富士登山を楽しく快適に登るには、適切な道具を揃えることが大切。
富士山は標高3776mの日本一高い山です。森林限界を超えた環境は、強烈な雨風や日差し、急激な気温変化、岩や砂などの歩きにくい登山道など、とても過酷です。
全てを揃える必要はありませんが、登山に必要な装備・持ち物を最低限用意して挑まないと、いざという時に対応ができません。場合によって、命の危険もあります。
そこで、今回、富士登山における装備・持ち物や服装の準備リスト一覧をまとめました。苦しむことなく登頂できるように、少しでもお役に立てれば幸いです。
富士登山に必要な道具をそろえて快適に!
富士登山なんて簡単に登れると思っている方もいるかもしれません。しかし、富士山は日本一高い山である。相応の厳しさが待ち受けています。
例えば気温。気温は標高が100m上がるごとに0.6℃下がると言われているので、東京が30℃の真夏日でも標高3776mの富士山の山頂は7.5℃しかないことになります。これは東京の冬の平均気温とほぼ同じです。下山後のネガティブな感想の大半は、とても寒かったと言っています。
富士山の厳しさは気温だけではありません。砂と岩が混ざった登山道は歩きにくく、土埃が舞うこともある。五合目以上になると、日差しや雨風を遮るものはほとんどなくなる。など...
富士登山が楽しい思い出になるか、もしくは辛くて苦しい記憶になってしまうかは、適切な装備で快適に登ることができたかによって分かれるところがあります。
装備・持ち物をしっかりチェックして、富士登山に挑みたい。
富士登山の装備・持ち物や服装の一覧リスト
富士登山に用意したい装備・持ち物や服装の一覧です。装備・持ち物の必要度や簡単な説明をまとめてあります。それぞれの詳しい説明は、一覧の下に書いています。
◎=必須、○=あると便利なもの
装備・持ち物名 | 必要度 | 内容 |
---|---|---|
バックパック | ◎ | 30L前後のもの |
レインカバー | ○ | バックパック用のカバー |
登山靴 | ◎ | 自分の足に合うもの |
ヘッドライト | ◎ | 100ルーメン程度のもの |
サングラス | ○ | 紫外線をカットするもの |
マスク | ◎ | またはネックウォーマーのようなものでも |
トレッキングポール | ○ | 折りたたみタイプ収納時に便利 |
スパッツ | ◎ | 砂利侵入防止用のショート丈。防水性はお好みで |
水筒 | ◎ | 保温性があるものなら、休憩時に体を中から温められる |
水(1L) | ◎ | 持ちすぎると重いので、山小屋で買い足す |
行動食 | ◎ | 甘いものや塩気があるものなどお好みで |
地図 | ◎ | 現在地がわかるように。本誌のコピーでもOK |
腕時計 | ◎ | 防水性があるものだと安心 |
ポシェット・サコッシュ | ○ | 山小屋内での移動時の貴重品入れに |
装備・持ち物名 | 必要度 | 説明 |
---|---|---|
ベースレイヤー | ◎ | 日焼け予防に長袖がおすすめ |
ミドルレイヤー | ◎ | 薄手を2枚でも温度調整がしやすい |
アウター(レインウェア) | ◎ | 上下セットで持っていく |
保温着 | ◎ | 薄手のダウンジャケット |
パンツ | ◎ | ストレッチ性、速乾性があるもの |
靴下 | ◎ | 登山用の中厚手のもの |
手袋 | ○ | 防寒用にもつ。防水性のものもいい |
帽子 | ◎ | 日焼け予防と防寒用に2つものもあり |
替えの下着 | ◎ | 速乾性のもの。コットンはNG |
装備・持ち物名 | 必要度 | 説明 |
---|---|---|
現金・小銭 | ◎ | トイレは100円が必要。クレジットカード不可の小屋もあるので多めに持つ |
携帯電話 | ◎ | 携帯電話が通じる箇所があるので、緊急時に役立つ |
充電器 | ◎ | 山小屋には基本的にコンセントはない |
日焼け止め | ◎ | 日焼けは疲労も蓄積する。男性でもマスト |
タオル | ◎ | 薄手のてぬぐいなど乾きやすいもの |
スキンケアセット | ○ | 日焼け、乾燥など肌へのダメージ大 |
汗拭きシート | ○ | 山小屋でさっぱりできる |
ウェットティッシュ | ○ | 洗面所がない山小屋がほとんど。あっても水は貴重 |
ビニール袋 | ○ | 下山時に汚れたものを入れたりなにかと使用 |
S字フック | ○ | 山小屋でちょっとしたものをひっかけておける |
耳栓、アイマスク | ○ | 山小屋での睡眠時に活躍 |
装備・持ち物名 | 必要度 | 説明 |
---|---|---|
保険証のコピー | ◎ | もしものときのために必携 |
ファーストエイドキット | ◎ | バンソウコウ、常備薬など必要最低限のものを |
カイロ | ○ | 御来光待ちの際などにあると嬉しい |
