普段から朝ごはんは大切と言われていますが、登山の朝食はもっと重要です。
登山の朝ごはんが重要とわかっていても、普段と同じでいいのか…何を食べたらいいのか…と迷ってしまいますよね。
登山では、栄養補給の判断ミスが命の危険につながることもあります。
この記事では、登山の朝ごはんはなにを食べたらいいのか専門用語を使わずにわかりやすくお伝えします!
登山が趣味の管理栄養士さんが栄養学に基づく登山の朝ごはんについて教えてくれた内容になっています。
記事の最後にはテント泊におすすめの軽量朝ごはんも紹介するので、ぜひ最後までお楽しみください。
登山の朝ごはん|糖質メインのおにぎりが最適!

山登りの朝食は、おにぎりやパン・麺類を中心に、しっかりとバランスがとれた食事にすることが重要です。
特に、たらこ・昆布・豚みそを具として入れた玄米おにぎりは登山に最適な栄養素が詰まっています。
玄米は食べづらさを感じる方も多いので、白米と玄米1:1で混ぜ合わせると食べやすくなります。
最初から玄米と白米がブレンドされている商品もあります。
300gから注文できるので、お試しで買ってみるのもいいですね!
▼無洗米 玄白飯
商品名 | 無洗米 玄白飯 |
量 | 300g |
価格 | 450円 |
浸水時間 | 白米同様 30分〜60分 |
炊き方 | 白米同様 炊飯器OK |
ちなみに登山の2-3時間前に玄米おにぎりを食べるのがいいぞ!
食べたものが消化されて、栄養素として使われるのにちょうどいい時間だからな。
よし!玄米おにぎり早速実践だー!
ちょっと待って!
なにを食べるかも重要だけど、どれくらい食べるかも同じくらい大切だぞ。
どれくらい食べればいいのか、確認しよう!
朝おにぎりは何個食べればいい?

登山に行く日の朝食では、おにぎり2〜3個を中心に食べることをおすすめします。
理由は2つです。
- 必要なエネルギーの60%を炭水化物から摂りたい
- 現実的に2-3個が1食に食べられる量の限界
詳しく深掘りしてみましょう!
朝ごはんのおにぎり|2-3個がいい理由
アスリートのための栄養・食事ガイドでは、炭水化物を全体のエネルギー量の約60%からとることが望ましいとされています。
参考:日本調理科学会誌(J. Cookery Sci. Jpn.)Vol. 51,No. 4,247~249(2018)
そこで、運動量別に朝食に必要なおにぎり(200g)の数を出してみます。
時間と荷物 | 男性の朝おにぎり | 女性の朝おにぎり | |
ハイキング | 約3時間 荷物4.1kg | 2-3個 | 2個 |
日帰り 登山 往復 12km | 約8時間 荷物 9.0kg | 4-5個 | 4個 |
え!
日帰り登山のとき、朝からおにぎり5個!?
さすがのぼくでも無理だな…
そう。
現実的に朝ごはんだけで日中の活動エネルギーを補給するのは無理なんだ。
それに一度にたくさん食べると消化にエネルギーを使ってまうんだ。
だから長距離の登山では、行動食で朝ごはんだけでは補えないエネルギーをとっていく必要があるんだよ。
現実的に朝ごはんとして食べられる量は2-3個のおにぎりってことね
- 行動食
- 登山の途中で簡単に食べられる物。
食事だけでは補ないエネルギー補給と、消化にかかるエネルギー消費を抑える目的がある。
行動食では吸収が早くエネルギーになりやすいチョコ・飴・羊羹・蜂蜜・ドライフルーツがオススメ!
登山経験者の方がオススメの行動食を紹介している動画がありました。
行動食についてもっと詳しく知りたいという方は見てみると参考になりますよ!
▼登山のYouTuberりょーじチャンネル
【最強の行動食】優秀すぎる登山行動食3選⁉︎基本と選び方もわかる!
行動食におすすめの羊羹については、こちらの記事で詳細を確認できます。
▼【山ごはん】行動食/えいようかん
今回、運動量別におにぎりの数を出すのに参考にしたのはこちらの記事です。
より詳しくカロリーやエネルギーについて知りたい方はこちらをチェックしてみてくださいね!
▼登山の摂取カロリーとエネルギー消費
ところで
どうして玄米おにぎりがいいんだっけ?
玄米おにぎりは登山に必要な栄養がたっぷり!

