調理道具の主役といえばクッカー・コッヘル。
クッカー・コッヘルをはじめとした調理道具を持っていけば、山で温かい飲み物、おいしい食事など山ごはんを楽しむことができます。まさに至福。
そんな山中で使用するクッカー・コッヘルは、軽量性と料理のしやすさがとても重要になります。素材や形状やサイズなどを検討し、目的に合わせてバランスをとりつつ選んでいく必要があります。
そこで、ここでは、クッカー・コッヘルの種類・選び方、取っ手・ふたや加工方法などの機能・性能、目的別のおすすめクッカー・コッヘルを紹介していきます。
自分の山行や目的にあったクッカー・コッヘルが見つかるように、登山初心者にも分かりやすく丁寧に解説していきます。
クッカー・コッヘルの種類・選び方
現代のクッカー素材はアルミとチタンが主流。ステンレスも使えるが、重くて焦げやすいため山中で使用するには不向きな素材です。
アルミの利点は熱伝導率の高さ。すぐに温まるので少ない燃料で調理が可能です。一方のチタンは軽いが、やや高価で、熱伝導率が低い。温まるまで時間がかかり、火に近い部分のみ温まってしまい、焦げてしまうこともあります。
浅型は調理がしやすいが、深型はコンパクトにパッキング利点があります。
サイズで選ぶ
クッカーのサイズを決めるのは、まずは使用する人数。さらに料理の種類になります。汁物を大人数分作るには大型クッカーが必要で、ひとりでお湯を沸かすだけなら、カップ程度の大きさでも足ります。ソロ用クッカーのサイズには、ガスカートリッジが収納できる口径が多いです。
形状で選ぶ
浅型
オーソドックスな浅型は開口部が大きく、調理・盛り付けや掃除がしやすい形状だが、ややかさばる傾向があります。大人数でしっかり調理をしたい人向き。
深型
カートリッジなどが収納できコンパクト。底までの距離があり、熱の回りにムラがでやすいので、調理などにはコツが必要になります。収納優先で調理もそこそこな人向き。
素材で選ぶ
アルミ製
安くて扱いやすいアルミはクッカーの主流素材になります。熱がクッカー全体に行き渡り、焦げることが少ないので調理がしやすい。表面に加工を施したものも多いです。ただ、チタン製よりやや重量が増してしまう点がデメリットになります。
チタン製
薄くて硬いチタンクッカーは、軽量だが熱伝導率が低く、炎の近くの焦げつきなどに注意が必要。調理には不向きだが、湯沸かしがメインの方におすすめ。あと、アルミ製よりも高価。
クッカー・コッヘルの機能・性能とは?見極める細部のポイント
形状や素材以外にも、厚さや加工や取っ手・ふたといった機能・性能部分もチェックしておきたい。最近、軽くて薄いものが多いが、料理には厚めの方がいいし、メンテナンスも考えると、表面加工されたタイプが便利。滑り止めなどの機能をもつ、底の加工もあるとうれしいポイントになります。
厚さ
薄いタイプは軽いが、熱や衝撃に弱い。適度に厚い方が長く使えるし、料理もおいしくできます。
底の加工
チタンにアルミを溶射して、熱伝導率の低さ欠点を補ったもの。また、渦状に溝を刻んである。滑り止めのほか、熱伝導率を上げるものも。
表面加工
フッ素樹脂は油なしでも焦げつかないが、高温に弱い。セラミックはフッ素樹脂の反対の性質を持っていて、熱や衝撃に強いが油が必要。
取っ手
直接ついているもの、挟んで使うハンドルなどがある。
ふた
深さがあり、フライパンになるタイプもある。
コーティング加工について
- ノンスティック加工
フッ素加工が有名ですが、焦げ付きにくいのが特徴で調理がしやすくお手入れが簡単です。耐久性が高いとされるセラミック加工も含まれます。 - ハードアノダイズド加工
硬質アルマイト加工のことを言います。表面に酸化皮膜をつくり、腐食や摩耗に対して強い性質を持つので、軽くて硬い・頑丈なクッカー・コッヘルとなります。焦付き防止の性能はありません。 - ATS加工
チタンの弱点である熱伝導性を克服する加工法。チタンのクッカー・コッヘルの底に熱伝導性が高いアルミを吹き付けることで焦付きにくくなります。
おすすめのクッカー・コッヘル
1人の場合
MSR / トレイルライト ソロクックセット
¥8,000(税抜)
素材 | アルミ |
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容量 | 1.3L |
収納サイズ | 直径140×89mm |
重量 | 212g |
調理から直後のお茶まで
調理と食事をまかなえるソロ用セット。1.3Lのアルミ鍋の中に樹脂製のボウルと断熱マグがきれいに収まる。フタには湯切り付き。収納時は折りたたんだハンドルでフタを押さえる
2人以上の場合
スノーピーク / チタンパーソナルクッカーセット
¥7,480(税抜)
容量 | 0.7L、1L |
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収納サイズ | 直径150×100mm |
重量 | 330g |
ソロやカップルにおすすめ
ソロやカップルで使いやすいサイズのセット。開口部が広い浅型で、そのまま食器にしても使いやすい。同型にしても使いやすい。同型のアルミモデルもあり、より積極的に調理したい人にはそちらがおすすめ
ほかのクッカー・コッヘルのおすすめ商品について、以下の記事に詳しくまとめてありますので、合わせて参考にしてみてください。
目的別クッカー・コッヘル!おいしいコーヒーやお酒を飲みたい人はおすすめ
炊飯専用|ほかほかの白米を食べたい方
- トランギア / メスティン
- 熱伝導率が高いアルミ製の飯盒で、火力が弱いアルコールストーブでもおいしくご飯が炊けます。
ヤカン・ケトル|山頂でおいしいコーヒーを飲みたい方
- トランギア / ケトル 0.6L
- 0.6Lはふたり分のお茶・コーヒーを入れるのにちょうどいいサイズ。ハンドルのラバーチューブを外せば焚き火にかけることもできる。
お酒専用|山でお酒・ビールをグビっと楽しみたい方
- スノーピーク / 酒筒(さかづつ)Titanium
- お酒専用のチタン製水筒。シングルウォール構造なので沢水に浸せばひんやりとした冷酒が味わえる。
おまけ:カトラリーやナイフはどういうものがいいのか?
使い勝手のよいものを
どれも軽いので、使いやすさや好みで自由に選んでOK。
ナイフは携行性と汎用性を求めるなら折りたたみタイプのものを。調理するなら、刃渡り10cm程度のペティナイフがおすすめです。
カトラリー
“ブキ”という名前で登山者から親しまれている登山で使う箸や、フォークのこと。
ナイフ
サイズも豊富。フルーツナイフなどの代りにできるコンパクトタイプや、肉を切ったりと豪快に使える大きなサイズまで幅広くラインナップ。
- てくてくの人登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。