登山靴をウルトラライトする方法!軽くて通気性が高いローカットシューズを

登山靴をウルトラライトする方法!軽くて通気性が高いローカットシューズを

登山やハイキングは、歩くことが基本です。近郊の山を散歩することも、あの山の向こうまで旅をするよう歩くことも、距離こそ違え、歩くには違いありません。

背中の荷物を思い切って軽くするウルトラライトハイキングでは、より快適に、より自由に、そしてより遠くまで歩くことができます。荷物が軽いことは、歩きにも影響します。

登山やハイキングでは、ハイカットブーツを選ぶのが一般的です。しかし、ウルトラライトハイキングでは、トレイルランニングシューズなどのローカットシューズが好まれます。どちらを選ぶかはハイカーの自由ですが、それぞれの特徴や背景を知ることで、より自分の歩き方に合ったシューズが選べるはずです。

ここでは、登山靴をウルトラライトにする方法を紹介します。ハイカットシューズが必要な状況、ローカットシューズの特徴、ローカットシューズの歩き方、おすすめなローカットシューズなどをまとめています。

ハイカットシューズが必要な状況

ハイカットブーツの特徴は、厚いソールとしっかりと足首までおおう防水処理が施されたアッパーがあります。足首と足底が固定されるハイカットブーツは、通常とは異なる環境を歩くために作られた靴になります。

ハイカットブーツは、登山という岩稜や氷河のある過酷な環境下で誕生しました。

登山靴は、ヨーロッパアルプスで誕生し進化してきました。岩稜と氷河をいだくヨーロッパアルプスでは、山頂に立つためには一年を通じて岩を攀じ登り、氷河を渡らねばなりません。硬く曲がりにくいソールなら、岩稜の細かいスタンスにもしっかり足がのせられます。
また、足首が固定されているため、つま先立ちをしてもふくらはぎは疲れにくいのです。氷河を渡す際に必要なクランポンもしっかりと固定でき、雪壁を蹴り込んで足場をつくるのにも役立ちます。ロープ等の登攀道具で重たくなったバックパックを背負い、石がゴロゴロした不安定な足場を歩く際は足底や足首が安定します。

このように、登山靴は元来、重い荷物を背負い、岩稜と氷雪を登る際に効果を発揮する靴です。そのため、足首と足底がしっかりと固定されている作りになっています。

ハイカットブーツはこのような状況のときに特性が発揮されます。

  • クランポンが必要なとき
  • キックステップを多用するとき
  • 15kgを超える重い荷物を背負うとき
  • どうしても足元に不安を感じるとき

ちなみに、多くのハイカーが、捻挫の予防にハイカットブーツを選ぶことが多いですが、捻挫を防ぎたいならテーピングをしっかりと足首を固定するべきです。ハイカットブーツを履いているのに捻挫してしまった登山者やハイカーは多いです。

ウルトラライトハイキングに適したシューズ ローカットシューズの特徴

ローカットシューズの特徴は、親指の付け根で適度に曲がる柔らかさのソールと、通気性の高いアッパー、そして自由に動く足首です。
もちろん、シューズ自体も軽く、ハイカットブーツ比べると、その自由度と快適さは非常に高いです。ランニングシューズやトレイルランニングシューズはもちろん、他のスポーツ用シューズの大半は、ローカットシューズになります。

では、ローカットシューズは、山道には適さないのでしょうか。ローカットシューズを選ぶと、どのようなメリットがあるか見えていきましょう。

とにかく軽い

ローカットシューズ最大のメリットは、一歩一歩が軽いことです。足に重りをつけて歩くことをイメージすると、軽さによるメリットが理解しやすいです。
ハイカットブーツは軽いものでも片足で700g程度ありますが、ローカットシューズなら350g以下のものがほとんどです。中には250g以下という超軽量モデルもあります。たかが数百グラムですが、機能面でも精神的にも、軽さがもたらす軽快さは計り知れないものがあります。

ソールの柔らかさ

近年、ハイカットブーツにはかなり柔らかいモデルもありますが、それでもくるぶしやすねへの当たりが気になる人は多いです。柔らかいハイカットブーツでも靴擦れをつくってしまった覚えはないでしょうか。
ローカットシューズは、くるぶしやすねが擦れないだけでなく、柔らかいメッシュアッパーにより足入れ感が柔らかく、靴擦れの可能性を大きく減らします。

通気性の高いアッパー

ハイカットはシューズは、足裏は多くの汗をかき、靴には熱や湿気がこもりやすい。これが、マメの原因になったりします。
ローカットシューズは、通気性に優れたメッシュアッパー製が多く、さらに足首は締めつけられていないため、そこから熱や湿気を逃してくれます。シューズ内をなるべくドライに保って冷やすことは、長時間・長距離の歩行では靴擦れやマメといった足のトラブルを避けるには、とても重要です。

無雪期のハイキングなら、防水性よりも通気性を重視するという選び方もあります。通気性が高いということは、濡れても乾きやすいということです。

ダイレクトに伝わる足裏感覚

適度なクッション性と屈曲性があるローカットシューズのソールは、ハイカットブーツに比べ、圧倒的に足裏感覚がいいです。
どういった場所に足を置いているかを感じることができるのでき、足の運び方や置き方などを考えるようになります。さらに、足裏に大地を感じながら歩くことは、自然とつながりを感じられます。地面からの突き上げ感もたしかにありますが、ソールの厚さなどを考慮し、自分にとってバランスのよいシューズを見つけましょう。