玄米はエネルギーになりやすい糖を中心として、エネルギーを作りだすときに必要なビタミンをより多く補給できます。
活動時間が長い登山では、トータルの消費エネルギー量はフルマラソンを超えるほどです。
そのため、活動するためのエネルギーを効率的にうみだす栄養素が登山にかかせません。
玄米はエネルギーを効率的にうみだす栄養素がしっかりととれるからオススメなんだ!
そうなのね!
糖とビタミンが重要ってこと?
効率的にエネルギーをつくるために、重要な栄養素は大きく2つです。
- 糖
- ビタミン・ミネラル
それぞれ詳しく解説していきます!
山登りのエネルギー源「糖」
朝ごはんでしっかり炭水化物(糖)をとっておくことが、山登りのエネルギー源になります。
運動するときに最初にエネルギー源として使われる栄養素は「糖」です。
糖は何時間もの登山に耐えられるだけの量を体にためておけません。
そのため、活動開始のタイミングで体の中でエネルギーを効率的に生み出す状態の「糖」になる食品を食べることが重要になるのです。
それこそが朝ごはんで食べる玄米おにぎりなんだ!
玄米おにぎりの消化・吸収は2-3時間かかる。
朝ごはんを登山開始の2-3時間前に食べておけば、効率的にエネルギーを生み出すことにつながるぞ!
朝ごはんで体を動かすためにガソリンを補給するって感じか!
その通り!それに、体を動かさなくても消費されるエネルギーもあるんだよ。
その分もしっかりエネルギー補給しないと!
ビタミンやミネラルも意識してとらないとダメ?
ビタミン・ミネラルが大切なワケ
ビタミンやミネラルはエネルギーをつくり出すときに、微量ながらも必ず必要とされる栄養素です。
これらは普段の食生活の中では不足することはありません。
ですが、活動時間が長い登山ではマラソンより多くのエネルギーが消費されるので、その分ビタミンやミネラルも多く必要となります。
そのため、ビタミンやミネラルは登山に大切な栄養素と言えるのです。
糖からエネルギーを作り出すときには、特にビタミンB群やマグネシウムが必要になるぞ。
玄米は白米よりもビタミンやミネラルが多いからオススメなんだ!
汗をかいたらナトリウムやカリウムもでていっちゃうって聞いたことある!
それをごはんやおにぎりの具から補給するってことか!なるほど!
オススメのおにぎりの具
おにぎりの具に特にオススメなのは、ビタミンB1やミネラルを豊富に含むこれらの食材です。
- たらこ
- こんぶ
- 豚みそ
濃いめの味付けは、汗をよくかく登山ではナトリウムの補給にもなりますよ!
こう考えると食事ってほんとに大切なんだね。
テント泊して縦走する時は、朝なにを食べたらいいんだろう?
荷物の重さも気になるし、おにぎりだったら腐っちゃうかもしれないし悩むな〜
テント泊登山の朝ごはん|全粒粉のパン

登山が趣味の管理栄養士さんがテント泊にオススメする朝食は、グラノーラや全粒粉パンです。
これらは、調理が必要なく・傷みにくく・軽量な食材です。
そのうえ、玄米のようにビタミンやミネラルを豊富にふくみます。
近くにパン屋さんが無くても、ネットで美味しい全粒粉パンが注文できます。
冷凍のままテント泊に持ち出せば、翌朝には解凍されて食べられますよ!
▼全粒粉パン
メーカー | 全粒粉パン工房ポッポのパン |
サイズ | 16 x 11 x 5.5 cm 380 g |
保存方法 | 2・3日なら袋のまま涼しいところで保存 一度に食べきれない場合はスライスしラップに包んで冷凍保存 |
原材料 | 国産小麦全粒粉(岩手県産) 自家製天然酵母 ホシノ天然酵母 フランス産ゲランド天日塩 |
ボソボソと食べづらい感じであれば、クリーム系のスープに入れると食べやすいぞ!
縦走のときは起きてから動きだすまでの時間が短いから、素早くエネルギーになるハチミツやピーナツジャムを一緒に食べるのも重要だね!
管理栄養士オススメ!
テント泊の朝食組み合わせ
- 全粒粉バゲット
- ピーナツジャム
- 粉末スープ
- チーズ
- 魚肉ソーセージ
グラノーラは小袋になっているものが便利です。
▼カルビーフルグラ
内容量 | 50g |
サイズ(高さx奥行x幅) | 20.1cm×20.8cm×47.9cm |
原産国 | 日本 |
グラノーラなら、粉末のスキムミルクをお湯に溶かして、蜂蜜入りのホットグラノーラとして食べるのがオススメだぞ。
テント泊は日帰り登山よりもたくさんエネルギーを使うから、食事はシビアに考えないといけないね!
登山中にエネルギー切れを起こさないための食事について、さらに詳しく別の記事にまとめています。
縦走やテント泊を考えている方は一読しておくこと、安心して登山ができますよ!
▼登山中にシャリバテを起こさない予防法
まとめ
登山に行く日の朝ごはんについて簡単にまとめてみます。
▼登山の朝ごはん
- 玄米おにぎり2・3個を中心にバランスよく!
- テント泊なら、全粒粉のパンやグラノーラの軽量食材メインに。
▼登山に大切な栄養素
- 「糖」は山登りに最も重要!
- 運動量が多い登山では、ビタミンやミネラルも大切!
活動時間が長く、一歩間違えれば命の危険もある登山では食事がとても重要です。
今回ご紹介した食材以外にも、麺類や白米を朝ごはんのメインにしてももちろん大丈夫です!
その場合は、栄養素が調整してあるスポーツジェル、サプリなどと組み合わせるとより効果的です。
食事だけで全ての栄養を補うことはできません。
行動食や栄養補助食品などを組み合わせて、バテない登山で自然をめいっぱい楽しみましょう!
- てくてくの人登山・ハイキングが大好きです。約8年間、月1〜2回のペースで、夏も冬も山に遊びに行っています。そんな自然の中で経験した登山を楽しんだり、ちょっと知ってよかったと思える情報をゆるりとお届けしています。