも後ほど、お伝えします。
『新しい靴』と『使用後の靴』とで使い方に大きな変わりはありません。スプレー前の手順が少し変わる程度なので簡単です。
新しい靴の場合
新しい靴は、購入後すぐに全体的にふりかけるようにしましょう。スプレーした後はしっかり乾燥させることで効果を発揮します。
使う直前だと、効果が半減してしまうこともあるので、時間に余裕をもっておくと良いですね。
使用後の靴の場合
使用後の靴は、クリーナーなどで汚れをしっかりと落とし、乾いてからスプレーを使っていきましょう。
スプレーをした後は新しい靴の場合と同じように乾燥させておきます。
使う時の注意点
気をつける点として、防水スプレーは間違えて吸い込むと【呼吸困難】【肺炎】の原因になります。
スプレーによる事故情報も、毎年出ていますので、自分が思う以上に要注意です。
使用上の注意点
・必ず屋外で使用
・周りに人がいない場所で、風上で使う
・マスク着用
・一度に大量に使用しない
正しい手入れの知識は自分や周りの人の健康を守るためにも必須です。
靴の手入れも素材によって違います。正しいケアの方法も知っておくことも安心につながります。
登山靴メンテナンスや保革の方法など参考になる記事をご紹介。ぜひ読んでみてください。
おすすめの防水スプレー【種類別】
人気の商品を成分の種類別で紹介します。
タイトル | |||
メーカー | コロンブス | コロニル | ネバーウェット |
商品名 | アメダス | ナノプロ | ネオ |
主な成分 | フッ素樹脂 石油系炭化水素 第4類第1石油類 | フッ化炭素樹脂 シリコン樹脂 | 合成樹脂(シリコーン) 有機溶剤 |
内容量 | 420ml | 300ml | 325ml |
主な特徴 | 防水と防汚効果が高い | ナノ粒子加工で防水性を高めている | シリコン成分で強力な防水性 |
使える素材 | レザー(革)・天然皮革・その他の革製品 スエード・ヌバックなどの超毛革 防水透湿性素材 ポリエステル キャンバス生地など布製品 | レザー(革)・天然皮革・その他の革製品 スエード・ヌバックなどの超毛革 防水透湿性素材 ポリエステル キャンバス生地など布製品 | レザー(革)・天然皮革・その他の革製品 スエード・ヌバックなどの超毛革 エナメル ポリエステル キャンバス生地など布製品 |
使えない素材 | エナメル | エナメル | 防水透湿性素材 |
おススメ度 | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
その他 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
おすすめ①【フッ素成分配合】スプレー
コロンブスのアメダスがフッ素成分配合の商品でおすすめです。
アメダス防水スプレー
アメダスは防水・防汚効果が高めなのが特徴で、長く愛用している人も多い人気商品なんです。通気性も保ってくれますので、透湿性のある靴にも使用できます。
登山用品以外にも使用できる範囲が広ので、普段使いも重宝すること間違いありません。
乾く時間も約15分となっているので、急いでいる時にも便利です。
付着率が高くなるようにLPガスを使用し、スプレーをかける時もムラになりにくくなっています。
内容量 | 420ml |
成分 | フッ素樹脂 石油系炭化水素 第4類第1石油類 |
使える素材 | レザー(革)・天然皮革・その他の革製品 スエード・ヌバックなどの超毛革 防水透湿性素材 ポリエステル キャンバス生地など布製品 |
使えない素材 | エナメル |
特徴 | ・防水と防汚効果が高い ・フッ素成分の機能は通気性も維持してくれる ・一般的な素材はほとんど使用できる ・LPガス使用で付着率が高い ・通常より粒子径が大きく設計されており、安全性も高い |
防水や泥汚れの防止もできて、価格も手が出しやすい設定ですね。
▼クチコミ
日本製アメダスの良さを詳しく解説してくれている動画がありました。防水スプレーを使う時の注意点も分かりやすく説明してくれています。
おすすめ②【フッ素成分+シリコン成分】配合スプレー
コロニルのナノプロがハイブリッド型でおすすめです。
コロニル|ナノプロ[フッ素系・シリコン系]
コロニルは、ドイツの有名な会社のトップブランドです。ナノプロも世界各国で愛されている商品で、透湿性素材にも使用ができます。
内容量 | 300ml |
成分 | フッ化炭素樹脂 シリコン樹脂 |
使える素材 | レザー(革)・天然皮革・その他の革製品 スエード・ヌバックなどの超毛革 防水透湿性素材 ポリエステル キャンバス生地など布製品 |
使えない素材 | エナメル |
特徴 | ・ナノ粒子加工で実現された防水性の高さ ・微細な凹凸を表面に作り、水分がしみ込みにくい |
▼クチコミ
おすすめ③【シリコン成分配合】スプレー
ネバーウェットのネオがシリコン成分配合で、おすすめです。
ネバーウェット|ネオ
ネバーウェットのネオは、シリコン成分を配合し、素材の表面に作るバリア層で強力に撥水します。
防水力はとても高いですが、乾燥させる時間が24時間と長めなので、使用前は時間に余裕をもっておく必要があります。
内容量 | 325ml |
成分 | 合成樹脂(シリコーン) 有機溶剤 |
使える素材 | レザー(革)・天然皮革・その他の革製品 スエード・ヌバックなどの超毛革 エナメル ポリエステル キャンバス生地など布製品 |
使えない素材 | 防水透湿性素材 |
特徴 | ・シリコン成分の強力な防水力 ・雨靴や傘などの防水性をアップ ・乾燥時間が24時間 ・防水透湿性素材は使用できない |
▼クチコミ
紹介した3つのスプレーは、とても人気が高く、Amazonサイトや楽天サイトの「防水スプレーの人気ランキング」でも上位に入っている商品ばかりです。
上記で紹介したスプレー以外でも防水スプレーの特集なども参考に、自分の登山靴に合う物を見つけてくださいね。
ゴアテックス素材の登山靴に防水スプレーは必要?
ゴアテックス素材のシューズでも防水性が低下しているなら防水スプレーは効果的です。
ゴアテックスなどの防水透湿性素材も経年劣化によって、機能が低下していきます。防水性が低下しているなら防水スプレーは大いに役立ちます。
ゴアテックスなどの防水透湿性素材には、フッ素成分配合の方を使用してくださいね。
ゴアテックスの防水機能の低下は、汚れが原因の場合もあるので、一度綺麗に洗うと機能が回復することもあります。
洗ってもダメなら、防水スプレーで快適差をキープしましょう。
防水スプレーの他にも天気の変わりやすい登山に関連するアイテムに雨具があります。おすすめの雨具を紹介していますので、参考にしてください。
まとめ
登山靴に使う【防水スプレー】は3種類と説明しました。
- フッ素成分配合スプレー
- シリコン成分配合スプレー
- フッ素成分+シリコン成分配合スプレー
靴の素材によって合う、合わないがありますので、確認が必要です。
また、スプレーの使用時は注意事項をよく確認して安全に使用する必要があります。
防水スプレーは正しい選び方と使い方で、とても便利で快適な状態を作り出してくれます。
足元のケアは必須ですよね。みなさんがスプレーを選択する時の参考になれば幸いです。
- てくてくの人登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。