疲労しにくく歩きやすい

ソールが柔らかく、足首が自由に動かせるシューズを履くと、ハイキングでも普段どおりに歩けます。いつもと同じ自然な速度、自然な動きによる歩行はストレスがなく、疲労しにくいです。また不整地でも足裏全体をしっかりと使って歩くことができます。

自然へのインパクトの軽減

重いシューズに比べ、ソールが柔らかいローカットシューズは、トレイルへのインパクト軽減にも役立ちます。軽い荷物と柔らかい足元は自然にとても優しいです。
軽い荷物を背負ってトレイルを歩くだけなら、ローカットシューズで十分です。無雪期のウルトラライトハイキングは、ローカットシューズが活きるスタイルです。

ローカットシューズのデメリット

ローカットシューズは軽くなればなるほど素足に近くなります。歩行が自然に近く反面、シューズには頼れなくなります。ハイカットブーツに比べれば、耐久性も劣ります。山用に設計されたトレイルランニングシューズでも、走行距離500km前後を境にソールやアッパーにトラブルが生じ、機能が落ちていきます。足の保護能力も低いので、足元に注意することを習慣づけねばらりません。

そのため、ザレ場や岩稜ではやや不向きと言えます。それでもローカットシューズのメリットはこうしたデメリットを補って余りあります。だからこそ、多くのハイカーたちが、ローカットシューズを履いて、砂漠から残雪の山々まで歩いています。

ローカットシューズの快適な歩き方

無雪期のハイキングでは、ローカットシューズは自由で軽快な歩行を約束してくれますが、それを生かす歩き方もあります。

まず、大事なのは、ストライドではなくピッチを意識することです。大きなストライド歩くには強い筋力が必要になります。ストライドをのばすための強い蹴り出しは、ふくらはぎへの負担を大きくします。ハイキングは短距離走ではないので長時間故障なく歩くには省エネが大事です。
そのためピッチを意識して無理なく歩きましょう。速すぎても遅すぎても疲れてしまいます。普段歩く際のピッチである1分間に100前後です。それを維持するため小さな歩幅でリズミカルに歩きましょう。
日本の山の急な登りは、階段状の直登トレイルが多いです。段差もまちまちな急な登りでこそ、ピッチを意識して歩くと威力を発揮します。

また、心拍にも意識をすると良い。心拍数を上げすぎないことは非常に大切です。登山やハイキングで、心拍計をつけるほどのことはありませんが、普段のランニングなどのトレーニングで、心拍数を把握しておくと自分の余力が分かるようになります。体力の無駄な消耗を避け、目的地までゆとりをもって行動できます。

あと、つま先の向きにも注意しましょう。つま先は進行方向にまっすぐ置きます。つま先と膝の向きを揃えると力が逃げにくく、膝への負担も軽減できます。そして、登りでも下りでも足裏でしっかりと地面を踏めるはずです。

さらに、長距離・長時間のハイキングでは、股関節から足を動かすようにイメージして歩いてみましょう。
ふくらはぎなど身体の一部分ではなく、股関節など身体の中心に意識を集中すると、大腿部や臀部などの大きな筋肉を使えるようになります。ふくらはぎが疲れたら大腿部を意識する。使う筋肉を意識をし、状況によって歩き方を変えると、ローカットシューズによる歩行がさらに快適になるはずです。

ウルトラライトにおすすめなローカットシューズ

アルトラ ローンピーク1.5

アルトラ ローンピーク1.5のイメージ
重量280g(10.5インチ)
値段14,364円(税込)

長時間のレースでも快適に保つ履き心地をさらに高めた最強のウルトラトレイル・シューズ。アルトラで人気の高いローンピークの特徴である。ワサッチレンジを100マイル(160キロ)を走破するための強度と快適性を提供し、スムーズで安定したランニングをサポートします。

「アルトラ ローンピーク1.5」の詳細・購入ページへ

ルナサンダル  オソフラコ

ルナサンダル  オソフラコのイメージ
重量204g(9片足)
値段12,500円(税別)

ランニングからビーチまで使える汎用性の高いサンダル。どんな地形でもしっかりグリップするルナサンダル シリーズの中でも最も多用途なサンダルです。滑りにくいビブラムのグリップソール採用で、しっかり体を支えてくれる。軽量なのでトレッキングのアプローチ用としても重宝します。

「ルナサンダル  オソフラコ」の詳細・購入ページへ

イノヴェイト トレイルロック G 280

イノヴェイト トレイルロック G 280のイメージ
重量300g(27cm片足)
値段18,700円(税込)

悪条件なトレイルにも対応可能なトレイルロック。かかとの衝撃吸収力が最も高く、アッパーの耐久性も高いことから、比較的経験が浅い長距離レーサーやトレイルラニング初心者に適したシューズになってます。

「イノヴェイト トレイルロック G 280」の詳細・購入ページへ

モントレイル マウンテンマゾヒスト4

モントレイル マウンテンマゾヒスト4のイメージ
重量347g(片足)
値段16,500円(税込)

軽さに加え、反応がよいことからトレイルランナーから絶大な信頼を寄せられているロングセラーモデルです。荒れた路面でも抜群のサポート性と安定性を提供してくれます。

モントレイル マウンテンマゾヒスト4」の詳細・購入ページへ

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てくてくの人
登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。