富士登山に必要なリュック・バックパック
手ぶらで富士山に登る人はさすがにいないだろう。飲み水や行動食、防寒着やライトなど、背負う荷物が必ず出てくる。それらを快適に運搬する装備がバックパックになる。これもシューズ同様に、登山専門メーカーのものには重い荷物を背負っても疲れない工夫が随所に施されている。
富士登山に最適な登山リュック・バックパックの詳しい選び方・使い方は、以下の記事にまとめています。合わせてチェックしてみてください。
富士登山に必要な登山靴
富士山では砂と岩の上を歩くことになる。平坦な場所は少なく、登山道には岩場も出てくる。そんな不整地での歩行を快適にしてくれる装備がシューズです。登山専門メーカーが作るシューズは、量販店で販売されている登山靴風のシューズと比べると、履き心地やグリップ力などが優れている。
富士登山に最適な登山靴の詳しい選び方・使い方は、以下の記事にまとめています。合わせてチェックしてみてください。
富士登山に必要な服装・ウェア
富士山は寒いだけではない。日中の行動中には体温が上昇して暑くなる。しかし風に吹かれればそれだけで体感温度は下がり、雲の中で日差しが届かない再び寒さを感じてしまう。汗や雨で衣服が濡れると不快感が高まり、気化熱によって体温が奪われる。
このように目まぐるしく変化する状況に対応するための装備がウェアだ。基本的にはベースレイヤー、ミドルレイヤー、アウターに分けて準備する。異なる役割をもつウェアをレイヤリングすることで、さまざまな気象条件に対応できるようになる。
アウター(レインウェア)
山の雨にも傘ではなく、レインウェア。登山用のもので、ジャケットとパンツに分かれたものが必須。レインコートやポンチョでは雨+風をしのぐことはできません。
ミドルレイヤー
ミドルレイヤーは、フリースなどの保温性が高いウェアの事。標高が上がり、肌寒くなってきた時や休憩時に羽織ると保温性があるので、寒さをしっかりと凌げます。また、ベースレイヤーが吸い上げた熱を拡散・汗を蒸発をしてくれるので、快適に行動することができます。
ベースレイヤー
化繊の吸汗速乾素材で長袖が基本になります。登山の動きや環境を考慮したアウトドアブランドの製品がベストだが、普通のスポーツで使っているTシャツも化繊であれば使用可能。
保温着
山頂の気温は真冬並になるので、ダウンジャケットを持っていくと良い。近年は服のアイテムが豊富なので、普段使っている服を利用して、登山靴やバックパックに予算を使うのもあり。
パンツ
ベースレイヤーと同じく化繊の吸汗速乾素材のものを選ぶ良い。ジャージで登っている人を見かけますが、素材は化繊だが、耐久性・撥水性ではアウトドアブランドの製品に分があります。
富士登山に最適な服装・ウェアの詳しい選び方・使い方は、以下の記事にまとめています。合わせてチェックしてみてください。
富士登山に必要なその他の小物類
富士山の登山道には植物が少ない。五合目以上では日差しをさえぎってくれる背の高い木が一本も生えていないため、紫外線を直接浴びることになる。紫外線の影響は日焼けから、年を経てシミやシワなどで現れるものもある。影響を軽減するためにも、帽子やサングラスを準備しよう。
そのほかに、靴の中に砂利が入らないようにスパッツがあるといい。明け方の暗い登山道を歩くためにはライトが必要になる。
必須装備からそうでないものまで、あると快適さが向上する小物を集めてみた。ぜひチェックしてもらいたい。
ヘッドライト
両手が使えるヘッドライトを選び、明るさは100ルーメンで充分。人のライトに頼らず、必ず自分で用意しましょう。
帽子
つば付きのハットかキャップは紫外線予防に便利。日が暮れた後の行動ように保温性が高いニットを用意しましょう。
サングラス
紫外線は白内障の原因になります。影響が強くなる高所ではサングラスを着用しましょう。
ヘッドウェア(パフ・ネックウォーマー)
ヘッドウェアであるパフは、ネックウォーマーにして口元を覆えば、土ぼこりも防ぐことができ便利アイテムです。
タオル
マフラーにもなるオリムのたおるマフラーはおすすめです。防寒にも役立つし、土ぼこりから口元を防ぐこともできます。
トレッキングポール
ポールがあると、下山時にバランスがとりやすくなります。ひざへの負担も減るので用意したいアイテムです。
手袋・グローブ
手袋は防水性があってもなくても装着するだけで手元を温めることができます。必ず準備しましょう。
スパッツ
スパッツは小石の侵入を防いでくれます。ロングサイズのスパッツを選ぶ必要はありません。シューズの履き口が隠れるショートサイズで充分です。
靴下
素材はウールがおすすめ。シューズを試し履きしたときにはいた靴下の厚さと同様の商品を購入しましょう。
- てくてくの人登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。